ソマリアの行政区画
ソマリアは1991年から内戦状態にあり、2013年現在も継続中であるが、概ね北西部のソマリランド、いくつかの自治州が集まったソマリア連邦政府、南部のイスラーム武装勢力の3つに分けられる。
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従来の行政区画 [編集]
ソマリア内戦前の最大行政区分は18に分かれていた。この行政区分の日本語訳は必ずしも安定していないが、日本の法務省などは「州」と訳しているので[1]、ここでも仮に州として説明する。現在でもこの区分で報道されることも多いが、当時の州境と現在の勢力区分は必ずしも一致しないので、注意が必要である。
| 番号 | 州 | 行政中心都市 |
|---|---|---|
| 18 | アウダル州 | ボラマ |
| 17 | 北部ガルベード州 | ハルゲイサ |
| 16 | トゲアー州 | ブラオ |
| 15 | サナーグ州 | エリガボ |
| 14 | スール州 | ラス・アノド |
| 13 | バリ州 | ボサソ |
| 12 | ヌガール州 | ガローウェ |
| 11 | ムドゥグ州 | ガルカイヨ |
| 10 | ガルグドゥード州 | ドゥサマレブ |
| 9 | ヒーラーン州 | ベレトウェイン |
| 8 | 中部シェベリ州 | ジョウハル |
| 7 | バナディール州 | モガディシュ |
| 6 | 下部シェベリ州 | マルカ |
| 5 | バコール州 | フッドゥル |
| 4 | ベイ州 | バイドア |
| 3 | ゲド州 | ガーバハレ |
| 2 | 中部ジュバ州 | ブアレ |
| 1 | 下部ジュバ州 | キスマヨ |
現在の行政区分 [編集]
ソマリアの住民の大半はソマリ族であり、そのソマリ族は大きく5つの氏族に分かれており、それぞれがさらに細かい支族に分かれている。それぞれの氏族はだいたいがまとまって暮らしており、氏族が事実上の行政単位となっている。
ソマリランド [編集]
詳細は「ソマリランドの行政区画」を参照
ソマリランドはソマリ族5大氏族の一つ、イサックが内戦早々の1991年に建てた国である。国際的には承認されていない。ソマリランドが主張している領土は、ソマリア独立前にイギリスの保護領だったところであり、独立当初の行政区分は6州であった。この行政区分は実際のソマリ族分布と一致していなかったため、2008年3月に12州に、同5月には13州に改変された。ただし東部の州はイサックとは別の大氏族ダロッドの居住区域であり、ここの領有権を巡ってプントランドと紛争状態にある。
プントランド [編集]
プントランドはソマリ族5大氏族の一つ、ダロッドが建てた事実上の独立地域である。政府の実権は必ずしも政府が主張している領土の全域に及んでいないが、比較的安定している方である。ソマリア沖の海賊が本拠地にしているといわれているムダグ、エイルのいずれもプントランド内にある。ソマリア暫定連邦政府への参加を表明しているが、2011年時点ではやや距離を置いている。
- バリ州
- カルカール州
- ヌガール州
- ムダグ州
- サナーグ州
- スール州
- アイン州
このうちサナーグ州、スール州、アイン州はソマリランドとの紛争地域である。
ソマリア暫定連邦政府 [編集]
2005年1月、アメリカ合衆国やエチオピアの後押しでソマリア暫定連邦政府が成立し、北西部のソマリランドと南部のイスラーム勢力を除くほぼ全ての勢力がこれに参加した。この新生ソマリアは連邦制を取っており、連邦を構成するそれぞれの自治州の思惑は必ずしも一致していない。また、南部ではアル・シャバブなどと領土を争っており、境界線は確定していない。
- ガルムドゥグ
ガルムドゥグはソマリ族5大氏族の一つ、ハウィエが建てた事実上の独立地域である。ソマリア中部の領有を宣言しているが、実際にはプントランド州都ガローウェとソマリア首都モガディシュを結ぶ道路沿いの一部を支配しているに過ぎず、海岸沿いのホビョやハラデアなどには実権が及んでいない。しかもその道路沿いも南部のイスラーム勢力アル・シャバブに大きく侵食されている。
- 首都モガディシュ
イスラーム勢力に制圧されているソマリア南部の中で、首都モガディシュの一部だけはアフリカ連合などの支援を受けてソマリア暫定連邦政府が押さえており、暫定大統領府もここにある。しかしその大統領府近辺も、2009年6月にはイスラーム勢力の包囲を受けて消滅寸前の状態である。
- ジュバランド
ジュバランドはソマリ族5大氏族の一つ、ダロッドの居住地域である。従来の行政区分でゲド州、中部ジュバ州、下部ジュバ州の辺りである。この地域は紛争が激しく、支配者が目まぐるしく変わっている。この地方の軍閥が一時ジュバランドとして独立を宣言していたが、間もなくイスラーム武装勢力イスラム法廷連合に占領され消滅した。その後はイスラム武装勢力と暫定連邦政府の争いが激しく、帰属ははっきりしないが、概ねアル・シャバブの支配下にある。この辺りはケニアと国境を接し、ケニアへのソマリア難民の流入が深刻になっていることから、ケニアは最近ゲド州の北部の勢力に援助してアル・シャバブを排除し、ここに再びジュバランドを建設するとの報道もなされている。ジュバランドの建設が成功したとして、ソマリア暫定連邦政府に参加するかどうかは不透明である[2]。
南部イスラーム支配地域 [編集]
最も大きな勢力はアル・シャバブであり、ソマリア暫定連邦政府との国境沿いを支配している。ソマリア南部の一部を別のイスラーム勢力ヒズブル・イスラムが支配している。地元勢力は時々に応じてアル・シャバブ、ヒズブル・イスラム、ソマリア暫定連邦政府と組む相手を変えているため、ソマリア南部の支配体制は複雑であり、変動も大きい。
その他 [編集]
南西ソマリア [編集]
南西ソマリアはソマリ族5大氏族の一つ、ラハンウェインがベイ州、バコール州のあたりに建てた事実上の独立地域であった。しかし南部のイスラーム勢力に制圧された後、大統領のハサン・ムハンマド・ヌール・シャティグドゥドがソマリア暫定連邦政府に行政権のほとんどを委ねている。現在、ベイ州、バコール州のあたりは紛争地域である[3]。
注釈 [編集]
- ^ 例えば出身国情報報告書 ソマリア
- ^ Garowe Online The Jubaland Initiative: Is Kenya Creating a Buffer State in Southern Somalia?、2011年5月2日付
- ^ Garowe online Al-Shabaab bans WFP food distribution in southern Somalia
関連項目 [編集]
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