ソピステス

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ソピステス』(古希: Σοφιστήςソピステース: Sophistソフィスト)は、プラトンの後期対話篇の1つであり、『テアイテトス』の続編。副題は「存在(有)[1]について」。

「ソピステス」(ソピステース、: Σοφιστής)とは、「ソフィスト」(: Sophist)の古代ギリシア語表現であり、本篇が「ソフィストとはいかなるものであるか」を主題とした対話篇であることに因む。

構成[編集]

登場人物[編集]

年代・場面設定[編集]

紀元前399年[2]、アテナイ、某体育場(ギュムナシオン[3]にて。

テアイテトス』で描かれたやり取りの翌日、約束通り早朝に同じ場所に集まったソクラテス、テアイテトス、テオドロスの3名。テオドロスはエレアからの客人もそこに連れて来ていた。

ソクラテスは、その客人がエレアから来たと聞くと、「論争術」(エリスティケー)を操る論争家なのではないかと疑うが、テオドロスはれっきとした哲学者であると否定する。そこでソクラテスは、ソフィストと、政治家と、哲学者が、エレアにおいてはどう認識され、区別されているのかを客人に聞く。客人はそれはそのまま3つに区別されているが、その説明には手間がかかるという。

ソクラテスは問答(弁証術、ディアレクティケー)でそれを説明してもらえるようお願いしつつ、その対話者にテアイテトスを提案する。客人はそれを了承し、客人とテアイテトスの2人による問答が、最後まで描かれる。

補足[編集]

最初の方でソクラテスがソフィスト、政治家、哲学者の三者とはいかなる者かと問うているため、プラトンは、本篇と続編の『政治家』(ポリティコス、古希: Πολιτικός)に加えて、『哲学者』という対話編を書こうとしていたという説もある。

内容[編集]

本書は「ソフィストとはいかなる者か?」というテーマで対話がなされるが、パルメニデスの哲学と絡められて「あるもの」と「あらぬもの」に関する存在論的な対話に発展する。

訳書[編集]

  • 藤沢令夫・水野有庸訳、『プラトン全集3 ソピステス ポリティコス(政治家)』、岩波書店、2005年

脚注[編集]

  1. ^ ギリシア語の「オーン」(: ὤν、on)の訳語。
  2. ^ テアイテトス』回想部の翌日、同じ場所。
  3. ^ エウテュプロン』の冒頭の発言に則るならば、「リュケイオン」である蓋然性が高い。

関連項目[編集]