ソウル駅

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ソウル駅
韓国鉄道公社の駅舎
韓国鉄道公社の駅舎
서울
ソウル - Seoul
所在地 韓国の旗ソウル特別市龍山区
所属事業者 韓国鉄道公社(KORAIL・駅詳細
KORAIL空港鉄道駅詳細
乗換 ソウル駅駅(ソウルメトロ1号線・4号線)
備考 漢字表記は首爾驛・首尔驛と表記される場合もあり。
ソウル駅
各種表記
ハングル 서울역
漢字 서울驛
平仮名
(日本語読み仮名)
そうるえき
片仮名
(現地語読み仮名)
ソウルリョク
英語 Seoul Station
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ソウル駅(ソウルえき)は大韓民国ソウル特別市龍山区東子洞にある、韓国鉄道公社(KORAIL)とKORAIL空港鉄道

概要[編集]

韓国の首都ソウルの表玄関に位置する。直前に崇礼門(南大門)があり、名実共にソウルの表玄関である。仁川国際空港からソウル駅に向かう直通リムジンバスの所要時間は約50分。なお、2010年12月29日にKORAIL空港鉄道が当駅まで開通し、直通列車が43分で結ぶようになった。

ソウルメトロのソウル駅乗換駅であるが、正確には「駅」の字も固有名詞に含まれており、「ソウル駅」駅が正式名称である。地上にある韓国鉄道公社のソウル駅と区別するため、地下ソウル駅と呼んだりもする。

2004年のKTX開業に合わせて、駅舎をリニューアルした。それまで使用していた旧駅舎は保存されている。

乗り入れ路線[編集]

韓国鉄道公社の駅に乗り入れている路線は、線路名称上は京釜線京義線の2路線であり、京釜高速線のKTXは北方は幸信駅まで京義線と、南方は衿川区庁駅まで京釜線と線路を併用する。

京釜線にKTXセマウル号ムグンファ号ヌリロ号といった優等列車が乗り入れ、京義線は幸信行きKTX以外は優等列車の回送として使用される。その他に京釜線は京釜電鉄線、京義線には京義電鉄線といった首都圏電鉄の運行系統が走行する。京釜電鉄線の駅番号133、京義電鉄線の駅番号はP313

KORAIL空港鉄道は当駅が始終着駅であり、A01の駅番号が付与されている。

歴史[編集]

ソウル駅旧駅舎 (史跡第284号)

ソウル駅は1900年に京仁鉄道合資会社(現在の京仁線)の「京城(キョンソン)駅」として開業した。1905年に駅に近い南大門にちなみ「南大門(ナムデムン)駅」と改称した。

1899年9月18日に開通した京仁線は、首都・漢城府と仁川港を結ぶ路線だったが、開通当時には漢江(ハンガン)の直前にある鷺梁津駅が終点となっており、漢城府への連絡が悪かった。1900年7月5日漢江鉄橋の開通により漢城府にようやく鉄道が入ってくるようになったが、当時の京城駅は町はずれの水田の中にある10坪の大きさの木造バラックであった。当時は龍山駅のほうがより規模が大きく、南大門駅は補助的な役割を果たす駅に過ぎなかった。1905年に京釜線が、1906年には京義線が龍山駅を起点に開通し、龍山駅を朝鮮半島を貫く列車が通るようになったが、南大門駅はいまだ龍山駅から別れる盲腸線の終着駅のままであり、依然として小さな駅にとどまっていた。

1910年日韓併合により首都漢城が京城と改称した。京城府の人口が増加するにつれて、京城の玄関口となる中央駅を作る必要性が増した。当時の中心駅で京釜線・京義線・京元線の起点となる龍山駅は、軍事的目的で建設されたうえに都心から離れていて新駅舎建設には不向きだった。このため、都心に近い既存の南大門駅を新たな京城中央駅へと改良することとなった。現在の龍山線を通っていた京義線は南大門駅経由になるように新線工事が始まり、1922年に新駅舎の建設が始まった。1923年1月1日には南大門駅は「京城(けいじょう)駅」に改称され[1]1925年には現在も残る赤レンガの駅舎が竣工した。当時は東京駅に次ぐ東洋第2の規模の駅舎と称された。京城駅は満州方面の国際列車を扱うなど、朝鮮半島の鉄道輸送において中心的役割を担うことになる。

現行駅舎の竣工記録
新旧駅舎の位置関係

朝鮮半島の「光復」後、1946年8月15日に出されたソウル市憲章により都市名「京城府」は「ソウル市」と正式に改称されるが、京城駅が「ソウル駅」に改称されるのはこれよりおくれ、1947年11月1日のことである[2]。ソウル駅は朝鮮戦争後に何度も拡張が続けられた。1957年にはソウル駅の西に京義線のみを扱う西部駅舎を新設し、地域住民の旅客利用を補助した。1970年代の経済成長期の後、旅客の規模が大きくなり、従来の駅舎は限界に近づいたため、ソウルオリンピックに合わせ1988年に従来のソウル駅舎と西部駅舎を結ぶ橋上駅舎を竣工した。

ソウル駅は2004年のKTX開業にともなう大改修により面目を一新した。2003年に現在のガラス張りの駅舎が民間資本により竣工し、旧駅舎は役割を終えた。2004年4月1日からKTXを扱うようになった。過去には京釜線湖南線全羅線長項線などの長距離列​​車がソウル駅始発で運行されたが、2004年のKTX開通後は、線路容量の問題ですべての列車をソウル駅で処理することができなくなり、湖南・全羅・長項線の列車はソウル駅から龍山駅始発に変わった。 2010年には仁川空港へのKORAIL空港鉄道が開業した。ソウル駅と仁川国際空港駅を直通43分、一般53分程度で結んでいる。

年表[編集]

ソウル駅旧駅舎[編集]

ソウル駅旧駅舎の夜景
日本統治時代の京城(けいじょう)駅

現在役割を終えて保存されている旧駅舎は、東京帝国大学教授塚本靖の設計によるもので、1925年9月30日に竣工した。アムステルダム中央駅ペトルス・カイペルス設計)とヘルシンキ中央駅エリエル・サーリネン設計)に倣ったもの[4]だが、日本の東京駅に雰囲気が似ていることもあり、「設計者は辰野金吾(東京駅設計者)」と誤って紹介されることも多い。

1917年から1925年まで朝鮮総督府鉄道を運営していた南満州鉄道株式会社は、日本・朝鮮・満州を結ぶ国際列車が通り朝鮮半島の玄関口となるにふさわしい国際的なレベルの駅舎を欲していた。この駅舎は植民地経営の成果ともなるべきものであった。塚本靖設計の駅舎は1922年6月に着工した。当初は1923年に完成予定であったが、同年の関東大震災のため工期が延び、工費も減額されている。

建築規模は、敷地面積70,083坪、地下1階地上2階建て、建物の延べ面積6,631㎡の大型建築物であり、東洋第一の東京駅に次ぐ東洋第2の駅舎と呼ばれるほどの規模であった。駅舎には、2階に貴賓室と食堂、1階に待合室など、地下に駅務室があった。1階の待合室の中央には大きなホールがあり、その上部の屋根にはビザンチン風のドームがあった。そのドームの側面にある半円アーチの窓から中央ホールの内部に自然光を引き込んで、明るい空間を形成していた。建物は鉄筋コンクリート造のレンガ組みで仕上げており、屋根は鉄骨造で天然スレートおよび銅板を敷いて仕上げている。

巨大なソウル駅は、現代の韓国では、同時期完成の朝鮮総督府庁舎とともに日本帝国による朝鮮搾取のために建設された代表的な建築物とされている。しかし豊かな装飾や洗練された構造により、1981年8月25日に大韓民国の史跡第284号に指定されている。駅舎のグリル(食堂)は、日本統治時代に文化芸術人たちが集まって作品を論じ、多くの作品を創作した場所としても有名だった。

駅舎は1950年朝鮮戦争で大きく破壊され、修理の過程でコンコースの天窓が毀損している。1958年1月には駅舎南側に特急列車の待合室が増設され、1988年にはソウルオリンピックに合わせた橋上駅舎の完成で駅機能の多くが旧駅舎から移転した。さらに、2003年に旧駅舎南側に新駅舎が完成した後は駅舎としての役割を終えた。旧駅舎は当初、鉄道文化財団によりシネマテークなど各種の文化施設として用途転用される予定だったが、史蹟284号に指定されているソウル駅を原型保存すべきとする文化財庁は韓国鉄道公社に所有権の移転を要求し、2006年に文化財庁に所有権が移転され、2007年7月には文化観光部によって、いわゆる「複合文化空間」への転換が発表された。

旧駅舎は、2009年4月に改修工事を開始し、2011年中に「ソウル駅文化館」(仮称)として新しくオープンする運びとなっており、ここではソウル駅の歴史などの展示を中心とする複合文化空間として運用されることとなる。これに合わせ、韓国の文化観光体育部(2008年に改称)は2008年9月から11月15日まで、最優秀に1400万ウォンなどの賞金を用意し、ソウル駅にまつわる逸話や資料の収集を行った[5]2011年8月9日、「文化の駅ソウル284」という名前で複合文化空間が旧駅舎にオープンした。

駅構造[編集]

韓国鉄道公社[編集]

韓国鉄道公社 ソウル駅
駅入口(東口)
駅入口(東口)
서울
ソウル - Seoul
所在地 韓国の旗ソウル特別市龍山区漢江大路韓国語版405
位置座標
所属事業者 韓国鉄道公社(KORAIL)
駅種別 普通駅
駅等級 特1級
駅構造 地上駅
乗車人員
-統計年度-
52,572人/日(降車客含まず)
-2012年-
開業年月日 1900年7月8日
乗入路線 2(3) 路線
所属路線 京釜線
京釜電鉄線*
キロ程 0.0km(ソウル起点)
(1.7km) 南営
所属路線 京義電鉄線
駅番号 P313
キロ程 0.0km(ソウル起点)
(3.1km) 新村 P314
所属路線 KTX京釜高速線
キロ程 0.0km(ソウル起点)
幸信** (14.7km)
(22.0km) 光明***►
* 京釜電鉄線の各駅停車は基本的に地下ソウル駅を発着する。
** 当駅-幸信間全区間京義線の線路と共用。
*** 衿川区庁駅までは京釜線の線路と共用。

改札口は2階と3階に設けられている。主に2階はセマウル号・ムグンファ号、3階はKTXを扱う。 KTX開通当時は区別を的確にされたが、すべての乗り場に行く階段と相互に接続されているので、最近ではほとんど区別をしない。

ホーム8面16線の地上駅で、東端のホーム1面2線と西端のホーム1面1線は首都圏電鉄用高床ホーム、残りのホームはKTXやその他の優等列車が使用する低床ホームである。東端の1・2番ホームでは、朝のラッシュ時に運行される京釜電鉄線急行列車ヌリロ号が、西端(ホーム番号なし)ホームは京義電鉄線が使用する。1・2番ホームのみホーム間とKORAIL国際空港・ソウルメトロ(地下ソウル駅)との連絡通路が接続されているが、西端ホームは連絡通路がないので改札外乗換となる。

ロッテアウトレットソウル駅店、ロッテマートソウル駅店、ピザハットが駅舎と併設している。

のりば[編集]

ホーム 路線 系統 行先
1·2 京釜電鉄線 B急行 衿川区庁水原平沢天安方面
京釜線 ヌリロ号 天安新昌東大邱方面
3-12 京釜線 KTXセマウル号ムグンファ号ヌリロ号 釜山堤川浦項順天[6]海雲台方面
13・14 京釜線・京義線 KTXセマウル号ムグンファ号ヌリロ号 大田東大邱釜山幸信方面
西部 京義電鉄線 B急行・緩行 デジタルメディアシティ一山金村方面


KORAIL空港鉄道[編集]

KORAIL空港鉄道 ソウル駅
KORAIL空港鉄道駅舎
KORAIL空港鉄道駅舎
서울
ソウル - Seoul
(3.3km) 孔徳 A02
所在地 韓国の旗ソウル特別市龍山区青坡路378
駅番号 A01
所属事業者 KORAIL空港鉄道
所属路線 KORAIL空港鉄道
キロ程 0.0km(ソウル駅起点)
駅構造 地下駅
ホーム 2面3線
乗車人員
-統計年度-
14,326人/日(降車客含まず)
-2012年-
開業年月日 2010年12月29日

KORAIL空港鉄道の駅舎は韓国鉄道公社の駅舎の南西部に位置し、両駅舎は繋がっている。駅舎は地上2階、地下7階の構造でホームはは地下7階にある。ホームやコンコースは直通列車と一般列車で分離されており、地下2階に直通列車の改札口と都心空港ターミナルが、地下3階の一般列車の改札口がある。ホームは2面3線構造で、島式1面2線を一般列車が使用し、単式1面1線を直通列車が使用する。エスカレーターが稼動しているが地下深いためエレベーターのほうが便利である。

この地下2階にある都心空港ターミナルは大韓航空アシアナ航空済州航空の利用者に限り、ここで搭乗手続き出国審査ができる。搭乗手続きと出国審査を経た後に直通列車を利用して仁川国際空港に行くことができる。

のりば[編集]

のりばの番号は存在しない。 線路西側から順に、

路線 系統 行先
KORAIL空港鉄道 一般 当駅止まり
KORAIL空港鉄道 一般 金浦空港仁川国際空港方面
KORAIL空港鉄道 直通 折り返し仁川国際空港行き


利用状況[編集]

優等列車
年度 利用人員[7]
京釜線 京義線
KTX セマウル ムグンファ トンイル[8] 合計 統一(通勤) ムグンファ KTX 合計
2001年 下り 乗車 未開通 3,788,985 8,602,006 13,899 12,529,890 279,261 - 未開通 279,261
降車 始発 始発 始発 始発 始発 - 始発
上り 乗車 終着 終着 終着 終着 終着 - 終着
降車 4,054,445 9,258,021 153,425 13,465,891 499,348 - 499,348
2002年 下り 乗車 3,555,498 7,920,088 125,829 1,1601,415 635,919 - 635,919
降車 始発 始発 始発 始発 始発 - 始発
上り 乗車 終着 終着 終着 終着 終着 - 終着
降車 3,837,797 8,694,785 153,425 1,268,6007 855,218 - 885,218
2003年 下り 乗車 3,264,157 7,388,559 76,985 10,729,701 963,397 - 963,397
降車 始発 始発 始発 始発 始発 - 始発
上り 乗車 終着 終着 終着 終着 終着 - 終着
降車 3,549,812 8,117,821 92,607 11,760,240 1,355,848 - 1,355,848
2004年 下り 乗車 6,088,919 1,681,539 4,101,142 17,128 11,888,728 1,288,230 - - 1,288,230
降車 81 始発 6,854 始発 6,935 1,284 - - 1,284
上り 乗車 0 終着 終着 終着 0 終着 - - 終着
降車 6,117,402 1,783,472 4,144,625 21,314 12,066,813 1,854,197 - - 1,854,197
2005年 下り 乗車 9,032,639 885,016 2374704 廃止 12,292,368 1,642,397 - - 1,642,397
降車 114 3 32 158 160 - - 160
上り 乗車 2 終着 終着 2 終着 - - 終着
降車 9,356,211 901,585 2,142,666 12,400,462 2,344,744 - - 2,344,744
2010年[9] 下り 乗車 10,714,388 644,341 2,829,241 14,187,970 廃止 65 3,111 3,176
降車 1 始発 始発 1 始発 始発 始発
上り 乗車 6 終着 終着 6 終着 終着 終着
降車 11,048,472 577,260 2,737,251 14,362,983 60 1,366 1,426
2011年[10] 下り 乗車 12,982,123 618,817 2,658,628 16,767,674 - 3,749 3,749
降車 3 始発 始発 3 - 始発 始発
上り 乗車 6 終着 終着 6 - 終着 終着
降車 13,211,576 542,431 2,524,226 16,883,862 - 1,732 1,732
首都圏電鉄
年度 1日平均乗車人員
京釜電鉄線[11] 京義電鉄線[11] KORAIL空港鉄道[12]
2000年 19,783    
2001年 17,958    
2002年 18,537    
2003年 19,509    
2004年 15,879    
2005年 18,467    
2006年 18,916    
2007年 19,054    
2008年 18,940    
2009年 18,753 4,237  
2010年 20,186 5,504 8,272[13]
2011年 ? 6,146 11,486


駅周辺[編集]

東側[編集]

東側の様子

西側[編集]

バス路線[編集]

詳細はソウルバス乗換センター韓国語版を参照。

隣の駅[編集]

韓国鉄道公社
京釜高速線
KTX
幸信駅 - ソウル駅 - 光明駅
京釜線
KTX・セマウル号(慶全線東海南部線直通系統)・ムグンファ号(忠北線・慶全線直通系統)・ヌリロ号
ソウル駅 - 永登浦駅
セマウル号・ムグンファ号・ヌリロ号(長項線直通系統)
ソウル駅 - 竜山駅
京釜電鉄線
B急行
ソウル駅 (133) - (永登浦駅 (139) - 朝の上りのみ) - 衿川区庁駅 (P144)
京義電鉄線
B急行
ソウル駅 (P313) - デジタルメディアシティ駅 (K316)
緩行
ソウル駅 (P313) - 新村駅 (P314)
KORAIL空港鉄道
KORAIL空港鉄道
直通
ソウル駅 (A01) - 仁川国際空港駅 (A10)
一般(各駅停車
ソウル駅 (A01) - 孔徳駅 (A02)

脚注[編集]

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  1. ^ 『東亜日報』1922年12月29日付
  2. ^ 「KTXサイバーステーション」ソウル駅案内ページ(韓国語)
  3. ^ 中区漢江大路405(蓬莱洞2街 122-21) → 龍山区漢江大路 405(東亭洞 43-205)に移設。
  4. ^ オピニオン・ソウル駅美術館」『東亜日報』2006年10月25日付
  5. ^ ソウル駅の「思い出」募集中」『朝鮮日報』電子版2008年11月2日付
  6. ^ 東大邱馬山晋州経由。
  7. ^ 원자료는 철도통계연보[1]
  8. ^ トンイル号は乗客数低迷とKTX開業により2004年4月1日に廃止された。
  9. ^ (※zipファイル内pdf参照)
  10. ^ [2]
  11. ^ a b 정보공개 공개자료실, 코레일 (2005·2009년은 철도정보 일반자료실)
  12. ^ [3]
  13. ^ 2010年12月29日開業で3日間のデータ

関連項目[編集]

外部リンク[編集]