ソア橋
| ソア橋 | |
|---|---|
| 著者 | コナン・ドイル |
| 発表年 | 1922年 |
| 出典 | シャーロック・ホームズの事件簿 |
| 依頼者 | 金鉱王ニール・ギブソン |
| 発生年 | 不明 |
| 事件 | ギブソン夫人殺人事件 |
「ソア橋」(ソアばし、The Problem of Thor Bridge)は、アーサー・コナン・ドイルによるシャーロック・ホームズシリーズの短編小説の一篇。「ストランド・マガジン」1922年2月号、「ハースツ・インターナショナル」1922年2月号初出。『シャーロック・ホームズの事件簿』に収録されている。
なお、「ソア」は北欧神話の雷神トールに由来するとされ、それを明確にするため日本語訳を「トール橋」とする場合もあるが、英語読みは「ソア」なので「ソア橋」でも誤りではない。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
[編集] あらすじ
金鉱王ニール・ギブソンの妻マリーアが、ソア橋の上で射殺体となって発見された。容疑者はギブソン邸の住み込みの家庭教師として働いているグレイス・ダンバー嬢で、彼女の衣装箪笥の引き出しから拳銃が見つかったことや、事件当日に現場近くでダンバー嬢を見たという証言から、ダンバーがギブソン夫人を射殺したことは間違いないだろうと考えられていた。
ホームズはギブソンの依頼を受け、事件の調査に当たる。証拠となった拳銃を投げ捨てず、衣装箪笥から出てきたことに不審を抱いたホームズは、橋の欄干にコイン大の傷があるのに気づく。ホームズはダンバー嬢の無実を証明するために調査を続け、あるトリックによってダンバー嬢に無実の罪が着せられようとしたと推理する。そのトリックを解明するために、ワトスンの拳銃を借りてホームズは実験を試みる。その結果、実は殺人ではなく、自殺であったこと、拳銃におもりを結びつけ、自殺と同時にそれを隠すトリックであったことが示される。
[編集] 影響
この作品の中心的なトリックは、殺人の現場から凶器を隠すと言う方法の典型である。凶器を隠すことは、この作品では自殺を他殺に見せかけるために用いられているが、密室殺人の型としても存在する。例えば横溝正史は本陣殺人事件で密室を扱っているが、そのために殺人に使われた日本刀に琴糸を結びつけ、水車に引かせて部屋から出すというトリックを使っているが、これはこの作品にヒントを得たとされる。それだけでなく、作中にもこの作品への言及があり、犯人がこの作品を参考に、トリックを考えたと金田一耕助をして指摘させている。ほかに「ソア橋」と同型のトリックが使用された有名作品としてアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』等がある。
[編集] 参考文献
- 大坪直行(角川文庫『本陣殺人事件』解説、1973年)
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