セミエビ科

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セミエビ科
Scyllarides latus.jpg
セミエビの一種 Scyllarides latus
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 軟甲綱 Malacostraca
: 十脚目 Decapoda
下目 : イセエビ下目 Palinura
上科 : イセエビ上科 Palinuroidea Latreille1802
: セミエビ科 Scyllaridae
学名
Scyllaridae
Latreille1825
英名
Slipper lobster

セミエビ科 Scyllaridaeイセエビ下目の下位分類群の一つ。セミエビウチワエビゾウリエビなど、扁平な体つきの大型種を含む。

特徴[編集]

熱帯から亜熱帯にかけて分布する。体長は数cmのものから50cm程度のものまで、種類によって異なる。

体は上から押しつぶされたように扁平で、標準和名でもこの体型に由来した「ゾウリ」や「ウチワ」が充てられる。英語でも同様に、セミエビ科のエビを総称し"Slipper lobster"(スリッパロブスター)と呼ぶ。

体の前方中央に切れこみがあり、そこからひげ状の第1触角が伸びる。切れこみ部分の左右は厳密には甲ではなく第2触角で、他のエビ類の長い触角にあたる。セミエビ科の第2触角は4つの節からなるが、このうち第2・第4節が外側に向かって板状に伸びるため、このような形状になる。複眼は第2触角の付け根にあり、体に対して比較的小さく、眼柄も短い。

歩脚は短くがっしりしているが、鋏脚はメスの第5歩脚に小さい鋏があるのみで、強大な鋏脚はない。ウチワエビモドキではこの鋏脚もない。

成体はおもに浅いに生息し、夜に活動する。成体に泳ぐ能力はなく、腹部を体の下に折り曲げて海底を歩行する。卵はメスが腹脚に抱えて保護し、孵化した子供はフィロソーマ幼生期を経る。

大型種は各地で食用に漁獲される。日本では西日本各地でウチワエビが多く漁獲され市場に流通するが、セミエビやゾウリエビなどはイセエビに混じって少量が漁獲される程度で、主に現地で消費され、市場に出回ることはほとんどない。

また、扁平な体型はエビ類としては珍しく、水族館などで飼育されることもある。

分類[編集]

セミエビ亜科
Arctides antipodum
ウチワエビ亜科
オオバウチワエビ
ヒメセミエビ亜科
Scyllarus arctus
ウチワエビモドキ亜科
ウチワエビモドキ

化石種を含めて4亜科22属[1]、およそ90種が属する[2]。亜科と属の和名は関口・木村(2011)[3]による。

系統[編集]

次のような系統樹が得られている[4]




カザリセミエビ属



セミエビ属





ウチワエビ属





メキシコゾウリエビ



ゾウリエビ属





ウチワエビモドキ属



ヒメセミエビ亜科






出典[編集]

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  1. ^ Sammy De Grave, N. Dean Pentcheff, Shane T. Ahyong et al. (2009). "A classification of living and fossil genera of decapod crustaceans". Raffles Bulletin of Zoology. Suppl. 21: 1–109. 
  2. ^ WoRMS, Scyllaridae Latreille, 1825, World Register of Marine Species英語版, http://www.marinespecies.org/aphia.php?p=taxdetails&id=106795 2015年1月30日閲覧。 
  3. ^ 関口秀夫・木村昭一 (2011). "本邦水域の初記録のヒメセミエビ類1種の報告と Holthus (2002) のヒメセミエビ類の新分類体系". 南紀生物 53 (1): 1–14. 
  4. ^ Yang, Chien-Hui, et al. (2012). "Phylogenetic relationships, character evolution, and taxonomic implications within the slipper lobsters (Crustacea: Decapoda: Scyllaridae)". Molecular phylogenetics and evolution 62 (1): 237–250. doi:10.1016/j.ympev.2011.09.019. 

参考文献[編集]

外部リンク[編集]