セクシー・バス・ストップ

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セクシー・バス・ストップ
オリエンタル・エクスプレスシングル
初出アルバム『The Birth of a Dragon
B面 バンブー
リリース
規格 シングルレコード
録音 1975年12月
ジャンル ニューソウル
インストゥルメンタル
時間
レーベル ビクター音楽産業
作詞・作曲 Jack Diamond(作曲)
プロデュース Satoshi"Hustle"Honda
チャート最高順位
  • 週間25位(オリコン
  • 1976年度年間67位(オリコン)
オリエンタル・エクスプレス シングル 年表
セクシー・バス・ストップ
(1976年)
ピーナッツ(ディスコ・バージョン)
(1976年)
※これよりDr.ドラゴン&オリエンタル・エクスプレス名義
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セクシー・バス・ストップ」は、1976年3月5日にビクター音楽産業(現:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント)より発売された、オリエンタル・エクスプレスインストゥルメンタルのシングル。

概要[編集]

筒美京平が企画・指揮した覆面ユニット“Dr.ドラゴン&オリエンタル・エクスプレス”の1stシングル[1]で、筒美が“Dr.Dragon"(ドクター・ドラゴン)という変名で企画・指揮し、更に"Jack Diamond”(ジャック・ダイアモンド)という変名で作曲した作品である。

本作の企画が出たのは1975年11月で、ビクター音産洋楽宣伝部の“ハッスル・ホンダ”こと本多慧が「アメリカでは“バス・ストップ[2]”というステップが流行り始めたが、日本ではバス・ストップを踊れる曲が無い。だから日本で踊れる曲を作ってしまおう。」と考えたのが発端である[3]。本多から楽曲作りの依頼を受けた筒美は、フィリー・サウンドを支えたMFSBの日本版を目指し、林立夫ドラム)、鈴木茂ギター)、後藤次利ベース)、矢野顕子キーボード)によるユニット、“オリエンタル・エクスプレス”を結成。楽曲を制作、完成させる[4]1976年1月に、ニューヨークルーズベルト・ホテル英語版で行われた、ビルボード誌主催の“国際ディスコ会議”に本作を出品したところ好評を博し、日本での発売に踏み切る[3]

日本人の作曲家とミュージシャンが制作、演奏したことを隠し、ビクターから洋盤として発売[3]。その後は売り上げを伸ばし、ニッポン放送の『ポップスベストテン』や、文化放送の『オール・ジャパン・ポップ20』などの、ラジオの洋楽ランキング番組にランクインする[3]。また洋邦の総合チャートであるオリコンシングルTOP100でも、28週にわたりランクイン[5]。最終的には、1976年の洋楽売上チャートで、「ビューティフル・サンデー」に次ぐ2位の売上を記録する[6]

収録曲[編集]

  1. セクシー・バス・ストップ
  2. バンブー
    両曲とも、作曲・編曲:Jack Diamond(筒美京平)[7]

収録アルバム[編集]

セクシー・バス・ストップ
バンブー
  • The Birth of a Dragon(LP:#3、CD:#8)
    • Sexy Bus Stop(#8)
    • The birth of a Dragon +4 (#8)

浅野ゆう子のカバー[編集]

セクシー・バス・ストップ[8]
浅野ゆう子シングル
初出アルバム『セクシー・バス・ストップ』
B面 ブルー・ライト・ヨコハマ
リリース
規格 シングルレコード
録音 1976年2月
ジャンル アイドル歌謡曲
時間
レーベル RCA/RVC
作詞・作曲 橋本淳(作詞)
Jack Diamond(作曲)
高田弘(編曲)
チャート最高順位
  • 週間12位(オリコン
  • 1976年度年間68位(オリコン)
浅野ゆう子 シングル 年表
卒業アルバム
(1976年)
セクシー・バス・ストップ
(1976年)
ハッスル・ジェット
(1976年)
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解説[編集]

1976年4月25日RVC(現:ソニー・ミュージックレーベルズ)より発売された浅野ゆう子の8枚目のシングル。インストゥルメンタルだった本作に、新たに歌詞を付けてカバーされる。

歌詞を付けた作品を浅野に歌わせるというアイデアは、日音村上司によるものである[9]。作曲者である筒美は、当初「インストゥルメンタルとして書いた作品だから…」と難色を示していたが、村上とディレクターの岡村右との話し合いにより納得[9]。作詞は筒美の要望により、橋本淳が担当することになる[9]。またB面には、いしだあゆみの最大ヒット・シングル「ブルー・ライト・ヨコハマ」のカバーバージョンが収録され、オリジナルより約1ヶ月半遅れで発売される。

浅野のカバー盤はチャートTOP10近くまで上昇するヒットとなり、自己最高セールスを記録する[10]

収録曲[編集]

  • 両楽曲共に、作詞:橋本淳/編曲:高田弘
  1. セクシー・バス・ストップ [03:20]
    作曲:Jack Diamond
    Ⓟ 1976 NICHION,INC.
  2. ブルー・ライト・ヨコハマ [03:22]
    作曲:筒美京平
    Ⓟ 1968,1976 NICHION,INC.

収録アルバム[編集]

  • セクシー・バス・ストップ (#1、#2)
  • YUKO IN DISCO (#1、#2)
  • オー! ミステリー (#1、#2)
  • ヴェリーベスト 昭和歌謡 (#1、#2)
  • ベスト16 (#1、#2)
  • GOLDEN☆BEST limited 浅野ゆう子 筒美京平を歌う (#1、#7)

その他のカバー[編集]

日本[編集]

海外[編集]

1977年、欧陽菲菲が台湾発売のアルバム『愛的路上我和你』にて、『愛的路上我和你』(作詞:孫儀)という曲名でカバーし、台湾でも人気作品となる。それ以降多くの歌手が同曲をカバーしている。

脚注[編集]

  1. ^ ただし、当シングル盤にはDr.ドラゴンのクレジット(表記)はなく、オリエンタル・エクスプレス名義となっている。
  2. ^ 1列、或いは2列に並んで同じステップを踊るダンス。列になっている様子が、バスの停留所に並んでいる姿に似ていることから、バス・ストップと名付けられた。
  3. ^ a b c d “「セクシー・バス・ストップ」は日本製だった!”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社): p. 12. (1976年5月11日) 
  4. ^ 榊ひろと『筒美京平ヒットストーリー 1967‐1998』白夜書房、1998年、112頁頁。ISBN 4-89-367563-X 
  5. ^ 『オリコンチャート・ブック アーティスト編』オリジナルコンフィデンス、1988年、81頁頁。ISBN 4-87-131021-3 
  6. ^ Dr.ドラゴン&オリエンタル・エクスプレス/VICTOR ENTERTAINMENT ONLINE SHOP”. VICTOR ENTERTAINMENT ONLINE SHOP. 2015年2月26日閲覧。
  7. ^ 1979年の再発売盤はJack"Dr.DRAGON"Diamond名義で記載。
  8. ^ ただし、シングル盤のジャケット上の表記は「セクシー・バスストップ
  9. ^ a b c CD-BOX『筒美京平 Hitstory Ultimate Collection 1967〜1997 2013Edition』 ソニー・ミュージックダイレクト(2013年12月25日)ブックレット、75頁。
  10. ^ 『オリコンチャート・ブック アーティスト編』オリジナルコンフィデンス、1988年、21頁頁。ISBN 4-87-131021-3 
  11. ^ 『メドレーII』の中の一曲。

関連項目[編集]