スーパージャイアンツ
『スーパージャイアンツ』は、新東宝が1957年 - 1959年に製作した日本初の特撮スーパーヒーロー物映画、及び主人公の宇宙人の名称。全9作品で、主演の宇津井健が主人公の宇宙人「スーパージャイアンツ」を通して演じた。1 - 6作目までは石井輝男が監督している。
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[編集] 概要
主人公のヒーローは「スーパージャイアンツ」と名乗って、自由に空を飛び、鋼鉄の拳銃をも飴のようにひねる怪力を持つ宇宙人。1956年から日本で放映開始されたアメリカのテレビシリーズ『スーパーマン』を意識していると思われるが、頭部部分までが一体の、いわゆる全身タイツでスーパーマンのようなパンツ部分のない「まんま」なタイツ姿が後年バラエティ番組で話題になった。「ナショナルキッド」など、本作品以降の日本の特撮ヒーローには同様のタイツ姿が多く見られる。主人公が1人なのに「~ジャイアンツ」 (giants) と複数形の名称なのはご愛嬌である。
本シリーズが始まった1957年は、ソ連が人類史上初めて人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げた年であり、人工衛星や宇宙人のヒーローということが強く意識されている。また、ソ連が人工衛星を打ち上げたのと同じく、当時原爆以上の水素爆弾等の核兵器について各国が研究に力を入れ始めており(ビキニ環礁での核実験等)、原爆被爆国の日本としてスーパージャイアンツは子供向けに微温的ながらも反戦・核兵器廃絶・平和への希求のメッセージが込められた作品でもある。
[編集] 作品リストと概要
- 『鋼鉄の巨人』『続鋼鉄の巨人』(1957年7月30日・8月13日):池内淳子が共演。地球の平和を求める宇宙人たちの要請を受けたスーパージャイアンツが地球に来て、強力なエネルギーを持つ特殊なウラニウムを悪用しようとする犯罪組織を倒す。
- 『怪星人の魔城』『地球滅亡寸前』(1957年10月1日・10月8日):地球を侵略しようとする怪星人カピア人の攻撃にスーパージャイアンツが立ち向かい、UVガスを用いた地球人と協力して壊滅させる。
- 『スーパージャイアンツ 人工衛星と人類の破滅』(1957年12月28日):三ツ矢歌子が共演。巨大な人工衛星(むしろ、宇宙空間を自由に飛行する宇宙船と言った方が適切)から地球を攻撃しようとする地球人の悪の組織との戦いを描く。
- 『続スーパージャイアンツ 宇宙艇と人工衛星の激突』(1958年1月3日):前作の続編。
- 『スーパージャイアンツ 宇宙怪人出現』(1958年4月28日):悪の組織が、人工的に作り出した細胞を、怪力で空も飛ぶ宇宙怪人に成長させ、それを使って大規模な破壊行為を行なう。スーパージャイアンツが宇宙怪人と戦って倒し、悪の組織も叩き潰す。
- 『続スーパージャイアンツ 悪魔の化身』(1959年3月27日):戦争で死んだ愛娘の脳から幻覚のような魔女を作り出した科学者が、犯罪組織と手を握って次々に殺人を犯すが、スーパージャイアンツの活躍で事件は解決する。
- 『続スーパージャイアンツ 毒蛾王国』(1959年4月24日):これまでの作品と違ってSFの要素はない。アフリカ産の毒蛾の毒を用いて要人暗殺を図る犯罪組織をスーパージャイアンツが叩き潰す。
[編集] 評価
内容は子供向けのためか非常に荒唐無稽な面があるのは当然であるが、主人公(宇宙人)が宇宙服なしの生身の人間を抱えたまま酸素のない宇宙空間を飛行するなど、科学的知識が乏しかった時代の稚拙さが見て取れる。また、主人公と日本の機動隊が怪星人の集団を「UVガス」と称する毒ガス(化学兵器)で殺戮するといった、現代では問題視されるようなシーンもある。
後のエログロ路線の、その実エロスやフリークにより観客自身に現代性を切取らせてしまう石井輝男は「普通に撮るとテレちゃうんですよね」(石井輝男映画魂より)と韜晦しているが、吉田輝雄の路線につながるヒーローの無力さを体現した本作をして長部日出雄に「映画の終末点に立つ墓堀人」といわしめたところに、巨匠石井の面目がある。
また本作は、普通にスーパーヒーローモノとして見る事が出来るのだが、全身タイツというあまりにヒーローモノとは思えない(アメリカ製のヒーローは全身タイツでも上にパンツを履くことが多い)衣装によって、バラエティ番組でネタにされる事が多々ある。有名な例としては、関根勤が司会を勤めた「ウラ関根TV」という番組である。番組内では、「妖しい色気と”モッコリ”」というタイトルで紹介された。関根曰く、全身タイツで強調された宇津井健のモッコリ(股間)に注目してもらいたいようである。
[編集] 映像ソフト化
- 2000年7月25日に全話収録のDVD-BOXが発売。
- 2001年7月25日に全9巻の単巻DVDが発売。
- 2005年8月10日に低価格のDVD-BOXが発売。奇しくもこの2日後、本作の6作を監督した石井輝男がこの世を去った。
[編集] 漫画版
漫画版は、第1作 - 第7作は桑田次郎、第8作・第9作は一峰大二の作画によって、講談社の漫画雑誌『ぼくら』に掲載された。同誌には吉田竜夫の作画による独自ストーリー版も連載されている。また、横山まさみちの作画による単行本が富士見出版社より1959年に出版され、こちらには第7作と第9作の漫画版が収録されている。