スメルシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

スメルシ(SMERSH、СМЕРШ)とは、第二次世界大戦独ソ戦の最中の1943年4月19日に設けられたスターリン直属の防諜部隊の通称である。創設者はヴィクトル・アバクーモフ。正式な訳語は国防人民委員部防諜総局。任務は脱走兵、ドイツ側に寝返った赤軍兵士、前線における敗北主義者の摘発。ソビエト連邦督戦隊である。

名の由来は『スパイに死を』Смерть шпионамDeath to the spies)を意味するキリル文字の頭文字である。ラテン文字表記の SMERSH を英語読みしてスメルシュとも表記される。1943年に内務人民委員部(NKVD)(ラヴレンティ・ベリヤ)から独立した国家保安人民委員部(NKGB)(フセヴォロド・メルクーロフ)の No.2 であるヴィクトル・アバクーモフが指揮する軍から独立した野戦政治警察部隊(督戦部隊)である。各方面軍に配置された。アバクーモフは副国防人民委員を兼任し、直接スターリンに報告する権限を有していた。

スメルシは、ベルリンの戦い総統地下壕におけるヒトラーの自殺を確認し、彼の遺体の一部や所持品をモスクワに持ち帰った。これらは現在もモスクワに保管されている。また1945年8月のソ連軍の対日参戦のときに先陣を切って、満州に侵攻した部隊でもある。

スメルシは、軍内の防諜に従事した外、ソ連の占領地における不穏分子の摘発にも従事した。特にアバクーモフの命令により、ブダペストにおいてスウェーデンの外交官、ラウル・ワレンバーグが逮捕された。

1946年5月、NKGBはソ連国家保安省(MGB) に昇格し、スメルシもMGBに編入された。内務人民委員部内務省 (MVD) と改名される。

フィクション[編集]

  • 007シリーズ
本シリーズでは戦後も存続し、西側諸国に対して数々の謀略を展開する。なお、ソ連情報機関の組織構成は当然極秘であり、KGB(1954年発足)の名前が広まり、フィクションの世界の「敵役」として定着したのは、1970年代に入ってからであった。

文献[編集]

  • 20世紀の人物シリーズ編集委員会(編)、『ヒトラー最後の真実 KGB 秘密調書』、光文社、2001年、ISBN 4-334-96113-4

関連項目[編集]