スピルリナ

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スピルリナ
Spirul3.jpg
Spirulina sp.
分類
ドメイン : 真正細菌 Bacteria
: 藍色細菌門 Cyanobacteria
: ユレモ目 Oscillatoriales
: アルスロスピラ(オルソスピラ)属 Arthrospira
Stitzenberger ex Gomont, 1892
和名
スピルリナ
英名
Spirulina
タブレット状のスピルリナ
スピルリナ(dried)
100 g (3.5 oz)あたりの栄養価
エネルギー 1,213 kJ (290 kcal)
炭水化物 23.9 g
- 糖分 3.1 g
- 食物繊維 3.6 g
脂肪 7.72 g
- 飽和脂肪酸 2.65 g
- 一価不飽和脂肪酸 0.675 g
- 多価不飽和脂肪酸 2.08 g
タンパク質 57.47 g
- トリプトファン 0.929 g
- トレオニン 2.97 g
- イソロイシン 3.209 g
- ロイシン 4.947 g
- リシン 3.025 g
- メチオニン 1.149 g
- シスチン 0.662 g
- フェニルアラニン 2.777 g
- チロシン 2.584 g
- バリン 3.512 g
- アルギニン 4.147 g
- ヒスチジン 1.085 g
- アラニン 4.515 g
- アスパラギン酸 5.793 g
- グルタミン酸 8.386 g
- グリシン 3.099 g
- プロリン 2.382 g
- セリン 2.998 g
水分 4.68 g
ビタミンA相当量 29 μg (3%)
- βカロテン 342 μg (3%)
- ルテインおよびゼアキサンチン 0 μg
ビタミンB1 2.38 mg (183%)
ビタミンB2 3.67 mg (245%)
ビタミンB3 12.82 mg (85%)
パントテン酸(ビタミンB5 3.48 mg (70%)
ビタミンB6 0.364 mg (28%)
葉酸(ビタミンB9 94 μg (24%)
コリン 66 mg (13%)
ビタミンB12 0 μg (0%)
ビタミンC 10.1 mg (12%)
ビタミンD 0 IU (0%)
ビタミンE 5 mg (33%)
ビタミンK 25.5 μg (24%)
カルシウム 120 mg (12%)
鉄分 28.5 mg (228%)
マグネシウム 195 mg (53%)
マンガン 1.9 mg (95%)
セレン 7.2 μg (10%)
リン 118 mg (17%)
カリウム 1363 mg (29%)
塩分 1048 mg (46%)
亜鉛 2 mg (21%)
 %はアメリカにおける成人向けの
栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)
スピルリナ(100g中)の主な脂肪酸の種類[1]
項目 分量(g)
脂肪 7.72
飽和脂肪酸 2.65
14:0(ミリスチン酸 0.075
16:0(パルミチン酸 2.496
18:0(ステアリン酸 0.077
一価不飽和脂肪酸 0.675
16:1(パルミトレイン酸 0.328
18:1(オレイン酸 0.347
多価不飽和脂肪酸 2.08
18:2(リノール酸 1.254
18:3(α-リノレン酸 0.823

スピルリナ(Spirulina)は、藍藻ユレモ目の幅 5-8μm、長さ 300-500μm ほどの「らせん形」をした濃緑色の単細胞微細藻類。約30億年前に出現した原核生物の仲間で、現在でも熱帯地方のに自生し、フラミンゴ大地溝帯に点在する強いアルカリ性の湖に育つ種のものを主食としている。

スピルリナという名前は、ラテン語の“ねじれた”“らせん形の”を意味する “Spira”(英語ではSpiral)に由来する。ただし色素の原料や健康食品として利用される「スピルリナ」の多くはスピルリナ属(Spirulina)ではなく、近縁のアルスロスピラ(オルソスピラ)属(Arthrospira)の藍藻、特に A. platensisA. maxima である。以前はこれらの種がスピルリナ属に所属していたために「スピルリナ」の呼称が定着し、属の変遷後も使用されている。

生息環境[編集]

スピルリナは古来アフリカや中南米の湖に自生する熱帯性の藻類で、現地の人々の貴重な食糧源として利用されてきた。水温30-35℃の無機塩類濃度の高いアルカリ性(pH9-11)の水を好み、陸上植物と同じように酸素発生型光合成を行い増殖する。

食経験[編集]

フランスの P. Dangard らが、アフリカ中央部のチャド湖の東約50kmにある村の市場で、チャド湖で収穫されたスピルリナの乾燥物が「ダイエ」という名前で売られていることを、1940年に紹介し、世界の注目を集めた。1967年11月には、エチオピアで開かれた国際応用微生物会議で、「スピルリナはタンパク質が豊富であり、将来の食糧源として注目されるべきである」と報告された。

生産[編集]

食品としての工業的生産は、日本の大日本インキ化学工業(現DIC)が1978年にタイのバンコク郊外に人工池による培養工場を建設して販売したのが世界最初とされている。現在は亜熱帯から熱帯地方の各国で培養・生産されている。培養液からの分離・濃縮工程では、スピルリナの大きさが0.3~0.5mmと大きいため、0.003~0.01mm程度のクロレラなどの生産で用いられる遠心分離機を使用する必要がなく、スクリーンフィルター(ろ過)で脱水濃縮される。乾燥工程後、粉末状またはタブレットなどに成型された形で生産されている。

応用[編集]

乾燥したスピルリナは、タンパク質を約60%含み、ビタミン、ミネラル、多糖類(食物繊維)、クロロフィルなどを含む。中でもカロテノイド系色素のβ-カロテンゼアキサンチンを多く含み、その抗酸化作用が注目されている。クロレラと比較し、β-カロテン含量が多く、消化吸収性が良いのが特徴である。なお、これを主食とするフラミンゴの体色が赤いのは沈着したβ-カロテンのためである。 橙黄色のカロテノイドのほか、緑色の葉緑素(クロロフィルa)、青色のフィコシアニンの3種の色素を含む。フィコシアニンは藍藻類の名前の由来ともなっている鮮やかな青色を呈するため、天然の食用色素として冷菓・乳製品・粉末ジュース・飲料・ガムなどに利用されている。

有効性[編集]

ヒトにおけるスピルリナの有効性は、これまでのところ十分なデータは確認されていない。[2]

脚注[編集]

  1. ^ http://ndb.nal.usda.gov/
  2. ^ 国立健康・栄養研究所の安全性・有効性情報参照。

外部リンク[編集]