スター活性

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スター活性(: star activity)とは、制限酵素によるDNAの切断反応において、反応条件が至適でない場合に酵素本来の特異的部位以外でDNAを切断する活性のことである。「スター」とはアスタリスクのことで、初めてこの種の活性を報告したPoliskyらが、EcoRIの特異性が緩んだ活性をEcoRI*と表記したことに由来している[1]

EcoRI
5'---G     AATTC---3'
3'---CTTAA     G---5'
EcoRI*
5'---N     AATTN---3'
3'---NTTAA     N---5'

スター活性の要因としては低イオン強度(25 mM以下)、高pH(8.0以上)、酵素が基質DNAに対して過剰(DNA 1 µgあたり100U以上)、Mg2+以外の2価カチオンの存在、エタノールなどの有機溶媒の存在、そしてグリセロール濃度が高い(5%以上)ことなどが挙げられる[2]。制限酵素は通常50%グリセロールを含む溶液として販売されているため、実用上問題となるのはグリセロール濃度であることが多い。特に複数の制限酵素を同時に作用させる場合に問題となりやすい。

スター活性の現れやすさは制限酵素によって様々であり、ApaI、DpnI、NdeIのように現れにくいものや、BamHI、EcoRI、PstIのように現れやすいものがある[2]。遺伝子改変により野生型酵素と比べてスター活性を低減した制限酵素も上市されている。

参考文献[編集]