スターウルフ

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スターウルフ』は、SF作家エドモンド・ハミルトンによるスペースオペラのシリーズ。

小説[編集]

  • The Weapon from Beyond (『さすらいのスターウルフ』) 1967年
  • The Closed Worlds (『さいはてのスターウルフ』) 1968年
  • World of the Starwolves (『望郷のスターウルフ』) 1968年
  • 以下日本語訳

第4巻『Run Starwolf』は、ハミルトンが1977年2月1日に執筆途中で死去したために未完の絶筆となってしまった。

概要[編集]

高重力惑星ヴァルナで生まれたヴァルナ人はすべて、驚異的な敏捷性と怪力、強靭な肉体をもち、凶悪無比の略奪行為を生業としていた。彼らは「スターウルフ」と呼ばれ、全宇宙で忌み嫌われ、恐れられていた。地球人でありながらヴァルナで生まれ育ったモーガン・ケインは、スターウルフの一員として悪徳の限りを尽くしていた。だが、分け前をめぐるいざこざから、仲間の一人を殺してしまう。かつての仲間は、ケインを裏切り者と呼び、彼を殺そうとする敵となった。

傷を負いながらも、宇宙船で辛くも逃走したケイン。だがその宇宙船も破壊され、ケインは宇宙服を着込み、単身で船から脱出する。

宇宙空間を漂流するケインを拾ったのは貧しき惑星、地球の外人部隊の宇宙船だった。外人部隊のリーダー、ジョン・ディルロは、一目でケインの正体をスターウルフであると見抜いた。だが、ディルロはケインを殺さず、そのまま連れて行くことにした。ウルフの手口を知っているケインが傭兵の仕事に役に立つと考えたのだ。

こうしてケインは、ディルロ以外には素性を隠したままで外人部隊の一員となった。そしてスターウルフたちも、仇であるケインを追い続けているのだ。

テレビ番組[編集]

ここでは日本においてのものを記す。本作は英語版が作られ「逆輸出」されたが、そちらについては英語版Wikipediaの記事(en:Star Wolf (TV series))を参照のこと。

スターウルフ』は、エドモンド・ハミルトンの小説を原案として、1978年(昭和53年)4月2日から同年9月24日まで読売テレビ制作、日本テレビ系で毎週日曜日19:00 - 19:30に全24話が放送された、円谷プロダクション製作、三洋電機グループ提供の特撮テレビ番組

円谷プロ創立15周年を記念して製作された本作品は、映画『未知との遭遇』や『スター・ウォーズ』のヒットをはじめとするSF映画ブームを反映して企画された[1][2][3]。監修に宇宙ロケット工学の糸川英夫を迎え、対象年齢を高めに設定、1クールごと完結の連続ドラマの体裁をとり、映像表現やストーリー展開に数々の新機軸を盛り込むというそれまで日本になかったタイプの本格SFドラマとしてスタートした。しかし人気は低迷[4]、第14話より『宇宙の勇者 スターウルフ』に改題し[5]コメディーリリーフとしてロボット(コンパチ)を登場させたり、18話以降は一話完結のわかりやすいストーリーにするなど、対象年齢を下げた路線変更を行ったものの奏功せず、当初の予定(4クール)[7]を大幅に下回る全24話で終了した。

特撮監督佐川和夫、視覚効果中野稔らによる宇宙戦の描写は当時のテレビ特撮としては最高の映像とされる[8][3]

SFという言葉は古い”という糸川によって、宇宙飛行士を意味する「アストロノート」にちなんだ「アストロノーティカドラマ」という新語が作られ、「アストロノーティカシリーズ」と謳った[4]

ストーリー[編集]

宇宙の略奪集団ヴァルナ星の戦闘部隊ウルフアタッカーが地球を襲撃した。その作戦行動中、アタッカーのエースで「スターウルフ」の異名を持つモーガン・ケンは、僚友であり恋人の兄でもあるスサンダーを己の逡巡が招いたトラブルから過って射殺してしまう。これによりケンは裏切り者としてウルフアタッカーから追われる立場に一転する。かつては恋人であったリージャも兄の仇としてケンの命を狙う。

間一髪で脱出には成功したものの、宇宙服一つで宇宙空間を漂うこととなったケンは、地球の傭兵集団スペース・コマンドの宇宙船、バッカスIII世号に救助される。だが、ケンの不審な態度にスペース・コマンドの面々は疑惑の目を向けはじめる。しかしキャプテン・ジョウはウルフアタッカーの地球襲撃によって妻子を喪ってしまった中、ケンの正体を察しながらも彼をかばい、スペースコマンドの一員として迎え入れる。

登場人物[編集]

スペース・コマンド[編集]

新星拳
ヴァルナに移住した地球人の宣教師の息子で、両親の死後(死因は重力に耐えられなかった事である)はハルカンに育てられた。21歳。両親の記憶はほとんど無く、自分の事を純粋なヴァルナ人だと思い込んでいた。スターウルフの異名を持つウルフアタッカーの一員であったが、地球襲撃の際に、自分と同名の子供とその母親を撃つのを躊躇し、誤って仲間のスサンダーを殺害してしまったため、裏切り者として追われる身となる。バッカスIII世号に救助された時には、宇宙をさすらう隕石山師と正体を偽っていた。
短気で直情型だが、苦しむ人を放っておけない優しさも持っている。
第1話ではモーガン・ケインとも呼ばれている[9]
キャプテン・ジョウ
地球人のエースパイロットで、スペースエージェンシー所属の傭兵集団スペース・コマンドの隊長。48歳。初登場時は地球に帰還する最中で、引退して地球に残していた妻・まさみと娘・まゆみとの平穏な暮らしを夢見ていたが、妻子がウルフアタッカーの攻撃で殺された事をきっかけにチームに留まる決意をする。ウィスキーが好き。
リュウ
カミソリのリュウの異名を持つバッカスIII世号の副キャプテン。32歳。ジョウとは10年以上のコンビ。ケンがスターウルフである事に勘付き、命令違反を犯してまで監視するが、ササール星の地雷原で命を助けられてからは彼を認めるようになる。
ヒメ
バッカスIII世号の通信担当。19歳。明るく勝気な性格。ケンに好意を寄せるも、本人は眼中に無かった。
ダン
バッカスIII世号のクルー。早とちりのダンと呼ばれる。
ビリ
バッカスIII世号の若手クルー。
コン8
正式名称コンピューターロボットRM8号。第14話から登場。球状の胴体に細いマニピュレーターとキャタピラの足を持つ。お調子者でチームのムードメーカー的存在。球体に変形して浮遊可能。頭頂部の穴から警報、煙幕、緊急用の酸素「コンガス」を放出できる他、第20話ではここから涙も流していた。頭頂部のバネ状のアンテナからショックビームを発射する。レーダーやサーチライトも装備している。

スペースエージェンシー[編集]

芦田
3話に登場。スペース・コマンドが所属しているスペースエージェンシーの局長。

ウルフアタッカー[編集]

ハルカン司令
ウルフアタッカーの最高司令官。序盤では光剣を装備していたが、後半では軍刀を使うようになった。
スサンダー
ケンの相棒だったが、地球襲撃の際、とある親子を「成長したら敵になる恐れがある」という理由で射殺しようとした際のトラブルにより、ケンに殺されてしまう。
リージャ
スサンダーの妹。ケンの恋人であったが、ヴァルナ星の掟に従いケンの命を狙う。本心ではケンをまだ愛しており、第7話でケンと再会し、ヴァルナの掟を捨てようとしたが、彼女に裏切り者の宿命を負わせたくなかったケンはそれを許さず、その後起こった不慮の事故によって、ケンはリージャが死んだと、リージャはケンが自分を撃ったと誤解したまま別離した。その後はブラックホール付近までバッカスⅢ世を追跡したが、その後登場する事は無かった。
バズカル将軍
14話~17話に登場。ハルカンの義理の弟で、ドラゴン星の国王。敵対関係にある白十字星にしかない鉱石・サイモナイトから白十字星人だけに有効な殺人光線を開発した。白十字星を滅ぼすために、スペース・コマンドにサイモナイトを盗ませようと企む。
メルビン
15話~17話に登場。ウルフアタッカーの隊長。スターウルフの始末を命じられるも、失敗を繰り返してハルカンに処刑された。
ザイエン博士
18話に登場。宇宙の天才科学者。惑星の空気を奪う新兵器を開発した。ハルカンと契約し、光る石の産地・惑星サラーを滅ぼして、光る石の4分の1を手に入れようと企む。
赤い流星
19話に登場。本名不明の女殺し屋。専用の赤い宇宙船を持つ。その正体はアンドロイドで、右手の鉤爪から光線を放つ。
ゲビタス少尉
20話に登場。観光惑星・極楽星に逃げ込んだ純金ロボットGC301を狙う。
ブランコ大臣
21話に登場。観光惑星・極楽星のダムルス大統領の側近だが、実はウルフアタッカーの大佐であり、大統領の娘・チェリカを誘拐して大統領を失脚させ、極楽星を乗っ取ろうと企む。

ササール帝国軍[編集]

ヨローリン大尉
ササール星の士官で、敵対しているカラル星の捕虜となっていたが、カラル星からササール軍が開発中のスーパーウェポンの破壊を依頼されたスペース・コマンドの道案内役としてケンに脱獄させられ、行動を共にする。気位が高く、将校であることを鼻にかけてメンバーと対立していたが、次第に協力するようになる。捕虜になっていた時にカラル星人の自白装置によってスーパーウェポンの存在を喋ってしまっており、そのために祖国に見捨てられ、軍籍も抹消された事をきっかけに、祖国への復讐を誓う。
タルザー
ササール星宇宙港基地司令官。
ダベラー
10話に登場。宇宙情報屋。タルザーに、ヨローリン大尉がカラル星に秘密をしゃべった事を伝える。

登場メカ[編集]

スペースコマンド所属[編集]

バッカスIII世号
全長:70メートル 全幅:20メートル 最大幅:50メートル 重量:500t 巡航速度:0.2光速 最高速度:0.8光速(ワープドライブ有) 航続距離:∞
スペースコマンドの20等級小型高速宇宙船。定員7名(+最大20名)。本来は旧式化した艦であるが、キャプテン・ジョウの意向で原型をとどめないほどの改装を施され、ブラックホールに突っ込んでホワイトホールに抜けられるほどの耐久性と、小型戦闘艇とドッグファイトできるほどの高い運動性を得た。高性能イオンエンジン4基、アンチレーダー、光子レーザー砲(別名・レーザーカノン)2門、光子ミサイル発射管2門、その他にも数ヶ所に小型火器を装備。同型艦にレッドホース、ブルータイガー等が存在するが、台詞のみで画面には登場していない。
デザインモチーフは4発エンジン搭載の大型航空機[10]。ミニチュアは数種類用意され、最大のものは4尺[11]
ステリューラー
拳専用小型高速宇宙艇。第15話から登場[11]。コクピットはバッカスIII世内部のシューターで直結しており、即座に搭乗、発進できる。タイトロープとレーザー砲装備。

ウルフアタッカー所属[編集]

ビッグ・クラスター
全長:100メートル 全幅:30メートル 最大幅:90メートル 重量:1500t
ウルフアタッカーの司令母艦。
ミニチュアは2尺モデルのみ[11]。当初は短翼でデザインされており、数値データもこの時点で設定されたため、全長と最大幅の比率が劇中と一致していない[11]
ウルフクロー
全長:20メートル 全幅:4メートル 最大幅:15メートル 重量:100t
ウルフアタッカーの主力高速戦闘艇。
翼はハヤブサが急降下する姿がデザインモチーフとなっている[10]。佐川和夫からは『スターウォーズ』のXウイングそのままと要望されていた[10]

キャスト[編集]

ゲスト俳優[編集]

  • 高石裕子(1話)
  • 杜澤泰文(1話)
  • 山本恵子(1話)
  • 安保幸宏(1話)
  • 折口亜矢(2、3話)
  • 鈴木真代(2、3話)
  • 門脇三郎(2話)
  • 平田昭彦(3話)
  • 長沢大(3話)
  • 島崎奈々(3、4、7、8話)
  • 大神真(3話)
  • 佐藤蛾次郎(5話)
  • きくち英一(5、10話)
  • 多宮健二(5、6、23話)
  • 福永行雄(6、7、13話)
  • 奈良光一(6、7、13話)
  • 久保田鉄男(7話)
  • 山中正樹(7、13話)
  • 草野大悟(10話)
  • 海野かつを(10話)
  • 富川澈夫(10話)
  • 小笠原弘(12話)
  • 沢村正一(12話)
  • 北見治一(12話)
  • 村上幹夫(13話)
  • 荒瀬寛樹(13話)
  • 田中幸四郎(14、15、16、17話)
  • 斉藤浩子(14、15、16、17話)
  • 立花美英(14話)
  • 中村良二(14、15、16、17話)
  • 田中忠義(15、16、17話)
  • 高杉玄(16話)
  • 池田駿介(16話)
  • 若尾義昭(18話)
  • 小倉雄三(18話)
  • 山口譲(18話)
  • 野口光絵(18話)
  • 大山のぶ代(19話)
  • 酒井昭(19話)
  • 石川智子(19話)
  • 謝秀容(19話)
  • 佐野光洋(20話)
  • 琳大興(20話)
  • 白石のり子(20話)
  • 北川陽一郎(21話)
  • 津野哲郎(21話)
  • 穴原正義(21話)
  • 川井朝霧(21話)
  • 木田三千雄(22話)
  • 中林義明(22話)
  • 倉富勝士(22話)
  • 浅沼晋平(23話)
  • 宝蔵寺三千代(23話)
  • 富田浩太郎(24話)
  • 植木悦子(24話)
  • 山本恵子(24話)
  • 生沢雄史(24話)
  • 佐田豊二(24話)
  • 伊藤譲二(24話)

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

放映リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 監督 放送日 視聴率
スターウルフ
1 さすらいのスターウルフ 阿部桂一 深沢清澄 1978年
4月2日
8.8%
2 銀河を駆けろ! バッカスIII世 若槻文三 4月9日 6.2%
3 今 果てしない宇宙へ 山浦弘靖 金谷稔 4月16日 6.3%
4 恐怖の恒星間航行 荒木芳久 4月23日 7.9%
5 スーパーウェポンの秘密 阿部桂一 深沢清澄 4月30日 4.8%
6 危険な宇宙案内人 若槻文三 5月7日 4.6%
7 愛と憎しみの宇宙 山浦弘靖 金谷稔 5月14日 3.5%
8 死を呼ぶブラックホール 5月21日 4.1%
9 熱と光の宇宙ページェント 若槻文三 深沢清澄 5月28日 4.1%
10 宇宙を燃やす大激戦 荒木芳久 6月4日 6.1%
11 未知の星の地雷原 阿部桂一 金谷稔 6月11日 6.1%
12 惑星ミサイルに賭けた命 若槻文三 6月18日 5.7%
13 大爆発0秒前 荒木芳久 6月25日 7.5%
宇宙の勇者スターウルフ
14 宇宙に浮ぶ黒い竜 長坂秀佳 深沢清澄 7月2日 6.0%
15 いん石群へ恐怖の突入 7月9日 7.9%
16 二つの顔のサイモナイト 金谷稔 7月16日 5.4%
17 いざ! 黒い星の決戦 7月30日 4.2%
18 パニック! 空気を盗まれた惑星 若槻文三 深沢清澄 8月6日 4.6%
19 ケンを狙う赤い流星 8月13日 3.7%
20 純金ロボットGC301 長坂秀佳 金谷稔 8月20日 6.0%
21 悲劇の宇宙恐竜ニポポ 9月3日 6.3%
22 灼熱地獄 地底人を救え! 山浦弘靖 深沢清澄 9月10日 5.0%
23 謎の惑星半獣人 安藤豊弘 9月17日 5.8%
24 大宇宙 宿命の対決! 長坂秀佳 9月24日 8.3%

原作との差異[編集]

当初は原作の忠実な映像化を目指しており、企画書や初期脚本では登場人物や固有名詞も原作と同じものが記載されていた[12][7]

原作小説では「スターウルフ」という言葉(名詞)は宇宙の無法者たるヴァルナ人の総称・異名として使われていたが、本作では主人公ケンを指す固有名詞(通り名)としている[4]。原作の硬派な世界観とは異なるヒーロー性を強調した物語が目指されていた[12]

女性隊員はドラマ版オリジナルで、当初は二人予定されていた[4]。主要メカであるバッカスIII世号もドラマ版のオリジナルであり、原作では乗船する船は固定されていない[12]

第1クールは原作第1作『さすらいのスターウルフ』を翻案した連続ストーリーとなっているが[12]、端役であったヨローリンを主要人物に据えるなど変更点は多い[4]

特撮[編集]

目玉となる宇宙やメカニックの特撮に新技術が多く導入され、その完成度は後年でも高く評価されている[8][3]。しかし特撮監督の佐川和夫と視覚効果の中野稔のこだわりが強いため[13]、テレビ局への納品がぎりぎりになることが多く[14]、初期には止め絵が多用されている。また第3・4話の段階でワンクール分の特撮予算を使いきってしまっている[15]

宇宙空間のシーンは、ハリウッドではモーションコントロール撮影により緻密な合成を行っているが当時の日本では実現が難しく、しかし従来のピアノ線による操演ではシャープな映像にはならないため、特撮監督の佐川和夫は別々に撮影したミニチュアと背景を合成する「半ダブラシ合成」という独自の手法を用いている[16]。銀色のミニチュアと黒いバックをネガフィルムで撮影し、これを反転させることで合成用マスクを作るため、従来のブルーバック合成よりも時間および費用の削減を実現している[17]。しかしこの手法は、黒い部分は素抜けになってしまうためミニチュアには照明をフラットに当てねばならずメカの質感が出しにくいという短所もある[17]。またブルーバックほどきれいなマスクにはならないため、合成すると多少重なる(ダブる)部分ができてしまい、このことが「半ダブラシ合成」の名前の由来にもなっている[17]。合成用の背景となる星空は、40日かけて150カット、300から400パターンを撮影しライブラリー化して用いている[18][19]

コックピットでの超加速状態は俳優に高圧空気を噴きかけて表現している[18]。宍戸錠は当時頬に詰め物をしていたため変形が危惧されたが特に問題はなかったという[20]

造形・美術[編集]

  • フリーの特撮美術スタッフが製作時期の重なっていた東映の『宇宙からのメッセージ』に参加していたため[21]、本来は演出の神澤信一がデザイナーとして参加し[10]、第4話までは『恐竜大戦争アイゼンボーグ』と掛け持ちであった美術の山口修とアルバイトで参加していた当時高校生の原口智生の二人だけで美術制作を行っていた[22]。第4話以降ではバッカスIII世号のコックピットなどが造り直されている[23]
  • バッカスIII世号の船内各種モニター画面には、日本ユニバックが開発したメインフレームコンピュータの端末機が使われている("UTS400"の表示)。ササール帝国軍の基地設備としても、磁気テープ装置をはじめとするコンピュータ本体が見受けられる。
  • 劇中におけるウルフアタッカーのミニチュア群は、ポピーによるソフトビニール製の特注品も併用されており、100機余りの機体が特撮班に提供されていた。
  • 第1クールでスペースコマンドが着用していた制服は、美津濃スポーツ製のスキーウェアを素材としており、同時期に製作された『恐竜戦隊コセイドン』においても、コセイダーの衣装の素材に使われていた[24]

キャスティング[編集]

  • ケンを演じた東竜也は亜細亜大学在学中に『パンチDEデート』への出演がきっかけで、芸能事務所からスカウトされた経歴の持ち主である。1977年の東宝映画『惑星大戦争』において轟天号のパイロット役で俳優デビュー。本作品への出演が決まったことで、SF作家の小松左京が名付け親となって「東竜也」の芸名に変更された[25]。本作品の終了後には『明日の刑事』にレギュラー出演していたが、1980年代には本名の村嶋修名義で東映制作の成人映画『四畳半色の濡衣』に出演しており、『ウルトラセブン』でアンヌを演じたひし美ゆり子や『スターウルフ』でヒメを演じた谷川みゆきとも、この映画で共演している[26]
  • ダン役を演じていた湯川勉は、宍戸錠付き人を務めていた関係から、本作で俳優デビューを果たすことになった[27]
  • ヒメ役には当初、荒木由美子がキャスティングされていた[28]
  • 美術アルバイトで参加していた原口智生は、アクションを担当していた富士スポーツに安川剣友会の先輩がいた事からアクションにも参加している[22]。関連書籍など[29][5]でウルフアタッカー団員として紹介されることが多いスチールの一人は原口である[22]
  • 第12話でササール星の若き兵士役を演じた沢村正一は、後に引田天功のマジックショーにおけるアシスタント業が本職になった[30]

備考[編集]

  • 特撮の撮影は東京映画撮影所で行われていた。当初は大映撮影所を使用する予定であったが、その直前に撮影所が分社化された関係で使用できなくなった[14]。なお、東京映画撮影所は本作製作中の5月12日に火事が起き、その後は東宝ビルト国際放映に間借りして撮影が行われた[31]
  • 第1 - 3話は、阿部桂一若槻文三山浦弘靖の共作による1冊の脚本が、放送用に3分割されており、脚本のサブタイトルは「蒼い地球」と記されている。完成作品では省略されているが、脚本の冒頭にはナレーターによる状況説明が存在しており、惑星間における資源争奪戦の到来を視聴者に伝えることで、ウルフアタッカーの地球襲来が描かれる構成となっていた[32]
  • 第11話は、阿部桂一名義と、荒木芳久名義による、同一内容の脚本が別々に存在している。単なる誤植なのか、それとも共作であったのかは、未だ不明である[33]
  • 7月23日には、プロ野球のオールスターゲームが、8月27日には、第1回目の24時間テレビ 「愛は地球を救う」が放送されるのに伴い休止となることで、本作は半年間の放送にも関わらず全24話で終了することになった。放映開始当初、『びっくり日本新記録』から引き続き単独で番組を提供していた三洋電機は、7月30日放送の第17話を最後にスポンサーから撤退した。8月6日放送の第18話以降からは、ポピーや金鳥などのスポンサーを無理矢理に集めて、放送を継続していた様子も伺える。後番組として再開した『びっくり日本新記録』も、三洋電機はスポンサーに復帰せず、複数社の提供で放送された。

参考資料[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 円谷プロ特撮大鑑 1988, p. 301, スターウルフ企画書.
  2. ^ 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, pp. 152、397.
  3. ^ a b c SFドラマ大図鑑 2013, p. 138.
  4. ^ a b c d e 宇宙船143 2013, p. 136
  5. ^ a b 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, pp. 152.
  6. ^ SFドラマ大図鑑 2013, p. 145, 狼豆知識.
  7. ^ a b 番組開始前に発売された『S-Fマガジン』1978年5月号の特集記事では、原作3巻分を全52話で映像化する構想であることが紹介されている[6]
  8. ^ a b 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, pp. 397.
  9. ^ SFドラマ大図鑑 2013, p. 141.
  10. ^ a b c d SFドラマ大図鑑 2013, p. 148, Pickup Interview 山口修
  11. ^ a b c d SFドラマ大図鑑 2013, p. 142
  12. ^ a b c d SFドラマ大図鑑 2013, p. 141
  13. ^ SFドラマ大図鑑 2013, pp. 115、147.
  14. ^ a b SFドラマ大図鑑 2013, p. 147, Pickup Interview 宍倉徳子
  15. ^ SFドラマ大図鑑 2013, p. 115, Pickup Interview 深沢清澄.
  16. ^ SFドラマ大図鑑 2013, pp. 63、144.
  17. ^ a b c SFドラマ大図鑑 2013, p. 144, 『スターウルフ』の合成
  18. ^ a b SFドラマ大図鑑 2013, p. 63, Staff Interview 佐川和夫.
  19. ^ 宇宙船143 2013, p. 140, 佐川和夫インタビュー.
  20. ^ SFドラマ大図鑑 2013, p. 145, Pickup Interview 宍戸錠.
  21. ^ SFドラマ大図鑑 2013, pp. 148、150.
  22. ^ a b c SFドラマ大図鑑 2013, p. 150, Pickup Interview 原口智生
  23. ^ SFドラマ大図鑑 2013, p. 71, Staff Interview 井口昭彦.
  24. ^ 恐竜戦隊コセイドンLD-BOX解説書掲載の円谷粲インタビューより
  25. ^ スターウルフLD-BOX解説書
  26. ^ 『スターウルフ』第1話など1970年代後半の円谷作品を支えた脚本家の阿部桂一が、『四畳半色の濡衣』の脚本を執筆。『帰ってきたウルトラマン』でMATの伊吹隊長を演じた根上淳も、この映画に出演している
  27. ^ スターウルフLD-BOX解説書
  28. ^ 円谷プロ特撮大鑑 1988, p. 306, 新番組企画書.
  29. ^ 『'70年代特撮ヒーロー全集』 朝日ソノラマ宇宙船SPECIAL〉、1998年、191頁。ISBN 4-257-03533-1
  30. ^ スターウルフLD-BOX解説書
  31. ^ SFドラマ大図鑑 2013, pp. 147、148、150、152.
  32. ^ スターウルフLD-BOX解説書
  33. ^ スターウルフLD-BOX解説書
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外部リンク[編集]

読売テレビ制作・日本テレビ系列 日曜19時台前半枠
前番組 番組名 次番組

びっくり日本新記録(第1期)
(1975年10月 - 1978年3月)
スターウルフ

宇宙の勇者スターウルフ
(1978年4月 - 9月)
【当番組前期まで三洋電機一社提供枠】

びっくり日本新記録(第2期)
(1978年10月 - 1979年3月)