スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ

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スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ
オアシススタジオ・アルバム
リリース 日本の旗 2000年2月23日
イギリスの旗 2000年2月28日
録音 1999年4月 - 8月
ジャンル ロック
サイケデリック・ロック
時間 46分41秒
レーベル Big Brother
エピック・レコード
プロデュース マーク・ステント
ノエル・ギャラガー
専門評論家によるレビュー

#評価参照

チャート最高順位
オアシス 年表
ザ・マスタープラン
(1998年)
スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ
(2000年)
ファミリアー・トゥ・ミリオンズ
(2000年)
スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ収録のシングル
  1. ゴー・レット・イット・アウト!
    リリース: 2000年2月7日
  2. フー・フィールズ・ラヴ?
    リリース: 2000年4月17日
  3. サンデー・モーニング・コール
    リリース: 2000年7月3日
  4. ホエア・ディド・イット・オール・ゴー・ロング?
    リリース: 2000年10月16日
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スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ』 (Standing on the Shoulder of Giants) は、2000年2月23日に発売されたオアシスの4枚目のオリジナルアルバム。

解説[編集]

アルバムは、イギリス史上16番目に早く売れ、最初の週のみで310,000枚以上を売り上げた。英国レコード産業協会からは、ダブルプラチナの認定を受け[1]、イギリス国内で約208,000枚を売り上げた[2][3]

1999年、このアルバムのリリース直前、資金難のためアラン・マッギーがクリエイション・レコーズを閉鎖し、自ら立ち上げた「ビッグ・ブラザー」レーベルからのアルバムリリースとなった。また、オアシスは2人のオリジナルメンバー、ボーンヘッドとギグジーを失った。このため、オーウェン・モーリスに変わってマーク・ステントが新しいプロデューサーとして参加した。

演奏には、ドラムループ、サンプリング、エレクトリックシタール、メロトロンシンセサイザー、バックワードギターなどが使用されており、モダンサイケデリックの印象が強く、結果的として、エレクトロニカやヘビー・サイケデリック・ロックに影響を受けたより実験的な要素の濃いアルバムに仕上がっている。「ゴー・レット・イット・アウト!」やインド音楽の影響を受けた「フー・フィールズ・ラヴ?」、プログレッシヴな「ガス・パニック!」などは、前作までのバンド初期のスタイルとは異なったものとなっている。

「リトル・ジェームス」は、リアムが初めて作曲した曲である。また、今作以降ノエルがボーカルをとる曲が複数収録されることになる。

背景[編集]

アルバムタイトルは、アイザック・ニュートンの次の言葉からとられている:

私がより遠くまで見渡せたとすれば、それは巨人の肩の上に乗っているからである。 (If I have seen further it is by standing on the shoulders of giants.)[4]

ノエル・ギャラガーは、パブにいたとき、2ポンド硬貨に刻印されたこの言葉を見て、オアシスのニューアルバムの名前にぴったりと考えて引用した。彼は後に酔ってタバコのパッケージに書いた言葉だとしている。彼が朝起きたとき、「Standing on the Shoulder of Giants」と書いてあるのを発見した[5]。そのため、アルバムタイトルにつけられた言葉には、「Shoulders」の「s」がなくなっている。

アラン・マッギーや2人のオリジナルメンバー、ボーンヘッドとギグジーの脱退により、彼らのパートを印税対策のため、再度録音し直している[6]。そのため、アルバムはギャラガー兄弟とアラン・ホワイトのみの参加となり、ジャケットにも彼らの名前が記されている。

ノエルは前3作で使用した機材を使わないことに決め、アルバムの締め切りに間に合うように「完全に無計画な数日をとり」、また、新しい音の聞こえを試すため、代わりとして「たくさんの奇妙なペダル、古いギター、小さなアンプ」を買った[7]

カバー[編集]

アルバムのアートワークには、500 5番街(5番街/西42丁目)の屋上から撮られたマンハッタンの摩天楼の写真が使われている。ここには有名な建築物もいくつか写っており、その例として、手前にはエンパイア・ステート・ビルディング、背後にはワールド・トレード・センターを望むことができる。カバー写真を作るにあたり、写真家は、1日の進行に従って18時間もの間、半時間ずつ同じフレームに景色を収めた。この写真はデジタル方式で最終的な写真へと合成された。このアルバムからリリースされた全てのシングルのアートワークに、このアルバムアートワークをベースとしたものが使用されている。「ゴー・レット・イット・アウト!」に使われた、サッカーをする5人の男性を描写したアートワークは、前方のビルの1つを上から眺めるような構図となっている。これは、サッカースタジアムの屋上から駐車場にいる人を撮ったものであるが、最終的なカバーでは、屋上にいるかのように編集されている。

収録曲[編集]

  1. ファッキン・イン・ザ・ブッシーズ - Fuckin' In The Bushes
    演奏時間: 3:18、作曲: ノエル・ギャラガー、リード・ヴォーカル: リアム・ギャラガー
    アルバム一曲目を飾るインストナンバー。ワイト島音楽祭のドキュメンタリーから声をサンプリングしている。これ以降のライブで、バンドが登場する際のSEとして使われるようになる。
  2. ゴー・レット・イット・アウト! - Go Let It Out!
    演奏時間: 4:39、作曲: ノエル・ギャラガー、リード・ヴォーカル: リアム・ギャラガー
    1stシングル。ドクター・ジョンの「I Walk on Gilded Splinters」のドラムがサンプリングされている。これまでのオアシスの曲とは大きく変化し、ドラムループやサンプリング、メロトロン、スクラッチ音などが挿入されている。ノエルは「この曲で現代のビートルズに近づいた。」と発言している。
  3. フー・フィールズ・ラヴ? - Who Feels Love?
    演奏時間: 5:44、作曲: ノエル・ギャラガー、リード・ヴォーカル: リアム・ギャラガー
    2ndシングル。逆回転を施したギターや、ビートルズディア・プルーデンスを思い起こさせるナンバー。曲中の印象的なギターフレーズはThunderclap Newmanの「Something in the Air」から引用。
  4. プット・ユア・マネー・ホエア・ユア・マウス・イズ - Put Yer Money Where Yer Mouth Is
    演奏時間: 4:27、作曲: ノエル・ギャラガー、リード・ヴォーカル: リアム・ギャラガー
    ドアーズの楽曲「Roadhouse Blues」を引用している。最後の歌パートをノエルが担当している。映画「けいおん!」のLondon Eの元となった曲である。
  5. リトル・ジェームス - Little James
    演奏時間: 4:15、作曲: リアム・ギャラガー、リード・ヴォーカル: リアム・ギャラガー
    リアムによる初の作詞作曲。リアムと結婚したパッツィ・ケンジットの連れ子であるジェームスに向けて歌われている。
  6. ガス・パニック! - Gas Panic!
    演奏時間: 6:08、作曲: ノエル・ギャラガー、リード・ヴォーカル: リアム・ギャラガー
    ノエルが、ドラッグの禁断症状体験を元に作成した。
  7. ホエア・ディド・イット・オール・ゴー・ロング? - Where Did It All Go Wrong?
    演奏時間: 4:26、作曲: ノエル・ギャラガー、リード・ヴォーカル: ノエル・ギャラガー
    ノエルボーカル。アメリカのプロモーションとして制作されたシングルが存在し、Semi-acoustic versionも同時に収録されている。
  8. サンデー・モーニング・コール - Sunday Morning Call
    演奏時間: 5:12、作曲: ノエル・ギャラガー、リード・ヴォーカル: ノエル・ギャラガー
  9. アイ・キャン・シー・ア・ライアー - I Can See A Liar
    演奏時間: 3:13、作曲: ノエル・ギャラガー、リード・ヴォーカル: リアム・ギャラガー
  10. ロール・イット・オーヴァー - Roll It Over
    演奏時間: 6:31、作曲: ノエル・ギャラガー、リード・ヴォーカル: リアム・ギャラガー
  11. レッツ・オール・メイク・ビリーヴ - Let's All Make Believe
    演奏時間: 3:51、作曲: ノエル・ギャラガー、リード・ヴォーカル: リアム・ギャラガー
    日本盤のみのボーナストラック。

評価[編集]

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典 評価
AllMusic 星5つのうち3つ[8]
Robert Christgau (neither)[9]
Entertainment Weekly B[10]
NME 6/10[11]
PopMatters 7/10[12]
Q 星5つのうち4つ October 2000
Rolling Stone 星5つのうち3つ[13]

『スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ』は、全英アルバムチャートに29週間チャート入りしたが[14]、オアシスのスタジオアルバムでは最も短かった。イギリスでは、2000年に9番目に売れたアルバムとなった。

アメリカではBillboard 200に24位で登場し、最初の週に約55,000枚を売り上げたが[15]、2週目にはセールスが64%、全米84位にまで急落した[16]

チャート[編集]

チャート (2000年) 最高
順位
オーストラリア (ARIAチャート)[17] 6
オーストリア (エードライ・アオストリア・トップ40)[18] 3
ベルギー (フランダース地域) (ウルトラトップ)[19] 12
ベルギー (ワロン地域) (ウルトラトップ)[20] 15
カナダ (カナディアン・アルバムチャート)[21] 8
オランダ (メハカフツ)[22] 16
フィンランド (スオメン・ヴィラリネン・リスタ)[23] 4
フランス (全国音楽出版組合)[24] 6
ドイツ (メーディア・コントロール)[25] 5
アイルランド (アイリッシュ・アルバムチャート) 1
イタリア (イタリア音楽産業協会)[26] 1
日本 (オリコン) 4
ニュージーランド (ニュージーランド・レコード産業協会)[27] 8
ノルウェー (ヴェーゲー・リスタ)[28] 4
スウェーデン (スヴァリイェトプリストン)[29] 3
スイス (シュヴァイツァー・ヒットパラーデ)[30] 3
イギリス (全英アルバムチャート)[14] 1
アメリカ (Billboard 200)[21] 24

担当[編集]

オアシス
  • リアム・ギャラガー – リードヴォーカル、タンバリン
  • ノエル・ギャラガー – ギター、バッキングヴォーカル、リードヴォーカル (#7, #8)、ベース、キーボード、プロダクション
  • アラン・ホワイト – ドラム、パーカッション
参加者
  • ポール・ステイシー – キーボード、リードギター (#1)、バックワードギター (#3)、ベース (#3, #6, #9, #10)、アコースティックギター (#7)、ギターソロ (#10)
  • P・P・アーノルド – バッキングヴォーカル (#1, #4, #10)
  • リンダ・ルイス – バッキングヴォーカル (#1, #4, #10)
  • マーク・コイル – エレクトリックシタール (#4)、12弦アコースティックギター (#5)
  • マーク・フェルトハム – ハーモニカ (#6)
  • トニー・ドナルドソン - ミニ・ムーグ & メロトロン (#6)
  • キャロット・グラソン – フルート (#6)
制作
  • マーク・ステント – プロダクション、エンジニアリング
  • ポール・ステイシー – エンジニアリング
  • ワイン・ウィルキンズ – アシスタントエンジニアリング
  • ポール・P・ダブ・ウォルトン – アシスタントエンジニアリング
  • アーロン・プレートリー – アシスタントエンジニアリング
  • ハウィー・ウェインバーグ – マスタリング
  • ジャン・"スタン"・キバート – プログラミング、Pro Tools
  • スティーヴ・"ランボ"・ロビンソン – スタジオアシスタント

脚注[編集]

  1. ^ Standing on the Shoulder of Giants certification. British Phonographic Industry. Accessed on 25 January 2009.
  2. ^ Downey, Ryan J. "Oasis Set Up U.S. Tour Whether Liam Likes It Or Not". mtvnews.com. 16 May 2002.
  3. ^ Trust, Gary. "Ask Billboard: "English Beat". billboard.com. 23 January 2009.
  4. ^ Letter from Isaac Newton to Robert Hooke, 5 February 1676, as transcribed in Jean-Pierre Maury (1992) Newton: Understanding the Cosmos, New Horizons
  5. ^ Oasisnet "A Bum Title" which was also missing a letter due to him actually meaning to write "Album title Standing on the Shoulders of Giants. [1]
  6. ^ Interview with Noel Gallagher of Oasis: Is There Life After Drugs? (NY Rock)”. Newyorkrock.com. 2012年1月7日閲覧。
  7. ^ "Interview with Noel Gallagher". Guitar One (Harris Publications). October 2002. Retrieved 17 August 2009. 
  8. ^ スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ - Allmusic
  9. ^ CG: Oasis”. Robert Christgau. 2013年1月27日閲覧。
  10. ^ Browne, David (2000年3月3日). “Standing on the Shoulder of Giants Review | Music Reviews and News”. EW.com. 2013年1月27日閲覧。
  11. ^ NME Album Reviews - Standing On The Shoulder Of Giants”. Nme.Com (2000年2月24日). 2013年1月27日閲覧。
  12. ^ Zupko, Sarah. “Oasis: Standing on the Shoulder of Giants”. PopMatters. 2013年6月1日閲覧。
  13. ^ Kot, Greg (2000年3月16日). “Standing on the Shoulder of Giants | Album Reviews”. Rolling Stone. 2013年1月27日閲覧。
  14. ^ a b Oasis / Official Charts”. Official Charts Company. 2012年6月5日閲覧。
  15. ^ Weiss, Neal. "Santana's 'Supernatural' Fights Off Strong Debuts By Bone, Pumpkins". yahoo.com. 8 March 2000.
  16. ^ Boehlert, Eric. "My, how the Giants Have Fallen: Oasis, Pumpkins Suffer Huge Sales Slides In Second Week". rollingstone.com. 15 March 2000.
  17. ^ australian-charts.com - Oasis - Standing On The Shoulder Of Giants
  18. ^ Oasis - Standing On The Shoulder Of Giants - austriancharts.at
  19. ^ ultratop.be - Oasis - Standing On The Shoulder Of Giants
  20. ^ ultratop.be - Oasis - Standing On The Shoulder Of Giants
  21. ^ a b Standing on the Shoulder of Giants - Oasis | Awards | AllMusic
  22. ^ dutchcharts.nl - Oasis - Standing On The Shoulder Of Giants
  23. ^ finnishcharts.com - Oasis - Standing On The Shoulder Of Giants
  24. ^ lescharts.com - Oasis - Standing On The Shoulder Of Giants
  25. ^ musicline.de
  26. ^ italiancharts.com - Oasis - Standing On The Shoulder Of Giants
  27. ^ charts.org.nz - Oasis - Standing On The Shoulder Of Giants
  28. ^ norwegiancharts.com - Oasis - Standing On The Shoulder Of Giants
  29. ^ swedishcharts.com - Oasis - Standing On The Shoulder Of Giants
  30. ^ Oasis - Standing On The Shoulder Of Giants - hitparade.ch

関連項目[編集]

外部リンク[編集]