演奏記号

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演奏記号(えんそうきごう)は五線記譜法による楽譜にあって、演奏をするために必要なさまざまな記号のうち、五線音部記号拍子記号、音符休符調号、臨時記号などをのぞいた、重要であるが記譜法上必要不可欠な要素ではない記号をいう。演奏記号には、文字を用いてことばによって示すものと、それ以外のマークやシンボルによるものとがある。(どちらも記号と呼ばれる。)

文字を用いる記号を標語という。標語は基本的にイタリア語で書かれる。声楽曲の場合にはその曲の歌詞の言語で書かれることもあり、器楽曲でもドイツ語フランス語で書かれることもあるが、全体としては例外的である。また、標語を含めた様々な音楽用語を楽語と呼ぶことがある。

以下に示される訳の多くは、一般的な訳によっているため、必ずしも音楽表現に最適の訳とは限らない。

目次

[編集] 強弱記号

音の強弱(ダイナミクス/ディナーミク/デュナーミク)を表す記号。以下に必要に応じて多少の解説・解釈を記載してあるが、あくまで「強弱」であり「音量の大小」を表すわけではない。「強い=大きな音量で演奏する」また逆に「弱い=小さな音量で演奏する」と思われがちであるが、これは間違いを招きやすい語弊のある解釈である(より詳しい説明がウィキブックスの記事にある)。

[編集] 一定の強弱を表すもの

表記 読み 意味 詳細
画像:Pianissimo001.png ピアニッシモ とても弱く ピアノより弱い
画像:Piano001.png ピアノ 弱く もともとは「やさしく」の意味もある。dolceと混同しないように、また画像:Forte001.pngとの対応を配慮もあってこの訳語があてがわれたのであろうが、実際にはソフトな感じに、という意味合いで解釈した方がよいかもしれない。演奏上は、単に「小さく」とか「弱々しく」という意味でとらえないよう、注意が必要である。
画像:Mezzopiano001.png メッゾ・ピアノ やや弱く ピアノより強くメゾフォルテより弱い
画像:Mezzoforte001.png メッゾ・フォルテ やや強く メゾピアノより強くフォルテより弱い
画像:Forte001.png フォルテ 強く 単に「強く」と解釈せずに「力強く」と解釈した方が、技術的にも表現的にも好ましいことが多い。

ベートーヴェンはしばしばスフォルツァンドの意味で画像:Forte001.pngを使用している。画像:Forte001.pngが単に音量の変化を示しているだけではないことの一例であろう。

画像:Fortissimo001.png フォルティッシモ とても強く フォルテより強い
画像:Pianississimo001.png ピアノ・ピアニッシモ
(ピアニッシシモ)
ピアニシモより弱く ピアノフォルテを足していくと度合いが増していくが、普通に使われるのは2つ(ピアニシモフォルティシモ)までであり、3つ以上は「極めて」という意味合いである。また、呼び名は「シ」が一つずつ増える。
画像:Fortississimo001.png フォルテ・フォルティッシモ
(フォルティッシシモ)
フォルティシモより強く
sotto voce ソット・ヴォーチェ 声を弱くして  
mezza voce メッザ・ヴォーチェ 半分の声で  

現代音楽(20世紀以降に書かれた音楽、という意味での現代音楽)においては、これらの記号を単に「音量」を表すだけではなく、本来の意味である表現上の「強い」「弱い」を示すために使われていることが多い。言い換えれば——これは語弊のある言い方かもしれないが——音楽の盛り上がりをこれらの記号によって追いかけることができる、という使われ方がされているものをよく見かける。このような使われ方をしている場合でも相対的な関係を示しており、絶対的な量(音量、盛り上がり具合などなど)を示してはいない。

[編集] その音だけ強いことを表すもの

俗に「アクセント記号」と称される。

画像:Fortepiano001.png フォルテ・ピアノ 強く、すぐに弱く フォルテで演奏してすぐにピアノにする。音が出たあとで音強を変えられる楽器では、音の出だしを強く、一定時間その音強を保って、その後急に弱くする。
画像:Sforzando001.png スフォルツァンド
(スフォルツァート)
その音を強く 音が出たあとで音強を変えられる楽器では、音の出だしは弱く出て、直後に強くし、その後だんだん弱める。

特に打楽器のロール・トレモロでは、指定が無いときは最初の数打を特に強く、後はフォルテで続ける。

画像:Sforzando002.png
画像:Forzato001.png フォルツァンド
(フォルツァート)
画像:Rinforzato001.png リンフォルツァンド
(リンフォルツァート)
画像:Accento001.png アクセント

アッチェント

その音を強く 音符の上にも下にも付けられる 音が出たあとで音強を変えられる楽器では、音の出だしを強くし、その後だんだん弱める。

(クラシックでは上、下に開いているアクセントは横に開いているアクセントよりも強く鳴らすことが多い。)

画像:Accento003.png 音符の上に付ける場合の記号

画像:Accento004.png

音符の下に付ける場合の記号
画像:Accento005.png 音符の上にも下にも付けられる 音が出たあとで音強を変えられる楽器では、音の出だしを弱く、少し経ってからだんだん強くし、その後だんだん弱める。

アクセントとは、その音を何かしらの方法で目立たせることにより、その音を引き立たせることができるような変化を付けるという意味である。場合によっては音量よりも、テヌート(に近い)奏法やスタッカート(に近い)奏法を使用することでアクセントとなることもあり得る。

画像:Accento001.png画像:Accento003.png画像:Accento004.pngでは、元来同じ意味であるが、作曲家によっては、使い分けていることがある。その場合、多くは画像:Accento003.png画像:Accento004.pngにより強い強勢を求める。ただし、画像:Accento003.png画像:Accento004.pngはスタッカーティシモ(画像:Staccatissimo001.png)と非常に誤解しやすいため、避けられることがある。一方で、画像:Accento001.pngは、短いディミニュエンド(画像:Diminuendo001.png)と混同されやすく、シューベルトベートーヴェンにおいては、それらが混同された楽譜が出版されている。

画像:Accento005.pngは、発音後に音量の強弱の付けられる楽器において、ロマン派頃から楽譜に見受けられるようになった記号であり、一般的な記号とまでは言い難い。ロベルト・シューマンは、その表現が不可能なピアノの楽譜にさえ、この記号を付けることを好んだ。

[編集] 強弱の変化を表すもの

crescendo cresc. クレッシェンド だんだん強く
(成長しながら)
クレッシェンドの松葉ディミヌエンドの松葉は俗に松葉、hair pinなどと呼ばれる。一般に文字を用いる場合よりも短いものに使う。また、cresc.と書かれたあとでクレッシェンドの松葉とある場合には、その部分でさらに一段とクレッシェンドする、という意味に捉えるのが一般的である。

画像:Crescendo001.png

decrescendo decresc. デクレッシェンド だんだん弱く
(減退しながら)
diminuendo dim. ディミヌエンド
画像:Diminuendo001.png

[編集] 速度記号

テンポを表す記号

[編集] 一定の速度を示すもの

Grave グラーヴェ 重々しく  
Largo ラルゴ 幅広くゆるやかに  
Larghetto ラルゲット ややLargo Largoより速い
Adagio アダージョ ゆるやかに  
Lento レント のろく  
Adagietto アダジェット ややAdagio Adagioより速い
Andante アンダンテ 歩くような速さで  
Andantino アンダンティーノ ややAndante Andanteより速い
Moderato モデラート 中くらいの速さで 中庸な速度で  
Allegro moderato アレグロモデラート 穏やかに速く  
Animato アニマート 元気に 動いて  
Allegretto アレグレット ややAllegro Allegroより遅い
Allegro Allo アレグロ 快速に・陽気に  
Vivace ヴィヴァーチェ 活発に  
Vivo ヴィーヴォ 活発に  
Presto プレスト 急速に  
Prestissimo プレスティッシモ 非常にPresto Prestoより速い
Tempo giusto テンポ・ジュスト 正しいテンポで 一般に心拍の速さ(M.M.=80くらい)
と言われる。
Tempo di Valse テンポ・ディ・ヴァルス(仏) ワルツのルバートをもったテンポで  
M. M.=n   1分間にn拍打つテンポで  
四分音符=n   1分間に四分音符n個打つテンポで  

[編集] 相対的な速さを示すもの

Più mosso ピウ・モッソ それまでより速く
Meno mosso メノ・モッソ それまでより遅く
ritenuto riten. リテヌート それまでより遅く

[編集] 速度の変化を示すもの

ritardando rit. リタルダンド だんだん遅く  
ritard.
allargando allarg. アラルガンド だんだん強く遅く  
rallentando rall. ラレンタンド だんだん遅く だんだんLentoにの意
accelerando accel. アッチェレランド だんだん速く  
stringendo string. ストリンジェンド だんだん速く 音強も強くするとされる。

[編集] その他の速度記号

a tempo ア・テンポ 元の速さで 速度の変化を示すものによる変化の前の状態に戻す
Tempo primo Tempo Io テンポ・プリモ 曲頭の速さで  
L'istesso tempo リステッソ・テンポ 同じ速さで 1拍の音価が変わっても拍の速さを同じにする
Tempo Rubato テンポ・ルバート 自由な速さで テンポを揺らして演奏する時にも用いられる

[編集] 発想記号

tranquillo トランクィッロ 静かに  
sostenuto sosten. ソステヌート 音を保持して  
maestoso マエストーソ 荘重に 速度記号として使われた場合はAllegro程度
agitato アジタート 激しく  
animato アニマート 生き生きと  
con anima コン・アニマ 生き生きと  
con brio コン・ブリオ 活気をもって  
con fuoco コン・フオーコ 火のように、生き生きと  
spiritoso スピリトーゾ 精神を込めて  
con moto コン・モート 動きを付けて  
calando カランド 和らいで diminuendoritardandoの両方をする指示である
morendo モレンド 絶え入りそうに
smorzando smorz. ズモルツァンド だんだん静まって
perdendosi ペルデンドシ 消えるように
marcato marc. マルカート はっきりと  
pesante ペザンテ 重々しく  
appassionato アパッシオナート 熱情的に  
cantabile カンタービレ 歌うように  
brillante ブリッランテ 華やかに  
lamentabile ラメンタービレ 哀れに  
grazioso グラツィオーソ 優美に  
energico エネルジコ 力強く  
feroce フェローチェ 荒々しく  
espressivo espress. エスプレッシーヴォ 表情豊かに  
espr.
giocoso ジョコーソ 楽しげに  
scherzando スケルツァンド 諧謔的に  
amabile アマービレ 愛らしく  
dolce ドルチェ 甘美に  
grandioso グランディオーソ 壮大に  
risoluto リゾルート 決然と  
comodo コモド 気楽に  
capriccioso カプリチョーソ 気まぐれに  
legato レガート 滑らかに  
leggero, leggiero legg. レジェロ 軽く  
Alla Marcia アッラ・マルチャ 行進曲風に  
calmato カルマート 静かに  

[編集] アーティキュレーションを示す記号

画像:Tenuto001.png テヌート 音を保って 画像:Tenuto002.pngのように書かれる。 実際には次の音との間にわずかな隙間をあけることが多い。音を出したあとで音強を一定に保つことができる楽器では、音を切るまで一定に保つ。
tenuto ten.
画像:Staccato001.png スタッカート 音を切り離して 画像:Staccato002.pngのように書かれる。 一般に音価の半分の長さ鳴らすと説明されるが、実際には場合によってこれより長くなることも、短くなることもありうる。
staccato stacc.
画像:Mezzostaccato001.png メゾ・スタッカート 音を保ちつつ切り離す 画像:Mezzostaccato002.pngのように書かれる。 スタッカートとレガートの間。実際的には場面に応じて様々に演奏され得る。スタッカートとスラーとが組み合わせの場合には、スタッカートが音符の内側に位置するが、スタッカートとテヌートとが組み合わせの場合には、スタッカートが音符の外側に位置するのが標準的である。時には気紛れに、スタッカートとテヌートとが組み合わせの場合に、スタッカートが音符の内側に位置することもあるが、それが意図的に、よりテヌート寄りのメゾ・スタッカートを意味していることもある。
画像:Mezzostaccato000.png 画像:Mezzostaccato003.pngのように書かれる。
画像:Staccatissimo001.png スタッカーティッシモ
または
マルテッラート
音をきわめて短く切る 音符の上に付ける場合の記号 一般に音価の4分の1の長さ鳴らすと説明されるが、実際はもっと短くされることが多い。
画像:Staccatissimo002.png 音符の下に付ける場合の記号
画像:スラーorタイ001.png スラー 音を結びつけて 音符の上に付ける場合の記号 タイと形が同じだが、異なる記号である
画像:スラーorタイ002.png 音符の下に付ける場合の記号

[編集] 反復記号

画像:反復開始001.png   反復終了記号からここに戻る。曲頭では普通省略される。   D. C.またはD. S.のあとでは一般に反復は省略される。その他でもソナタ形式におけるような慣習的な反復記号は、演奏者の解釈により省略されることがある。
画像:反復終了001.png   直前の反復開始記号または曲頭に戻る。何も断りがなければ1回だけ戻って反復する。  
画像:反復記号001.png   反復終了記号反復開始記号が同じ所に背中合わせに重なった場合に使う記号。  
画像:1番カッコ001.png 1番カッコ 反復の1回目のみここを演奏する。 合わせて画像:12番カッコ001.pngのように使われることが多い。最初1番カッコに入って直前の反復終了記号または曲頭に戻り、反復時は1番カッコにはいらずその直前から2番カッコに飛ぶ。
画像:2番カッコ001.png 2番カッコ 反復の2回目のみここを演奏する。
画像:2番カッコ002.png
da capo D. C. ダ・カーポ 最初から。曲頭に戻る。  
dal segno D. S. ダル・セーニョ セーニョから。セーニョに戻る。  
画像:Segno001.png セーニョ 「記号」の意味。ダルセーニョからここに戻る。  
画像:Vide001.png ヴィーデ 「見よ」の意味。同じ記号の所を見よ(同じ記号の所に飛べ)という意味だが、一般には D. C. するか D. S. したあとで結尾(コーダ)に飛ぶときに使われる。ただし、省略可能な部分にこの記号が書かれることもある。 ポピュラー音楽などではコーダマークと呼ばれることがある。
to 画像:Vide001.png トゥー・コーダ D. C.するかD. S.したあとでヴィーデ Codaに飛べ。 ポピュラー音楽ではこのように書かれることが多い。
ヴィーデ Coda コーダ D. C.するかD. S.したあとでto コーダからここに飛べ。 ポピュラー音楽では合わせてひとつの記号のように使われる。クラシック音楽でもヴィーデとCodaが一緒に現れることが多い。ヴィーデとCodaはもともとは別の概念。
Fine フィーネ 終わり かわりにフェルマータを書くこともある
F.O. フェードアウト だんだん小さくして終わる 画像:反復終了001.pngの下に書かれている場合、画像:反復開始001.png 画像:反復終了001.pngの間を数回繰り返しながらだんだん小さくして終わる

[編集] 装飾記号

このほか、装飾音の項目を参照。

画像:Trill001.png トリル その音とその2度上の音を速く反復させて音を揺らす (この記号の上に変化記号がある場合は2度上の音を変化させる) しばしば波線を伴う。その場合には(なくても多くの場合は)、波線の続く間トリルを続ける。前打音後打音を伴うことがある。後打音がなくても通常トリルの終わりで一回2度下の音を鳴らす。打楽器の場合にはトレモロの意味になることがある
画像:Turn001.png ターン この記号がある所で2度上の音—その音—2度下の音—その音と、音を揺らす。音符の真上でなく、次の音との間に書かれている場合には、その音を演奏してから、次の音に移る直前に2度上の音—その音—2度下の音—その音と、音を揺らす。上ないし下に変化記号のある場合には、2度上の音ないし2度下の音にその変化記号を付ける。  
画像:Pralltriller001.png プラルトリラー
(逆モルデント)
その音—2度上の音—その音のように音を揺らす。上に変化記号のある場合には、2度上の音にその変化記号を付ける。 記号が長い場合には2回揺らす
画像:Mordent001.png モルデント その音—2度下の音—その音のように音を揺らす。下に変化記号のある場合には、2度下の音にその変化記号を付ける。 記号が長い場合には2回揺らす
画像:Arpeggio001.png アルペッジョ 和音を同時でなく、下から順にずらして弾く 画像:Arpeggio2分音符001.pngのように書かれる。 ピアノなどで使われる
画像:Arpeggio下001.png 和音を同時でなく、上から順にずらして弾く 画像:Arpeggio下2分音符001.pngのように書かれる。

[編集] 省略記号

8 オッターヴァ アルタ 記音の1オクターヴ上を弾く 音や和音のみに単独で付ける場合には、音符の上や下に記号を記入し、一連の楽句に付ける場合には、上や下に点線でその範囲を囲む。88vaとだけしか記されていない場合には、音符の上や下のどちらに書かれているかと、点線の終わりの鍵の向きだけで、オクターヴ上か下かを判読しなければならないことになる。
元の記音に戻す場合に誤解を防ぐため、特に現代音楽の複雑な楽譜においては、locoと書き添えられることもある。
音域を広く活用する現代音楽において、2オクターヴ移高する記号が流行しはじめた頃は、見やすさの点で15ではなく16が使われることもよくあった。次第に15を使う人が増え、現在では殆どの作曲家が15を2オクターヴとして正確に表記している。
8va
8va alta
8 オッターヴァ バッサ 記音の1オクターヴ下を弾く
8va
8vb
8va b
8va bassa
15ma クィンディチェジマ アルタ 記音の2オクターヴ上を弾く
15ma alta
15ma b クィンディチェジマ バッサ 記音の2オクターヴ下を弾く
15ma bassa
画像:前の拍と同じ001.png   前のと同じ  
画像:前の小節と同じ001.png   前の小節と同じ  
画像:前の小節と同じ002.png
画像:はた3つで刻み.png   斜線の数に相当するはたの数の音符で刻む(同音(和音)反復する) 画像:4分音符を32分で刻み.pngのように書かれる。この場合は4分音符を32分(はた3つ)で刻む。8個の32分音符になる。 親音符が8分音符以下の場合にはそのはたの数を合わせたはたの数の音符で刻む。たとえば、8分音符(はた1つ)に斜線が2本付いたら32分(はた3つ)で刻む。
画像:はた2つのバッテリー.png   斜線の数に相当するはたの数の音符で2音(和音)間を往復する 画像:2分音符を32分でバッテリー.pngのように書かれる。この場合は2分音符を16分(はた2つ)で刻む。8個の16分音符で4回往復することになる。
また、親音符が4分音符の場合には(4分音符を32分でバッテリー)のようにぼうから離して書かれるのが本式である。この場合は4分音符を16分(はた2つ)で刻む。4個の16分音符で2往復することになる。
黒音符の場合には、ぼうに接している斜線は親音符のはたと見なすのが本式であるが、接する斜線があっても親音符を4分音符ととらえるべき楽譜も多い。
tremolo trem. トレモロ なるべく早く刻む 上2項に伴って用いられる。はたの数にこだわらず、なるべく速く反復する。この指示がなくても、不可能なほど速い刻みを求められた場合は、なるべく速くの意味にとっていい。

[編集] 楽器に特有の奏法を示す記号

画像:Pedal001.png ペダル ペダルを踏む ピアノなど
 

画像:Pedal002.png

  ペダルを離す
una corda u.c. ウナ・コルダ 1本の弦で ピアノで弱音ペダルを踏む
tre corde t.c. トレ・コルデ 3本の弦で ピアノで弱音ペダルを離す
画像:Downbow001.png 下げ弓、ダウンピッキング、重音ピッツィカートを低音から高音に 弦楽器
画像:Upbow001.png 上げ弓、アップピッキング、重音ピッツィカートを高音から低音に
pizzicato pizz. ピッツィカート 指ではじく 擦弦楽器
col legno コル・レーニョ 木で。弓の木の部分または木の部分と毛の部分でこするか叩く
arco アルコ 弓。弓を使う普通の奏法に戻る
+   左手ではじく
ゲシュトプフト ゲシュトプフト奏法 ホルン
トレモロ トレモロ奏法 マンドリン系楽器
ピッツィカート  
画像:Pk001.png ピッキング  
ハーモニクス   弦楽器フルート
con sordino con sord. コン・ソルディーノ 弱音器を付けて 弦楽器金管楽器
senza sordino senza sord. センツァ・ソルディーノ 弱音器を外して  
mute ミュート 弱音器(ミュート)をつけて トランペットトロンボーンなど
open オープン 弱音器(ミュート)をはずして  
laissez vibrer l. v. レセ・ヴィブル(仏) 鳴らしたままに 打楽器で、振動を止めない
secco sec. セッコ 乾いた 打楽器で、振動を止める
sul ponticello sul pont. スル・ポンティチェロ 駒の上で ヴァイオリン属
sul tasto スル・タスト 指盤の上で
sul スル~ ~線で(例:sul G G線で)
ordinario ord. オルディナリオ 普通の弾き方で  
tasto solo タスト・ソロ 鍵盤楽器だけで 通奏低音

[編集] その他

画像:Fermata001.png フェルマータ 程よく伸ばす,拍を停止する 音符等の上に付ける場合の記号 音符に付けられた場合には、拍節を止める意味の場合が多く、音符が音価よりも長く伸ばされることが多い。(まれに短くする場合がある)また、この場合、直後にa tempoがなくても元のテンポに戻すとされる。コンマの上に書かれた場合は、息継ぎが伸ばされる意味となり、拍を数えない空白が挿入される。また、コラールでは、フレーズの終わりの意味である。この場合音符が長く伸ばされる場合もあり伸ばされない場合もある。複縦線に書かれた場合は、Fineと同じで、楽曲の終わりを意味する。
画像:Fermata002.png 音符等の下に付ける場合の記号
glissando gliss. グリッサンド 滑るように演奏して 2つの音の間の音を滑らせて演奏する
portamento port. ポルタメント 運んで 次の音との間に短くグリッサンドを入れる
simile シーミレ 同様に  
attacca アタッカ 続けて 次の楽章へ休みなく続くとき使う
tacet タチェット 楽章にわたり休止 楽章を通して休止する。パート譜に用いる
ossia オッシア あるいはまた 代替可能な楽譜を示すときに用いられる

[編集] 前置詞、接続詞、修飾語

molto モルト とても 英語のa lot
assai アッサイ きわめて 英語のmuch
possibile ポッシービレ できるだけ  
(un) poco (ウン・)ポコ 少し 英語のlittle
(un) pochetino (ウン・)ポケティーノ ごくごく少し  
subito スビト 急に 英語のimmediately
poco a poco ポコ・ア・ポコ 少しずつ 英語のlittle by little
più ピウ より多く 英語のmore
meno メノ より少なく 英語のless
(ma) non troppo (マ・)ノン・トロッポ (しかし)あまりはなはだしくなく 英語の(but) not too much
(ma) non tanto (マ・)ノン・タント 英語の(but) not so much
sempre センプレ 常に 英語のalways
quasi クアジ あたかも~のように  
con コン ~と共に 英語のwith
senza センツァ ~なしで 英語のwithout
e そして 英語のand
ed エド

[編集] イタリア語の縮小辞と拡大辞

-ino -イーノ 小さく イタリア語の縮小辞で、語尾の母音を除いてこの辞を付ける。小さい、少し、ややの意味がある。
-ina -イーナ
-etto -エット
-etta -エッタ
-cello -チェッロ
-cella -チェッラ
-one -オーネ 大きく イタリア語の拡大辞で、語尾の母音を除いてこの辞を付ける。大きい、多く、非常にの意味がある。
-issimo -イッシモ 最も イタリア語の最上級を作る辞で、語尾の母音を除いてこの辞を付ける。最も、非常にの意味がある。
-issima -イッシマ
ウィクショナリー
ウィクショナリー演奏記号の項目があります。