スズキ・ハスラー

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スズキ・ハスラー
MR31S型
X(大阪モーターショー2013展示車)
Osaka Motor Show 2013 (101) Suzuki HASTLER X.JPG
Osaka Motor Show 2013 (102) Suzuki HASTLER X.JPG
販売期間 2014年1月8日〜
乗車定員 4人
ボディタイプ 5ドアトールワゴンSUV
エンジン R06A型 658cc 直3 DOHC 吸排気VVT
R06A型 658cc 直3 DOHC 吸気VVT ICターボ
変速機 5速MT/CVT
駆動方式 FF/4WD
サスペンション 前:マクファーソンストラット式
後:I.T.L.式
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,665mm
ホイールベース 2,425mm
車両重量 750-860kg
最小回転半径 4.6m
-自動車のスペック表-

ハスラーHUSTLER)は、スズキが生産・販売するクロスオーバーSUVタイプの軽トールワゴンである。

概要[編集]

軽トールワゴンSUVの双方の要素を融合させた新ジャンルの軽自動車で、アウトドアやスポーツといったレジャーを好むユーザー、あるいはわだちや雪道といった起伏のある路面を走行する機会が多いユーザーを想定した、「アクティブなライフスタイルに似合う軽クロスオーバー」をコンセプトに開発され[1]、同じメーカーの軽自動車であるジムニーと差別化を図っている。

誕生のきっかけとなったのは、ユーザーの声であった。かつてスズキには、大口径タイヤを履き車高を高くした、セダンとSUVのクロスオーバーであるKeiが存在したが、後継モデルがなく2009年に生産終了していた。その後スズキの鈴木修会長が会食の席で、Keiの生産終了を惜しむ声を聞き、軽クロスオーバーの需要があると判断して開発を進めたモデルである[2]

5代目ワゴンRと共通のプラットフォームを用い、Aピラーを立ててルーフの長さと幅をとることでゆとりのある頭上空間があり、体感的にも視覚的にも軽ワゴン車と同等の室内空間を持たせる一方、タイヤは軽乗用車としては大きめの15インチタイヤを用い、サスペンションストロークの変更を行うことで最低地上高は180mm(2WD車、4WD車は175mm)を確保。さらに、アプローチアングルを28°、デパーチャーアングルを46°とすることで起伏のある路面でのパンパー接地を低減。フロントスタビライザーを全車に採用し、ショックアブソーバーの減衰力をチューニングしたことで安定感のあるハンドリングとクロスオーバー車らしい重厚な乗り心地を確保している。なお、大径タイヤを採用しているのもかかわらず、最小回転半径は4.6mとしており小回り性にも優れる。

外観はヘッドランプ周囲をメッキガーニッシュで装飾し、黒のバンパーにシルバー塗装のバンパーガーニッシュを採用。さらに、フェンダーアーチモールとサイドスプラッシュガードも黒で統一することで力強さを表現している。内装はカラーパネルをパイプでつなげたインパネを採用し、ドアトリムにもカラーパネルを採用。カラーパネルはボディカラーにより異なり、「パッションオレンジ ホワイト2トーンルーフ」設定時は「パッションオレンジ」、その他のボディカラーの場合は「ピュアホワイト」となる。このカラーパネルは植物由来のイソソルバイドを原料とした三菱化学の高機能透明樹脂「DURABIO」(デュラビオ)を使用したもので[3]、樹脂に顔料を直接配合することにより発色が可能なことから、塗装によるVOC(揮発性有機化合物)の低減と高い質感を両立している。シートは黒を基調にボディカラーによって異なる4色のシートパイピング(「A」はパイピングなし)を採用している。ボディカラーは通常のモノトーン色5色に加え、「A」を除く全グレードで設定できる「ホワイト2トーンルーフ」・「ブラック2トーンルーフ」各3色を加えた全11パターンが用意され、「ホワイト2トーンルーフ」に関してはすべて新色である(パッションオレンジ、サマーブルーメタリック、キャンディピンクメタリック)。

販売店アクセサリーの純正カーナビゲーションには、スペーシア/スペーシアカスタムに引き続き、スズキでは2車種目となるワイドDINサイズ(幅200mm)のメモリーワイドナビ2機種が設定され[4]、市販のワイドDINサイズカーナビゲーションも、インパネのオーディオガーニッシュを販売店アクセサリーのオーディオ交換ガーニッシュ(ワイドDIN対応)に変えることで装着可能となっている。

メカニズム[編集]

エンジンにはR06A型と同型のインタークーラーターボが用意される。「スズキグリーンテクノロジー」を採用しており、新軽量衝撃吸収ボディー「TECT」を全車に、空調ユニットに冷房運転時に凍る蓄冷材を搭載することでアイドリングストップが作動して送風運転に切り替わっても冷たい風を送り続けることができる「エコクール」を「A」を除く全車に採用。さらに、「A」を除くCVT車にはアクセルOFFの段階でガソリンの供給をカットし、ブレーキを踏んで13km/h以下になるとエンジンを自動停止するアイドリングストップシステムと減速時に高効率・高出力型のオルタネーターで発電し、2種類のバッテリー(鉛・リチウムイオン)に充電、走行中は2種類のバッテリーに蓄えられた電力を電装品に供給することでガソリン消費による常時発電を無くし、燃料消費の最小限化とエンジン負荷の低減に貢献する「エネチャージ」も搭載する。「G」の5MT車には走行中にブレーキを踏んで停車し、シフト位置をニュートラルに戻してクラッチを離すことでエンジンを自動停止する停車時アイドリングストップシステムを備えており、再度クラッチを踏み込むことでエンジンを再始動する。エンジン再始動時の動作はエンジンリスタート機能によるもので、エンスト時にも同様の動作を行うことでエンジン再始動ができる。これらによってすぐれた低燃費を実現し、CVT車はターボ車やアイドリングストップシステム・「エネチャージ」非装備の「A」を含め、全グレード「平成27年度燃費基準+20%」を、5MT車はアイドリングストップシステムの有無を問わず「平成27年度燃費基準+10%」をそれぞれ達成している。

さらに、アイドリングストップシステムについては、新たに、エアコン使用時にアイドリングストップを開始するタイミングとアイドリングストップ状態からエンジン再始動させるタイミングを、燃費優先・標準・快適優先の3つのモードの中から設定できるアイドリングストップ空調設定カスタマイズ機能とアイドリングストップシステムが作動しない理由やアイドリングストップ状態からエンジンが強制再始動する理由をインフォーメーションディスプレイに表示し、エンジンの強制再始動時には1回ブザーを鳴らしてドライバーに知らせるアイドリングストップインフォメーションを採用し、より利便性を高めた。

また、「A」を除く4WD・CVT車には滑りやすい急な下り坂で、エンジンブレーキだけでは減速できない時やブレーキペダルを操作して車両をコントロールするのが難しい時に、ブレーキ操作なしで約7km/hのゆっくりした一定の速度で降坂するヒルディセントコントロールと滑りやすい路面での発車時にエンジントルクやブレーキが効果的に作動するように制御(例えば、片輪が空転した際には空転した車輪のブレーキ制御を早め、グリップ側の車輪に駆動力を集中)することでスムーズな発進ができるグリップコントロールを軽自動車で初めて採用した。

さらに、ワゴンRやスペーシアにオプション設定されている、レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、ESPの4点に関しては、「A」を除くCVT車に標準装備される。

歴史[編集]

2013年10月29日
第43回東京モーターショーに参考出品車として世界初出展(ワールドプレミア)することを発表[5][6]
2013年12月24日
公式発表(2014年1月8日販売開始)[1]
グレード体系は装備内容を厳選し、ドアミラーやドアハンドルもブラックで揃えたベーシックグレードの「A」、リアワイパー&ウォッシャー、フロント2スピーカー、電動格納式リモコンカラードドアミラー、運転席バニティミラー(チケットホルダー付)、カラードドアハンドルなどを備えるとともに、環境性・先進安全性も高めた量販グレードの「G」、フロントマルチリフレクターハロゲンフォグランプ、6スピーカー(フロント+リア+ツィーター)、本革巻ステアリングホイール、助手席バニティミラー(照明・チケットホルダー付)、LEDサイドターンランプ付ドアミラー、15インチアルミホイールを装備した上級グレードの「X」の3グレードに、「G」・「X」のターボ車である「Gターボ」・「Xターボ」を加えた5グレードを設定。また、「A」と「G」にはCVT車に加え、5速MT車も設定される。
2014年1月31日
マツダフレアクロスオーバーとしてOEM供給を開始。

車名の由来[編集]

同社デザイン部門からの提案と社内公募により、「ラフロードを軽やかに走る、活き活きと走る」イメージから、かつて、同社2輪車のTSで使われていた名称を流用した[7]

脚注[編集]

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  1. ^ a b “スズキ、新型軽乗用車「ハスラー」を発売 〜軽ワゴンとSUVを融合させた軽クロスオーバー〜” (プレスリリース), スズキ, (2013年12月24日), http://www.suzuki.co.jp/release/a/2013/1224/index.html 2014年4月13日閲覧。 
  2. ^ “【スズキ ハスラー 発表】誕生のきっかけになったユーザーの声”. Response.. (2013年12月24日). http://response.jp/article/2013/12/25/213772.html 2014年4月13日閲覧。 
  3. ^ “スズキ 「HUSTLER (ハスラー)」 の内装樹脂カラーパネルに三菱化学のバイオエンプラ 「DURABIO® (デュラビオ®)」 が採用されました” (プレスリリース), 三菱化学, (2014年1月14日), http://www.m-kagaku.co.jp/newsreleases/2014/20140114-1.html 2014年4月13日閲覧。 
  4. ^ スペーシア同様、クラリオン製とパナソニック製が各1機種ずつ。
  5. ^ “第43回東京モーターショー2013の出品概要” (プレスリリース), スズキ株式会社, (2013年10月29日), http://www.suzuki.co.jp/release/d/2013/1029/index.html 2013年12月24日閲覧。 
  6. ^ “【東京モーターショー13】スズキ ハスラー…遊び心満載のライフスタイルカー”. Response.. (2013年11月22日). http://response.jp/article/2013/11/22/211451.html 2013年12月24日閲覧。 
  7. ^ “【スズキ ハスラー 発表】往年の人気オフロードバイクの名前で勝負”. Response.. (2013年12月25日). http://response.jp/article/2013/12/25/213732.html 2014年4月13日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]