スキッド (兵器)

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スキッド
Squid Mortar.jpg
種類 対潜迫撃砲
原開発国 イギリスの旗 イギリス
運用史
配備期間 1943年1977年
開発史
開発者 諸兵器研究部(DMWD)
開発期間 1942年
諸元
重量 10 トン

砲弾 440 lb (200 kg)
口径 12 in (305 mm)
銃砲身 3連装
初速 沈降速度:13.3 m/s
有効射程 250 m (275 yds)
弾頭 マイノール
炸薬量 207 lb (94 kg)
信管 時限信管

スキッド英語: Squid)は、第二次世界大戦期にイギリスで開発された対潜迫撃砲システムの一つ。名称はイカ(Squid)の意。

概要[編集]

本砲システムは、1942年より開発開始された。先行して配備された有名な対潜迫撃砲であるヘッジホッグが小口径のスピガット・モーターを多連装に配していたのに対し、本砲システムにおいては、陸戦分野で一般的なストークス・モーター式の大口径迫撃砲を複数連装化するように変更されることとなった。或る意味「潜水艦を殴り潰して破壊するも同然」な点が、ヘッジホッグとの違いとも表現できる。


最終的に、本砲システムでは、水平方向に安定化された砲架に3連装の砲身が搭載されることとなった。スキッドは艦に搭載されたソナーによる管制を受けており、ソナーが捕らえた目標が射程距離に入ると自動的に発射される。このとき、砲弾の水圧信管は目標が航行する水深で爆発するように自動で調定される。撃ち出された砲弾は艦の前方250mに一辺40m程度の三角形を作り、至近距離(約7m)での爆発による圧力波によって潜水艦にダメージを与える。2基のスキッドを搭載した艦の場合、両方のスキッドが一斉に発射され、砲弾は六角形のパターンを作って着水する。当初は水中目標のみを対象に開発・運用されていたが、後に浮上潜水艦を攻撃できるようにレーダーとも連携をとることができる改良型が開発・配備された。

本砲システムは1943年5月より海上公試が開始された。初の戦果は、1944年7月31日イギリス海軍のロック・キリン(ロック級フリゲート)が、ドイツ海軍Uボート「U-333」を撃沈することによって挙げられたものである。前任者のヘッジホッグ連合国諸国海軍において幅広く採用されたのに対し、本砲システムの採用はイギリス連邦諸国を中心として、比較的限定的なものであったが、評価は高かった。日本海上自衛隊も、あやなみ型護衛艦(30DD)の設計段階において、アメリカ製のウェポン・アルファとともに本砲の装備を検討したものの、これは実現しなかった[1]

1950年代後半より、発展型のリンボーが就役しはじめたことから順次に退役し、1977年までに運用を終了した。

搭載艦[編集]

 アメリカ海軍
初期建造艦; のちに自国開発のウェポン・アルファに換装
 イギリス海軍
 インド海軍
 カナダ海軍
 スウェーデン海軍
 チリ海軍
 ベネズエラ海軍

 


ギャラリー[編集]

参考文献[編集]

  • Brown, David K. (2008). Atlantic Escorts: Ships, Weapons and Tactics in World War II. Annapolis: Naval Institute Press. ISBN 978-1-59114-012-2. 
  • Hague, Arnold (2000). The Allied Convoy System 1939-1945:Its Organization,Defence and Operation. Annapolis: Naval Institute Press. ISBN 1-55750-019-3. 
  1. ^ 香田洋二「国産護衛艦建造の歩み 第5回」、『世界の艦船』第778号、海人社、2013年5月、 146-153頁。