スカシバガ科

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スカシバガ科
Familia Sesiidae
緑色の大きな葉っぱの上に一匹います。このグループの昆虫は総じてかなり直線的な体形をしていますが、この画像のモノは特にきわだっていて、全てのパーツが直線的かつスリムです。
red-belted clearwing
(Synanthedon myopaeformis)
ロンドンの中心部にて撮影)
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
上目 : [注 1]長節上目 Panorpida
または
長翅上目 Mecopterida
: チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera
亜目 : 有吻亜目[2] Glossata
下目 : 異脈下目[2] Heteroneura
階級なし : 二門類 Ditrysia
離二門類 Apoditrysia
上科 : スカシバガ上科 Sesioidea
: スカシバガ科 Sesiidae
学名
Sesiidae
Boisduval1828
シノニム
和名
スカシバガ科
英名
Sesiidae
clear-winged moths
clearwinged moths [3]
wasp moths [3]
下位分類(亜科

スカシバガ科(スカシバガか、学名Familia Sesiidae)は、主としてチョウ目(鱗翅目)に属する分類群である。本科にはスカシバ(透翅、透羽、透かし羽)と呼ばれるが含まれる。2022年時点で38が知られている[4]

分布[編集]

形質[編集]

成虫の前翅、後翅に鱗粉がなく、透明な部分を有するが多い。幼虫の多くは、様々な草本植物、つる植物樹木に穿孔して、内部で成長する。

分類[編集]

上位分類[編集]

下位分類(2020年代)[編集]

下位分類(2000年代)[編集]

ただし、種の掲載は網羅的でない。

ヒメスカシバ亜科[編集]

スカシバガ亜科[編集]

スズメガ科の「スカシバ」[編集]

また、スズメガ科に属すガでも、オオスカシバなど前翅、後翅ともに鱗粉のないもので、この名で呼ぶものもある。スズメガ科の昼行性の種の多くは、ホウジャクと呼ばれるものが多く、この中に、スカシバガ科と同様に翅に透明部分を持つものも少なくないが、「スカシバ」の名をもつのは、日本産のスズメガ科では、翅がほとんど完全に鱗粉を失い透明になる、ホウジャク亜科のオオスカシバとリュウキュウオオスカシバのみである。

参考文献[編集]

事辞典
書籍、ムック
  • 木野田君公『札幌の昆虫』北海道大学出版会、2006年、232頁。ISBN 4-8329-1391-3 
  • 福田晴夫ほか『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方:野山の宝石たち』(増補改訂版)南方新社、2009年、59頁。ISBN 978-4-86124-168-0 

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 長翅系昆虫類(英名:Mecopteroid orders)のクレード。長節類(長節上目)Panorpida(2014年記載)もしくは長翅類(長翅上目)Mecopteridaと称される(2021年時点[1])。

出典[編集]

  1. ^ 寺山守 (2021-01) (PDF), 昆虫の系統と分類・生態 (電子出版 ed.), ケロ書房, p. 112 。※文字検索してダウンロードする方式で閲覧可能。
  2. ^ a b 鈴木雅大 (2013年11月1日作成、2018年4月15日更新). “モンシロチョウ Pieris rapae”. 生きもの好きの語る自然誌. 2022年10月20日閲覧。
  3. ^ a b clearwing moth” (英語). Encyclopædia Britannica. Encyclopædia Britannica, Inc.. 2022年10月20日閲覧。。『ブリタニカ百科事典』の当該記事。
  4. ^ 大原昌宏 (2022年). “スカシバガ上科 Sesioidea < 日本産生物種数調査”. 日本分類学会連合 (UJSSB). 2022年10月20日閲覧。
  5. ^ a b 村井智子、成田治、雪田金助 (2009年). “クロフサスグリの枝幹害虫スグリコスカシバの本州での初発生”. 農研機構. 農業・食品産業技術総合研究機構 (NARO). 2022年10月20日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]