ジーゲル・ウォルフィッツの定理

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アーノルド・ウォルフィッツ

解析的整数論における、ジーゲル・ウォルフィッツの定理(: Siegel–Walfisz theorem)は、カール・ジーゲルによる定理[1]算術級数における素数英語版(primes in arithmetic progression)への応用として、アーノルド・ウォルフィッツ英語版(Arnold Walfisz)により得られた。[2]

定理の内容[編集]

と定義する。ここに フォン・マンゴルト函数 オイラーのトーシェント函数とする。定理は、任意の実数 N に対し、N のみに依存する以下を満たす正の定数 が存在することを主張する。(a, q) = 1 かつ

であるときは、必ず

となる。

注意[編集]

定数 は計算可能ではないため、ジーゲルの定理は有効でない

定理より、次の形の算術級数の素数定理を導くことができる。(a, q) = 1 に対し、 により、mod qa に合同な、x 以下の素数の個数を表すとすると、

となる。ここに N, a, q, CN, φ は定理のもの、Li は補正対数積分である。

参考文献[編集]

  1. ^ Siegel, Carl Ludwig (1935). “Über die Classenzahl quadratischer Zahlkörper [On the class numbers of quadratic fields]” (ドイツ語). Acta Arithmetica 1 (1): 83–86. http://pldml.icm.edu.pl/pldml/element/bwmeta1.element.bwnjournal-article-aav1i1p83bwm?q=bwmeta1.element.bwnjournal-number-aa-1935-1-1;6. 
  2. ^ Walfisz, Arnold (1936). “Zur additiven Zahlentheorie. II ”. Mathematische Zeitschrift 40 (1): 592–607. doi:10.1007/BF01218882.  (ドイツ語)