ジル・バイデン

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ジル・バイデン
Jill Biden

ジル・バイデン(2012年12月撮影の公式ポートレート写真)


現職
就任
2009年1月20日
前任者 リン・チェイニー

出生 1951年6月3日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ニュージャージー州ハモントン
配偶者 ビル・スティーブンソン
ジョー・バイデン
子女 ボー・バイデン(義理)
ハンター・バイデン(義理)
アシュリー・バイデン
信仰 ローマ・カトリック
署名

ジル・トレーシー・ジェイコブズ・バイデンJill Tracy Jacobs Biden1951年6月3日 - )は、アメリカ合衆国教育学者であり、第47代アメリカ合衆国副大統領ジョー・バイデンの妻(アメリカ合衆国のセカンドレディ)でもある。

ジルはデラウェア大学英語版ウェストチェスター大学英語版ヴィラノヴァ大学英語版学士号を取得している。

1977年に上院議員のジョーと結婚した。ジョーの1人目の妻と赤ん坊だった娘は1972年に事故で死別しており、ジルは2番目の妻に当たる。前妻の間にもうけた残りの2人の息子、ボー英語版ハンター英語版を引き取った。彼女との間には1981年に娘のアシュリーが誕生している。

生い立ち[編集]

ジル・トレーシー·ジェイコブズは1951年6月3日(2009年のワシントン・ポスト紙などに記載されている誕生日6月5日は間違い[1])にアメリカ合衆国ニュージャージー州ハモントン英語版にて生まれた。何度か引越しを経験した後、ペンシルバニア州ウィロー・グローブ英語版で幼年時代の多くを過ごした[2]。常にキャリアを持つことを考えており、15歳の時から働き始めた[3]1969年アッパー・モアランド高校英語版を卒業した[4]

結婚と仕事[編集]

若い頃のバイデン夫妻
1980年4月。バチカン市国ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世と会見するバイデン夫妻

ペンシルベニア州の短大に入学したジルはファッションのマーチャンダイジングについての勉強を始めたが、すぐに自分にとって満足のいくものではないことに気付き、学校を去った[5]。ほぼ同じ時期にジルはビル・スティーブンソンと結婚した。二人は一緒にデラウェア大学英語版に通うことを決め、ジルは英語を専攻した[5]

ジルは十分なお金を稼ぐために地元の代理店のモデルを務めたりしたが、スティーブンソンとは次第に疎遠になっていった[5]。その後に広告に掲載されたジルの写真を見て一目惚れしたジョー・バイデン上院議員は彼女を探し出し、二人は1975年春にブラインドデート(初対面相手とのデート)を行った。ジルは同年に学士号を取得してデラウェア大学を卒業し[6]、高校の英語教師としてのキャリアを開始した[3]。ジルはスティーブンソンとの離婚手続きを終えた後、1977年6月17日にジョー・バイデンとニューヨークにある国際連合礼拝堂で結婚式を挙げた。バイデンの最初の妻と乳児の娘が自動車事故で死亡してから4年半が経過していた[7](2人の息子ボー英語版ハンター英語版も同乗していたが、命は取り留めた[3])。

ジルは妊娠中も高校教師を続け、1981年ウェストチェスター大学英語版(読解分野)の教育学修士を取得した[8]。同年に二人の間の唯一の子供、アシュリーが生まれた。ボーとハンターも含めた3人の子供を育てるために教師の仕事を2年間中断した[9]

ジルはその後に教師の仕事に戻り、英語を教える読解の専門家として活動し、情緒障害の学生に歴史を教えるようになった[3]。彼女は1980年代の5年間にロックフォードセンター精神科病院で思春期プログラムの教育も担当した[7]1987年に2つ目となる修士をヴィラノヴァ大学英語版(英語分野)で取得した[7]。バイデンは1988年の大統領選挙民主党の候補の一人として名乗りを上げた。ジルはこの時にもし自分がファーストレディになった場合でも、情緒障害の子供に教える仕事はこれまで通りに続けると述べている[10]

1993年から2008年まではデラウェア工科短期大学英語版で講師を務め、リメディアルなどで生徒に自信を付けさせることに重点を置いて教えた[11]

乳癌と診断された4人の友人を持つジルは1993年にデラウェア州内の学校などに乳房の健康意識を向上させるためのプログラムを無償で提供する非営利団体バイデン乳房健康イニシアチブ」を創設している。18年間で、1万人以上の女子高生に乳癌の早期発見の重要性についての指導を行った[12]。また、軍関係者の家族を支援する「地上のデラウェアブーツ」でも大活躍した[13]。週に5回、5マイル(約8km)の距離を走り、海兵隊マラソン英語版に参加したこともある[3]

2007年1月に55歳でデラウェア大学の教育学博士を取得した[7][12]

セカンドレディとして[編集]

2009年1月20日。バラク・オバマ大統領就任式後の祝賀パーティーでダンスを披露するバイデン夫妻

2008年の大統領選挙では夫ジョー・バイデンが副大統領候補に選ばれた後、彼を支援するための選挙活動を行った。彼女は洗練された政治の話は出来なかったが、観衆との繋がり及び感情的な共鳴によって支持を獲得することに成功した[14]。選挙後に夫ジョー・バイデンが第47代副大統領に任命され、ジルもアメリカ海軍天文台敷地内のナンバーワン・オブザバトリーサークル英語版で暮らすことになった。

2009年1月に彼女はアメリカで2番目に大きいコミュニティ・カレッジであるバージニア州北部コミュニティ・カレッジ英語版のアレクサンドリアキャンパスで非常勤講師として英語2コースを教え始めた[15]ホワイトハウスの公式ホームページなどでは彼女は「Dr. Jill Bidenドクター・ジル・バイデン)」と呼ばれている[12][16]

政権発足直前にバラク・オバマ国務長官か副大統領かを選択する権利を夫に与えたという爆弾発言をしてしまい、バイデンの事務所が釈明の声明を発表する事態にまでなった[17]

2010年8月に軍関係者の家族への関心を高めることを狙いとしてテレビドラマシリーズ『アーミー・ワイフ』に出演した[18]2011年9月に1300万人に影響を与えるアフリカの角における飢饉戦争干ばつによる危機的状況への人々の意識を高めるためのUSAIDによる国民啓発キャンペーンに参加した[19]

バイデン夫妻は非公式の方に活動の重点を置く傾向があり、夫婦生活や孫達との繋がりを大切にしている[20]。ジルは2012年6月に義理の息子の軍隊生活について書いた子供向けの本『Don't Forget, God Bless Our Troops』を出版した[21]

2012年の大統領選挙にバイデンは副大統領に再選されるために立候補した。ジルは人前での話と政治の話の両方を嫌っており、選挙期間中は消極的な活動に終始した。キャンペーンに姿を見せないことが何度かあった[21]

2013年1月21日。副大統領二期目を開始したジョー・バイデンとジル夫人

脚注[編集]

  1. ^ drbidenのツイート (341641863222161408) 2014年5月6日閲覧。
  2. ^ Meet Dr. Jill Biden” (英語). Progress Ohio.org. 2014年5月6日閲覧。
  3. ^ a b c d e Jill Biden Heads Toward Life in the Spotlight” (英語). The New York Times. 2014年5月6日閲覧。
  4. ^ Upper Moreland grad Jill Biden in campaign limelight” (英語). Bucks County Courier Times. 2014年5月6日閲覧。
  5. ^ a b c Jill Biden Biography” (英語). Biography.com. 2014年5月6日閲覧。
  6. ^ University of Delaware plays major role in national election” (英語). University of Delaware. 2014年5月6日閲覧。
  7. ^ a b c d Colleagues see a caring, giving Jill Biden”. The Philadelphia Inquirer. 2008年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月6日閲覧。
  8. ^ All the Vice-President's Women” (英語). Vogue. 2014年5月6日閲覧。
  9. ^ Determined to stay in school(有料)” (英語). The News Journal. 2014年5月6日閲覧。
  10. ^ Caroli, Betty Boyd. First Ladies: From Martha Washington to Laura Bush. Oxford University Press. p. 297. ISBN 0-19-516676-0. 
  11. ^ Presidential Candidates' Spouses: Jill Biden” (英語). All Things Considered ( NPR ). 2014年5月6日閲覧。
  12. ^ a b c Dr. Jill Biden” (英語). The White House. 2014年5月6日閲覧。
  13. ^ Jill Biden has a low-key appeal”. Los Angeles Times. 2008年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月6日閲覧。
  14. ^ Campaign Curriculum” (英語). The Washington Post. 2014年5月6日閲覧。
  15. ^ Jill Biden Returns to the Classroom” (英語). The Washington Post. 2014年5月6日閲覧。
  16. ^ Dr. Jill Biden's public debut” (英語). The Politico. 2014年5月6日閲覧。
  17. ^ 米次期副大統領夫人が国務長官も選択肢だったと発言、バイデン氏事務所は釈明”. ロイター. 2014年5月6日閲覧。
  18. ^ Second Lady Jill Biden's Acting Debut to Help Military Families” (英語). Good Morning America. 2014年5月6日閲覧。
  19. ^ Dr. Jill Biden Joins USAID and Ad Council to Debut FWD Campaign for the Crisis in the Horn of Africa” (英語). PR Newswire. 2014年5月6日閲覧。
  20. ^ Joe and Jill Biden's ‘regular’ lives” (英語). The Politico. 2014年5月6日閲覧。
  21. ^ a b Jill Biden tiptoes into 2012 election” (英語). The Politico. 2014年5月6日閲覧。

外部リンク[編集]