ジル・チャーチル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ジル・チャーチル
誕生 1943年1月11日
カンザスシティ
職業 推理作家
ジャンル コージー・ミステリ
Portal.svg ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

ジル・チャーチル(Jill Churchill, 1943年1月11日 - )は、アメリカ合衆国推理作家カンザス州在住。本名はジャニス・ヤング・ブルックス(Janice Young Brooks)。本名でも(ミステリではない)歴史小説やノンフィクションを上梓している。

人物[編集]

1943年1月11日、ミズーリ州カンザスシティに産まれる。

1965年、カンザス大学で学位を取得。

現在はカンザス州在住。

多趣味であり、刺繍編み物バードウォッチングダンベル体操などが挙げられる。ミステリマニアとしても、ディクスン・カーからもらった直筆の手紙を宝物のようにしていたり、多くのミステリシリーズを読破していることが知られている。

ジル・チャーチルはペンネームだが、処女作となる『ゴミと罰』のプロットを考える前に、ペンネームを考えていた。ミステリをあまり読まない人でも、書店でアガサ・クリスティのコーナーくらいは見るだろうと考え、クリスティの次に並ぶようチャーチルの姓を選んだ。名は、本名に近いジルなら、呼ばれたときも気づきやすいことから。もちろん、クリスティのファンであることも大きな影響である。

受賞[編集]

『ゴミと罰』 (Grime and Punishment)

著作リスト[編集]

主婦探偵ジェーン・シリーズ (Jane Jeffry Mysteries)[編集]

日本語訳は、創元推理文庫から出版されている。『ゴミと罰』から『飛ぶのがフライ』までは浅羽莢子が翻訳している。『カオスの商人』以降は新谷寿美香が翻訳している。

交通事故で夫を亡くした専業主婦のジェーン・ジェフリイが3人の子育てに翻弄される様子と、隣人で親友のシェリィと共に、近隣で発生した殺人事件に巻き込まれ、犯人を推理し探索する様子を描くコージー・ミステリ。なお、『ゴミと罰』の訳者後書きでは、「ドメスティック・ミステリ」と紹介している。

タイトル(邦題は無論のこと、原題も)が著名な作品のパロディとなっているのも特徴。

# 邦題
(パロディ元)
原題
(パロディ元原題)
刊行年
アメリカ合衆国の旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社 日本の旗
1 ゴミと罰
ドストエフスキー罪と罰』)
Grime and Punishment
(Crime and Punishment)
1989年 1991年8月 浅羽莢子 東京創元社創元推理文庫
2 毛糸よさらば
ヘミングウェイ武器よさらば』)
A Farewell to Yarns
(A Farewell to Arms)
1991年 1992年12月
3 死の拙文
アイラ・レヴィン死の接吻』)
A Quiche Before Dying
(A Kiss Before Dying)
1993年 1995年12月
4 クラスの動物園
テネシー・ウィリアムズガラスの動物園』)
The Class Menagerie
(The Glass Menagerie)
1994年 1996年4月
5 忘れじの包丁
(『SOSタイタニック 忘れえぬ夜』)
A Knife to Remember
(A Night to Remember)
1994年 1997年2月
6 地上より賭場に
(『地上より永遠に』)
From Here to Paternity
(From Here to Eternity)
1995年 1997年9月
7 豚たちの沈黙
トマス・ハリス羊たちの沈黙』)
Silence of the Hams
(The Silence of the Lambs)
1996年 1999年6月
8 エンドウと平和
トルストイ戦争と平和』)
War and Peas
(War and Peace)
1996年 2001年11月
9 飛ぶのがフライ
エリカ・ジョング飛ぶのが怖い』)
Fear of Frying
(Fear of Flying)
1997年 2007年1月
10 カオスの商人
シェイクスピアヴェニスの商人』)
The Merchant of Menace
(The Merchant of Venice)
1998年 2009年5月 新谷寿美香
11 眺めのいいヘマ
フォースター眺めのいい部屋』)
A Groom with a View
(A Room with a View)
1999年 2011年3月
12 枯れ騒ぎ
(シェイクスピア 『空騒ぎ』)
Mulch Ado About Nothing
(Much Ado About Nothing)
2000年 2012年7月
13 八方破れの家
ナサニエル・ホーソーン七破風の館』)
The House of Seven Mabels
(The House of the Seven Gables)
2002年 2013年9月
14
リチャード・クワイン媚薬』)
Bell, Book, and Scandal
(Bell, Book and Candle)
2003年
15
(シェイクスピア 『夏の夜の夢』)
A Midsummer Night's Scream
(A Midsummer Night's Dream)
2004年
16
アン・タイラー偶然の旅行者』)
Accidental Florist
(The Accidental Tourist)
2007年

舞台を日本に翻案したテレビシリーズ『ご近所探偵・五月野さつき』が作成されている。

グレイス&フェイヴァー・シリーズ (Grace and Favor Mysteries)[編集]

日本語訳は、創元推理文庫から。戸田早紀翻訳。

1930年代の世界大恐慌で全財産を失ったリリーとロバートのブルースター兄妹は、会ったことも無いホレイショー大伯父の莫大な遺産を相続するため、遺言に従ってヴォールブルグの町で暮らすことになる。その屋敷の名前が「グレイス&フェイヴァー・コテージ」

屋敷はとりあえず相続したものの、当面の生活費すら無いため、貧乏兄妹は生活費を稼ぐべく奔走する。…が、なぜか殺人事件に巻き込まれてしまう。

こちらのシリーズはスタンダードナンバーをそのままタイトルに用いている。

  1. 『風の向くまま』 (Anything Goes, 1999)
  2. 『夜の静寂に』 (In the Still of the Night, 2000)
  3. 『闇を見つめて』 (Someone to Watch over Me, 2001)
  4. 『愛は売るもの』 (Love for Sale, 2003)
  5. 『君を想いて』 (It Had to Be You, 2004)
  6. 『今をたよりに』 (Who's Sorry Now?, 2005)

ジャニス・ヤング・ブルックス名義の著書[編集]

  • Seventrees (1981年)
  • Still the Mighty Waters (1983年)
  • Glory (1985年)
  • The Circling Years (1986年)
  • Crown Sable (1987年)
  • Cinnamon Wharf (1988年)
  • The Herron Heritage (1992年)
  • Guests of the Emperor (1990年)

外部リンク[編集]