ジョーダン・ヘンダーソン

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ジョーダン・ヘンダーソン
イングランド代表でのヘンダーソン (2018年)
名前
本名 ジョーダン・ブライアン・ヘンダーソン
Jordan Brian Henderson
愛称 Hendo[1]
ラテン文字 Jordan Henderson
基本情報
国籍 イングランドの旗 イングランド
生年月日 (1990-06-17) 1990年6月17日(33歳)
出身地 サンダーランド
身長 183cm[2]
体重 80kg
選手情報
在籍チーム オランダの旗 アヤックス・アムステルダム
ポジション MF
背番号 6
利き足 右足
ユース
1998-2008 イングランドの旗 サンダーランド
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2008-2011 イングランドの旗 サンダーランド 71 (4)
2009 イングランドの旗 コヴェントリー (loan) 10 (1)
2011-2023 イングランドの旗 リヴァプール 360 (29)
2023-2024 サウジアラビアの旗 アル・イテファク 17 (0)
2024- オランダの旗 アヤックス
代表歴2
2009  イングランド U-19 1 (0)
2009  イングランド U-20 1 (0)
2010-2013  イングランド U-21 27 (4)
2010- イングランドの旗 イングランド 77 (3)
1. 国内リーグ戦に限る。2024年1月17日現在。
2. 2023年7月28日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

ジョーダン・ブライアン・ヘンダーソン MBEJordan Brian Henderson1990年6月17日 - )は、イングランドサンダーランド出身のサッカー選手エールディヴィジアヤックス・アムステルダム所属。イングランド代表。ポジションはミッドフィールダー。2020年以降センターバックとして起用されていたこともあった[3][4]

クラブ経歴[編集]

生い立ち[編集]

サンダーランドAFCに加入する前は地元サンダーランドのスポーツ・カレッジ(Farringdon Community Sports College)に通っていた。

サンダーランド[編集]

2008年にチェルシー戦でデビュー[5]。2009年にはコヴェントリー・シティFCにローン移籍した[6]。シーズン終了とともにサンダーランドのファーストチームに戻り、カーリング・カップバーミンガム戦でファーストチーム初ゴールを挙げた[7]。また、マンチェスター・シティ戦でプレミアリーグ初ゴールを挙げた[8]

リヴァプール[編集]

リヴァプールでのヘンダーソン(2019年)

2011年にリヴァプールに移籍。度重なる怪我の影響で活躍できず、このシーズン開幕前にはブレンダン・ロジャーズより、「移籍先を探してもよい」と事実上の戦力外通告を受けていた[9]。しかし、このシーズン中盤以降にジョー・アレンの負傷も重なり、レギュラーの座についた。

2014-15シーズンシーズンからリヴァプールの副キャプテンに就任した[10]。キャプテンのスティーヴン・ジェラードが不在の時はキャプテンを任された。しかし、2014-15シーズンもリヴァプールは無冠に終わり、キャプテンのジェラードもチームを去ることになった。

長年キャプテンを務めていたジェラードが退団し、有力な次期キャプテン候補と見られ、2015-16シーズンからリヴァプールのキャプテンに就任[11][12]

2016-17シーズン、2016年9月19日のチェルシー戦で25ヤードのシュートを決めチームを勝利に導いた。また、このゴールは2016年9月の最優秀ゴールに選ばれたが[13] [14]、2016-17シーズンは怪我の為24試合の出場に留った。

2017-18シーズンUEFAチャンピオンズリーグ決勝ではレアル・マドリードに敗れたが、キャプテンとしてチームを決勝に導き、2018年9月、リヴァプールと5年間の契約延長に達した[15]

2018-19シーズン、チャンピオンズリーグ準決勝バルセロナ戦の2ndレグではディヴォック・オリジのゴールにつながるシュートを放つなど、フル出場し[16]、キャプテンとしてチームを2年連続の決勝へ導いた。決勝トッテナム・ホットスパー戦でも先発フル出場し[17]、優勝カップを掲げた。

2019-20シーズンFIFAクラブワールドカップ、準決勝のモンテレイ戦では初めてセンターバックとしてプレーして勝利[3]。決勝のフラメンゴ戦では本来の中盤でプレーし、前身のトヨタカップを含めチーム初の世界一のタイトル獲得に貢献した。加入後これまでで最良のシーズンを過ごし、チームにとって欠かせないキャプテンとして、30年振りとなるリーグ優勝に貢献した[18]、FWA(イングランド・サッカー記者協会)が選ぶ年間最優秀選手賞を受賞した[19]

2020-21シーズン、2月20日のエヴァートン戦で負傷、長期離脱の見込みとなった[20]

2021-22シーズン、9月15日に行われたチャンピオンズリーグACミラン戦でヘンダーソンは同大会では7年振りとなるゴールを決めて勝利した[21]、13日後に開催されたFCポルトとの対戦でクラブ通算400試合出場を果たした[22]

アル・イテファク[編集]

2023年7月27日、かつてのチームメイトであるスティーブン・ジェラード監督率いるアル・イテファクに移籍が完了したことがリヴァプールのクラブ公式サイトで発表された[23]。しかしチームは8位と苦戦し、ヘンダーソン自身も環境の変化に対応しきれず、退団を希望としていると伝えられた。

アヤックス[編集]

2024年1月18日、アル・イテファクとの契約を解除し、AFCアヤックスへ2年半契約を結んだことが発表された。

代表経歴[編集]

2009年、U-19チェコ代表戦でU-19イングランド代表デビュー。U-21イングランド代表にも選出され、U-21ルーマニア代表戦では代表初ゴールとなるボレーシュートを決めている[24]。2010年にはイングランドA代表に選出され、フランス戦でデビューした[25]

2014年のワールドカップメンバーに選出されると、グループリーグでは2試合に先発出場(ともに途中交代、1試合は欠場)したがチームはコスタリカに首位通過を許し、ウルグアイイタリアにも後れを取り、最下位で敗退となった。

UEFA EURO 2016のメンバーに選ばれ、グループステージ最終戦のスロバキア戦でプレーした。

2018 FIFAワールドカップメンバーに選出された。ベスト16のコロンビア戦ではPK戦でPKを失敗したが、チームは勝利した。

2020年、UEFAネーションズリーグ3位に導いた功績や、EURO2020出場を決めた功績が評価され、ラヒーム・スターリングハリー・ケインらを抑えイングランド代表年間最優秀選手に選ばれた[26]

2021年、UEFA EURO 2020、準々決勝のウクライナ戦では途中出場すると、メイソン・マウントコーナーキックを頭で合わせゴール、約25年振りとなる準決勝進出に貢献した[27]。このゴールは、自身のフル代表初ゴールとなった。

2022年、ワールドカップカタール大会のメンバーに選出され、決勝トーナメント1回戦のセネガル戦で先制点となるゴールを挙げた[28]

エピソード[編集]

  • リヴァプールでチームメイトであったルイス・アルベルト・スアレスとは当初は不仲であった。しかし、次第にチームメイトとして接していくうちに仲良くなり互いに尊敬するようになったという[29]
  • 2015年に左足に足底筋膜炎を抱えている事が報道された。以後もその痛みと闘い続けている[30]
  • 2022年10月9日、プレミアリーグのアーセナルFC戦においてヘンダーソンがガブリエウに対して人種差別的な発言をしたとして小競り合いに発展した。主審が事態を把握して両チームの監督に事情を説明する事態となった。試合後、FAはこの件に関して調査を行うと発表。当事者双方とこの騒動のとき付近にいた6人の選手への聞き取り、様々な角度によるビデオ映像の確認、言語学の専門家による読唇術の証拠などの調査を行った結果、問題の発言の確認は出来なかったとしていかなる処分も下さないとFAは公式発表した[31]

個人成績[編集]

クラブでの成績[編集]

2023年7月28日現在
クラブ シーズン リーグ カップ リーグ杯 国際大会 その他 通算
ディビジョン 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点 出場 得点
サンダーランド 2008-09[32] プレミアリーグ 1 0 0 0 1 0 2 0
2009-10[33] 33 1 2 0 3 1 38 2
2010-11[34] 37 3 1 0 1 0 39 3
通算 71 4 3 0 5 1 79 5
コヴェントリー (loan) 2008-09[32] チャンピオンシップ 10 1 3 0 13 1
リヴァプール 2011-12[35] プレミアリーグ 37 2 5 0 6 0 48 2
2012-13[36] 30 5 2 0 2 0 10 1 44 6
2013-14[37] 35 4 3 0 2 1 40 5
2014-15[38] 37 6 7 0 4 0 6 1 54 7
2015-16[39] 17 2 0 0 3 0 6 0 26 2
2016-17[40] 24 1 0 0 3 0 27 1
2017-18[41] 27 1 1 0 1 0 12 0 41 1
2018-19[42] 32 1 0 0 1 0 11 0 44 1
2019-20[43] 30 4 0 0 0 0 6 0 4 0 40 4
2020-21[44] 21 1 1 0 0 0 6 0 0 0 28 1
2021-22[45] 35 2 5 0 5 0 12 1 57 3
2022-23[46] 35 0 2 0 1 0 4 0 1 0 43 0
通算 360 29 26 0 28 1 73 3 5 0 492 33
総通算 441 34 32 0 33 2 73 3 5 0 584 39

代表での出場[編集]

2023年7月28日現在


イングランド代表国際Aマッチ
出場得点
2010 1 0
2012 4 2
2013 2 0
2014 11 0
2015 4 0
2016 10 0
2017 4 0
2018 12 0
2019 7 0
2020 3 0
2021 10 2
2022 6 1
2023 3 0
通算 77 3

代表での得点[編集]

得点 日時 場所 キャップ 対戦相手国 スコア 結果 試合概要
1. 2021年7月3日 イタリアの旗 ローマスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ 62  ウクライナ 4-0 4-0 UEFA EURO 2020
2. 2021年11月12日 イングランドの旗 ロンドンウェンブリー・スタジアム 68  アルバニア 3-0 5-0 2022 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選グループI
3. 2022年12月4日 カタールの旗 アル=ハウルアル・バイト・スタジアム 73  セネガル 1-0 3-0 2022 FIFAワールドカップ

タイトル[編集]

クラブ
リヴァプールFC
個人
  • FWA(イングランド・サッカー記者協会)年間最優秀選手賞 : 2019-20
  • 大英帝国勲章 MBE : 2021

脚注[編集]

  1. ^ リヴァプール主将ヘンダーソン、英国紙から「ケンコバ」みたいな名で呼ばれていた”. qoly (2016年5月18日). 2021年6月23日閲覧。
  2. ^ FIFA Qatar World Cup 2022: List of Players: England”. FIFA. p. 11 (2022年11月15日). 2022年11月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月1日閲覧。
  3. ^ a b Liverpool team news: Henderson starts at centre-back with Van Dijk ill as Klopp names second-string XI to face Monterrey”. www.thesun.co.uk (2019年12月18日). 2020年7月24日閲覧。
  4. ^ 不振続くリバプールにシアラーが助言「新戦力起用でヘンダーソンを中盤に戻すべき」”. web.ultra-soccer.jp (2021年2月11日). 2021年2月23日閲覧。
  5. ^ “Blues batter Black Cats”. Sky Sports. (2008年11月1日). http://www.skysports.com/football/match_report/0,19762,11065_3003690,00.html 2008年11月1日閲覧。 [リンク切れ]
  6. ^ “Coventry sign Henderson on loan”. BBC Sport. (2009年1月29日). http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/football/teams/c/coventry_city/7858023.stm 2009年1月29日閲覧。 
  7. ^ Sunderland 2 – 0 Birmingham”. BBC (2009年9月22日). 2009年9月26日閲覧。
  8. ^ Man City 4 – 3 Sunderland”. BBC (2009年12月19日). 2009年12月20日閲覧。
  9. ^ 「彼なしには勝てない…」戦力外通告も受けた主将ヘンダーソンが語った“恩師”クロップへの想い”. www.soccerdigestweb.com (2020年6月26日). 2020年7月24日閲覧。
  10. ^ リヴァプール、ヘンダーソンが副キャプテンに”. Goal (2014年9月16日). 2014年9月16日閲覧。
  11. ^ リヴァプール、ヘンダーソンの新キャプテン就任を発表Goal.com 2015年7月10日
  12. ^ ヘンダーソンがリヴァプールの主将に就任…ジェラードの後任は「名誉」soccerking 2015年7月11日
  13. ^ McNulty, Phil (2016年9月16日). “Chelsea 2-1 Liverpool”. BBC Sport. 2016年9月19日閲覧。
  14. ^ Prentice, David (2016年10月3日). “Liverpool's Jordan Henderson wins September Goal of the Month”. http://www.liverpoolecho.co.uk/sport/football/football-news/screamer-liverpools-jordan-henderson-wins-11969907 2016年10月4日閲覧。 
  15. ^ “Jordan Henderson signs new long-term LFC contract”. Liverpool FC. (2018年9月3日). https://www.liverpoolfc.com/news/first-team/314962-jordan-henderson-new-liverpool-contract 2018年9月3日閲覧。 
  16. ^ Liverpool 4-0 Barcelona (4-3 agg): Jurgen Klopp's side complete extraordinary comeback”. www.bbc.com (2019年5月7日). 2019年5月10日閲覧。
  17. ^ Tottenham 0-2 Liverpool: Mo Salah and Divock Origi goals hand Liverpool sixth European crown”. SKY (2019年6月2日). 2019年6月2日閲覧。
  18. ^ 'The brains of the operation' – player ratings for Liverpool's title winners” (英語). www.theguardian.com (2020年6月26日). 2020年6月27日閲覧。
  19. ^ リバプールの偉大なる主将ヘンダーソンが英記者選出の年間MVPに!”. web.ultra-soccer.jp (2020年7月24日). 2020年7月24日閲覧。
  20. ^ 負傷者続出のリバプールに大打撃。ヘンダーソンが鼠径部を痛め最大3ヶ月離脱へ”. FOOTBALLCHANNEL. 2021年2月25日閲覧。
  21. ^ スーパーゴールのリヴァプール主将ヘンダーソン、CLでの得点は7季ぶり「課題だった」”. ゴーール (2021年9月29日). 2022年1月18日閲覧。
  22. ^ リバプール主将ヘンダーソンが通算400試合出場達成!「今の気持ちを表現できない」”. ゲキサカ (2021年9月29日). 2022年1月18日閲覧。
  23. ^ Jordan Henderson completes transfer to Al-Ettifaq” (英語). リヴァプールFC (2023年7月27日). 2023年7月28日閲覧。
  24. ^ http://www.thefa.com/England/All-Teams/Players/H/Jordan-Henderson
  25. ^ England 1 France 2”. The Telegraph (2010年11月17日). 2010年11月22日閲覧。
  26. ^ “Jordan Henderson named England Player of the Year, Raheem Sterling & Harry Kane snubbed”. Soccer Laduma. (2019年1月15日). https://www.soccerladuma.co.za/news/articles/international/categories/world-news/jordan-henderson-named-england-player-of-the-year-raheem-sterling-harry-kane-snubbed/671063 2019年1月15日閲覧。 
  27. ^ イングランド、25年ぶりベスト4進出! ウクライナに4発快勝&無失点キープ”. サッカーキング (2021年7月4日). 2021年7月4日閲覧。
  28. ^ ワールドカップ イングランドがセネガルに勝利 ベスト8進出”. NHK. 2022年12月5日閲覧。
  29. ^ 「スアレスを殺してやろうかと…」ヘンダーソンが元同僚とのエピソードを明かす - ライブドアニュース
  30. ^ ジョーダン・ヘンダーソン。“不治”の痛みを抱え闘う主将 footballista 2019年4月17日
  31. ^ No FA action over Gabriel-Jordan Henderson altercation in Arsenal win over Liverpool after investigation” (2022年10月26日). 2022年11月3日閲覧。
  32. ^ a b "ジョーダン・ヘンダーソンの2008/2009での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2017年9月14日閲覧
  33. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2009/2010での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2021年6月12日閲覧
  34. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2010/2011での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2021年6月12日閲覧
  35. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2011/2012での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2021年6月12日閲覧
  36. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2012/2013での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2017年9月14日閲覧
  37. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2013/2014での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2021年6月12日閲覧
  38. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2014/2015での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2017年9月14日閲覧
  39. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2015/2016での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2021年6月12日閲覧
  40. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2016/2017での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2021年6月12日閲覧
  41. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2017/2018での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2021年6月12日閲覧
  42. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2018/2019での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2019年6月6日閲覧
  43. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2019/2020での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2021年6月7日閲覧
  44. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2020/2021での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2021年7月8日閲覧
  45. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2021/2022での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2022年10月27日閲覧
  46. ^ "ジョーダン・ヘンダーソンの2022/2023での成績". Soccerbase. Centurycomm. 2023年7月23日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]