ジュラシック・コースト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
世界遺産 ドーセットと
東デヴォンの海岸
イギリス
Kimmeridge
Kimmeridge
英名 Dorset and East Devon Coast
仏名 Littoral du Dorset et de l'est du Devon
面積 2550 ha
登録区分 自然遺産
登録基準 自然遺産(8)
登録年 2001年
IUCN分類 IV, V
公式サイト ユネスコ本部(英語)
地図
ジュラシック・コーストの位置
使用方法表示

ジュラシック・コーストは、イングランド南部のイギリス海峡にある海岸である。一帯は、デヴォン州東部のエクスマウスExmouth)近郊のOrcombe Pointから、ドーセット州東部のスワネイジSwanage)近郊のオールド・ハリー・ロックス(Old Harry Rocks)までのおよそ153 キロメートル にわたってのびている[1]

2001年にイギリス本土ではジャイアンツ・コーズウェーに次いで2例目となるユネスコ世界自然遺産に登録された。登録名は「ドーセットと東デヴォンの海岸」である。登録対象全域にわたってサウス・ウェスト・コースト・パスSouth West Coast Path)の上を歩いていける[2]

目次

[編集] 地学的特質

ジュラシック・コーストは、中生代にあたる三畳紀ジュラ紀白亜紀の断崖で構成されており、恐竜が生きていた2億5000万年もの前の地層が露出している所で、地質学的な歴史を刻んでいる。海岸の岩場にもアンモナイトの化石がびっしりある。

一帯には多くのユニークな地形が含まれ、ダードル・ドア(Durdle Door)のナチュラル・アーチ(natural arch)、ラルウォース・コウヴ(Lulworth Cove)の入り江褶曲ポートランド島Isle of Portland)など、様々な地形の素晴らしい例を提示している。チェシル・ビーチ(Chesil Beach)は、トンボロ暴風海岸storm beach)の好例である。その多様な地質学的特質から、この場所は国際的な地質調査の対象となっている。同時に、この地は古生物学メアリー・アニングの活動拠点だった場所でもある。彼女は、ライム・リージス(Lyme Regis)周辺の海岸線の化石を調査し、イクチオサウルスという海の爬虫類の完全な骨格標本を初めて発見した。恐竜そのものではないが、人類が知りえない太古に大型の爬虫類が地球に存在していたことが、ここで初めて明かになったのである。プレシオサウルスという海の爬虫類の化石もメアリー・アニングによって発見されている。イクチオサウルスは三畳記からジュラ紀に繁栄した海洋性の爬虫類の仲間である。爬虫類が海に入り、魚に似た体型に進化した生物だとされる。2 メートルの体長をもつその爬虫類の骨格は、後に、恐竜という巨大な生物も同時代に存在したという手がかりになった。

ジュラシック・コーストの最高地点は、ゴールデン・キャップ(Golden Cap)で海抜 191 メートル である。

[編集] 歴史

第二次世界大戦中には、ジュラシックコーストのいくつかの区画が当時の陸軍省の管轄に置かれた。イギリス海軍の最大級の拠点の一つは、ポートランド・ハーバーPortland Harbour)にあった。ボヴィントン(Bovington)の主要な軍事拠点は今でも使われており、ジュラシック・コーストの一部区域は立ち入りが制限されている。他方で、かつて軍用拠点だった区画には、民間の管轄に戻されたものもある。

特にポートランド周辺に顕著だが、一帯には海上の難所があり、難破船はこの一帯の歴史叙述ではおなじみのものである。2007年1月にもコンテナ船のMSCナポリがシドマス(Sidmouth)付近のブランスコーム(Branscombe)で浜に乗り上げ、多くの油と積荷が流出したことによって、環境に大きな被害をもたらした.[3]

この地域は、イギリスのテレビ番組『自然の七不思議』(Seven Natural Wonders)では、イギリス南西部の不思議(驚異)の一つとしてとりあげられた。また、『ラジオ・タイムズ』誌(Radio Times)が2005年に行った読者投票では、ジュラシック・コーストはイギリスの自然の驚異第五位に選ばれた。

[編集] 玄関口にあたる町

ライム・ベイ
ダードル・ドア

ウェスト・ベイ(West Bay)は、ジュラシック埠頭(the Jurassic Pier)が2004年に完成したことで一帯の玄関口として大きな担えるようになった[4]。世界遺産登録地域の中心近くに位置するウェーマス(Weymouth)も、玄関口にあたる町としては重要である。この町には2011年までに世界遺産センターが建てられる予定である[5]イギリス有数の保養地でもある。夏の海を楽しむ観光客に混じって、海岸沿いのがけに群がっている人たちがおり、アンモナイトなどが簡単に見つかる。


[編集] 登録基準

この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた(以下の基準は世界遺産センター[1]からの翻訳、引用である)。

  • (8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。

[編集] 出典

  1. ^ Dorset and East Devon Coast”. UNESCO World Heritage Centre (2001年). 2007年1月14日閲覧。
  2. ^ The Official Guide to the SWCP”. SWCP Team (2004年). 2007年1月14日閲覧。
  3. ^ BBC News, 2007. Stricken cargo ship run aground.
  4. ^ Jurassic Pier”. Resort Marketing Ltd (2004年). 2007年1月14日閲覧。
  5. ^ Weymouth Pavilion & Ferry Terminal—The scheme so far”. Howard Holdings PLC (2007年). 2007年8月20日閲覧。

[編集] 外部リンク

Icon of Sekaiisan.svg Icon of Sekaiisan.svg

イギリスの世界遺産
World Heritage Sites in the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
文化遺産
グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁 | ダラム城大聖堂 | アイアンブリッジ峡谷 | ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群 | ファウンテンズ修道院跡を含むスタッドリー王立公園 | バース市街 | ローマ帝国の国境線 | ウェストミンスター宮殿ウェストミンスター寺院聖マーガレット教会 | ブレナム宮殿 | カンタベリー大聖堂聖オーガスティン修道院聖マーティン教会 | ロンドン塔 | エディンバラ旧市街新市街 | マリタイム・グリニッジ | オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地 | ブレナヴォンの産業景観 | バミューダ島の古都セント・ジョージと関連要塞群 | ソルテア | ニュー・ラナーク | ダーウェント峡谷の工場群 | キュー王立植物園 | 海商都市リヴァプール | コーンウォールと西デヴォンの鉱山景観 | ポントカサルテの水道橋と運河
自然遺産
ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸 | ヘンダーソン島 | ゴフ島イナクセシブル島 | ドーセットと東デヴォンの海岸
複合遺産
セントキルダ島
世界遺産 | ヨーロッパの世界遺産 | イギリスの世界遺産 | 五十音順 | [編集]
Commons-logo.svg ウィキメディア・コモンズに、イギリスの世界遺産に関連するマルチメディアがあります。
個人用ツール
名前空間
変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語