ジャガー・SS100

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ジャガー・SS100
Jaguar SS 100 - left.jpg
Jaguar SS 100 - right.jpg
Jaguar SS 100 - Hood Ornament.jpg
販売期間 1936年-1940年
ボディタイプ 2ドア・ロードスター
エンジン 直列6気筒OHV・ガソリン2663/3485cc
変速機 4速MT
駆動方式 FR
全長 3886mm
全幅 1600mm
ホイールベース 2642mm
車両重量 1150kg
先代 SS・90
後継 ジャガー・XK120
-自動車のスペック表-

 

ジャガー・SS100は1936年から1940年まで、イギリスコヴェントリーに本拠をおいたSSカーズ・リミテッドが生産した2座席のスポーツカーである。

当時としては比較的廉価ながら、上位の高級車にも劣らない高性能を達成し、単なるコーチワーク・メーカーと見られていた同社への評価を一躍高めた記念碑的製品となった。第二次世界大戦後の改称で社名にもなった「ジャガー」のネームを、SS社の製品では初めて、同時期に発売された「1.5/2.5リッターサルーン」と共に車名に用いたことでも重要なモデルである。

同社創業者・ウイリアム・ライオンズのデザインによる、大きなヘッドライトと優雅なフェンダーラインを特徴とするボディは、この時代の英国製スポーツカーの中でも、最も美しいものの一つとして広く認められている。

概要[編集]

シャシーは同時期の「1.5/2.5リッターサルーン」のホイールベースを短縮したもので、先代のSS・90ともほぼ共通の、前後とも半楕円リーフの固定軸という古典的な設計であった。

エンジンはコストを抑えながら高性能を確保するため、スタンダード社の量産乗用車用サイドバルブエンジンをベースに、ウィリアム・ヘインズハリー・ウェスレイクが専用のOHVシリンダーヘッドを開発し、排気量を2663ccに拡大、更にSU製ツインキャブレターを装着してチューンされたものがスタンダードへの委託で生産・搭載された。この結果最高出力はSS90の70馬力から、一躍、100馬力の大台に到達した。対する車両重量は1150kgに抑えられた。

英国の自動車雑誌・「The Autocar」が1937年に行ったこの「2.5リッター」のロードテストでは、最高速度153km/h(95マイル)、0-60マイル加速13.5秒を記録、当時の新車価格395ポンドに対して十分以上の高性能を示したが、車名の元となったメーカー公表値の160km/h(100マイル)には僅かに届かなかった。そのため1938年には3485cc・125馬力の「3.5リッター」が価格445ポンドで追加され、最高速度163km/h(101マイル)、0-60マイル加速10.4秒をマーク、文字通り「SS100」にふさわしい高性能車となり、SS車に付いて回った「スタイルだけの車」という悪評を遂に払拭した。

クーペモデルも一台だけ試作され、価格は595ポンドとされたがシリーズ生産には至らなかった。また、何台かはベアシャシーで販売され、外部のコーチビルダーが特注ボディを架装した。

SS100は、第二次世界大戦の勃発もあって生産台数は少なかった。2.5リッターが198台、3.5リッターが116台の計314台が生産(内49台が輸出)されたに過ぎず、良い状態の現存車は今日10万ポンド以上の高値で取引されている。 レプリカモデルも多く作られたが、特に有名なのは1970年代に当時のジャガー車のエンジンを用いて造られたパンサー・J72である。