ジェリカン

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ジェリカン

ジェリカンJerrycan)は、プレス加工された2枚の鋼板を溶接して作られた燃料容器である。

第二次世界大戦北アフリカ戦線において、イギリス軍がドイツ軍の20Lガソリン缶を模倣して製造し、ドイツ兵の蔑称「ジェリー(Jerry)」を冠して「ジェリカン」と呼んだのが名称の由来である。連合軍ジープの後部にはしばしば、スペアタイヤと並んでジェリカンが搭載された。「ジェリ缶」とも表記される。

目次

[編集] 歴史

[編集] イタリア・ドイツ

ドイツ軍の20Lガソリン缶(写真は×印模様の初期製品)
ドイツ軍用(手前右端)の模倣から生まれたイギリス軍のジェリカン(奥の2個)

この野戦用ガソリン缶は元々はアフリカの砂漠に駐屯するイタリア軍の発明であった。

1937年頃にドイツ軍が Wehrmachtskanister (国防軍ガソリン缶)として導入した。従来の200L入りドラム缶に比べて持ち運びや車輌への積載が簡単で、兵士はポンプを使わずに直接車輌の給油口に燃料を注ぐ事ができる利便性から、ドイツ軍戦車部隊の電撃戦の長距離侵攻作戦を支えた工夫のひとつである。

容器の側面上方には「ガソリン20L 火気注意 (Kraftstoff 20L Feuergefährlich) 」と表示されている。さらに×印と四角形を組み合わせたようなへこみ(初期には×印のみ、またイタリア軍型では×部の角度が異なる)が付けられ、内容物の膨張をある程度許容する設計になっている。栓はスクリューキャップ方式ではなく、素早く開栓・閉栓できるバネ方式 (Bügelverschluss) を採用した。更に特徴的な点は、持ち運びのために3本の取っ手が上部に取り付けられていることである。内容物が入っている場合には真ん中の取っ手を持てば一人の兵士が両手に2缶持ち運ぶことができ、空缶の場合は2缶を並べ、2缶の内側の取っ手を同時に持てば、片手で2缶、両手で4缶を運ぶことができる。

さらにドイツ軍では飲料水運搬用に、内部を(鉛を含む防錆塗料に代え)メッキして識別用の白十字をペイント、”Wasser”の文字がプレスされた専用のものを開発した。これは全ての戦線、特にアフリカ戦線の砂漠地帯で多用されているのが当時の写真で確認できる。

[編集] イギリス・アメリカ

現代のフランス軍で使われているジェリカン(2008年撮影)

第二次世界大戦当初、イギリス軍は従来からあった鋼板製の正方形2ガロン缶(9L)と4ガロン(18L)入りブリキ缶を使用していたが、北アフリカ戦線において、イギリス第8軍はドイツ軍が使用していた20Lガソリン缶の取り扱いが容易であることに注目した。当初はドイツ軍から鹵獲したものを利用したが、のちにほぼ完全に近い模倣品を製造した。これがジェリカンである。

JCUSCANNOZZLE2

アメリカ軍はドイツ型よりシンプルな構造のジェリカンを開発・使用した。これは左右ではなく上下(持ち手+蓋部分と本体部分)に分割して作ったものを溶接組み立てしたもので、蓋はスクリューキャップ式、側面のへこみは×印型であった。この形状は生産性を優先させたものでありキャップのネジの規格も200リッター・ドラムと共通のものである。そのために軍用車の大きな燃料注入口に対しても直接注ぐことは困難で漏斗あるいは専用のノズル(スポウト)の使用が不可欠である。アメリカ軍の中でも海兵隊は本体がアメリカ式でネックの部分がドイツ式のものを独自に調達していた。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

燃料携行缶/ジェリカンについての考察

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