ジェフ・フランシス

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ジェフ・フランシス
Jeff Francis
シンシナティ・レッズ(マイナー)
TheDelivery JeffFrancis.jpg
基本情報
国籍 カナダの旗 カナダ
出身地 ブリティッシュコロンビア州バンクーバー
生年月日 1981年1月8日(33歳)
身長
体重
6' 5" =約195.6 cm
220 lb =約99.8 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2002年 MLBドラフト1巡目
初出場 2004年8月25日
年俸 $1,500,000(2013年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム カナダの旗 カナダ
WBC 2006年

ジェフリー・ウィリアム・フランシスJeffrey William Francis , 1981年1月8日 - )は、カナダブリティッシュコロンビア州バンクーバー出身の投手。左投左打。

経歴[編集]

メジャー昇格まで[編集]

父親の影響を受け幼少時から物理学に興味を持っており、カナダの国技であるアイスホッケーより野球を好んだのも「野球は頭を使うスポーツ」だと考えていたためである[2]。地元のブリティッシュコロンビア大学でも物理学と天文学を専攻する一方、野球部でも活躍。2002年ドラフト1巡目(全体9位)指名でコロラド・ロッキーズに入団する[3]

2004年、フランシスはマイナーリーグAA級タルサで球団史上初となる開幕からの10連勝を記録し、さらに昇格したAAA級コロラドスプリングスとの合計で16勝3敗・防御率2.21・196奪三振・29与四球という成績を残す[4]。この年の8月に開催されるアテネ五輪では、フランシスはカナダ代表のエースとして期待されていたが[2]、ロッキーズがフランシスをメジャーへ昇格させることになったため五輪出場は見送られた。

五輪の3位決定戦でカナダ代表が日本代表に敗れメダル獲得を逃した8月25日、フランシスはメジャー昇格を果たし、同日行われたブレーブス戦でメジャーデビュー。5回で三振を8個奪うも6失点を喫し、敗戦投手になる[5]。メジャー初勝利を挙げたのは3度目の登板となった9月5日で、パドレス打線を5.1回無失点に抑えてのことだった[6]。この年は全て先発で7試合に登板し3勝2敗・防御率5.15を記録した。シーズン終了後にはマイナーリーグでの活躍が高く評価され、『ベースボール・アメリカ』と『USAトゥデイ』のマイナー最優秀選手賞をダブル受賞。2賞の同時受賞はアンドリュー・ジョーンズ1995年1996年)、リック・アンキール1999年)、ジョシュ・ベケット2001年)に次ぐ史上4人目・5度目である[4]

ロッキーズのエースへ[編集]

ナショナルリーグ新人王の有力候補のひとりとして期待された2005年先発ローテーションに定着。防御率は5.68ながら、味方打線の援護に恵まれたこともあって14勝(12敗)を挙げた[7]。勝利数以外に128奪三振と14QSもチーム最多であったほか、勝利数・奪三振数・先発登板数・投球回数でリーグ新人選手中トップの数字を残している[8]。この活躍から新人王の投票では、受賞こそならなかったものの6位となった。

ロイヤルズ時代

2006年は、まず3月に開催された国際大会の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)カナダ代表として出場。1次リーグ突破を賭けた9日のメキシコ戦で、ホルヘ・カントゥ本塁打を打たれるなど1.1回6失点KOを喫する[9]。試合は1-9で敗れ、この結果カナダとメキシコに加えてアメリカ合衆国の3チームが2勝1敗で並んだが、失点率が一番悪いカナダが1次リーグで敗退ということになった。大会終了後のMLBレギュラーシーズンでは、2年連続2桁勝利となる13勝を記録し、防御率は前年の5.68から4.16に改善させた。この活躍を受けてロッキーズは11月21日、まだ年俸調停権も取得していないフランシスに4年総額1,325万ドル(5年目は球団オプション)という契約を与えた[10]

2007年、フランシスは6月14日から8月8日にかけて球団新記録となる8連勝をマークするなど、リーグ4位・球団タイ記録となる17勝を記録[11]。ロッキーズは終盤の快進撃で12年ぶりのポストシーズン進出を果たし、地区シリーズリーグ優勝決定戦も無敗で勝ち上がって、球団創設15年目で初のワールドシリーズ出場を決める。フランシスは地区シリーズ初戦を6回2失点、リーグ優勝決定戦初戦を6.2回1失点と好投し、エースとしての役割を果たした。しかしレッドソックスを相手に先発したワールドシリーズ初戦では、4回6失点と結果を残せず敗戦投手になり、チームはその後も1勝もできないまま4連敗で世界一を逃した。

肩の故障[編集]

続く2008年、フランシスは6月終了時点で17試合に登板するも、3勝7敗・防御率5.67と不振に陥る。7月2日には左肩の炎症のため自身初の故障者リスト入り[12]。8月には復帰したものの、シーズン成績は4勝10敗と初の負け越しに加え防御率も5点台に終わった。翌2009年2月、フランシスは左肩の手術に踏み切る[13]。これにより、同年3月の第2回WBCではカナダ代表の試合が地元ロジャース・センターで開催されることになっていたが、フランシスは出場を辞退。さらにMLBレギュラーシーズンも棒に振った。

リハビリを終えたフランシスは、2010年5月16日のナショナルズ戦で復帰。勝利投手にこそならなかったものの7回1失点の好投を見せた[14]。その6日後、22日の試合では6.1回無失点で復帰初勝利を手にする[15]。ただ復帰3戦目となった28日の試合で5.1回5失点と打ち込まれると、それ以降はシーズン終了までの18登板中17試合で2失点以上と崩れた[16]。シーズン終了後、フランシスはFAとなり、カンザスシティ・ロイヤルズと1年200万ドル+出来高で契約[17]。ロイヤルズではほぼローテを守ったが、6勝16敗、防御率4.82と内容は伴わなかった。

2012年1月25日シンシナティ・レッズとマイナー契約を結んだ。レッズではメジャーに昇格できず、6月1日に契約破棄条項を行使して退団[18]。その後、古巣のコロラド・ロッキーズと契約し、メジャー復帰を果たした。オフにFAとなったが、12月19日に1年150万ドル(投球回数に応じた出来高が最大で150万ドル)でロッキーズと再契約した[19]

2013年10月31日にFAとなった。

プレースタイル[編集]

ツーシームとフォーシームの2種類の速球を87-91mph(約140.0-146.4km/h)の球速で上下左右にコントロールし、大きく斜めに曲がるカーブチェンジアップと組み合わせて、打者のバランスを崩す頭脳的なピッチングが持ち味[20]。肩の故障後は、85mph(約136.8km/h)程度まで速球の平均球速が落ちてしまった[21]

年度別投球成績[編集]





















































W
H
I
P
2004 COL 7 7 0 0 0 3 2 0 0 .600 164 36.2 42 8 13 1 1 32 2 0 22 21 5.15 1.50
2005 33 33 0 0 0 14 12 0 0 .538 828 183.2 228 26 70 5 8 128 2 0 119 116 5.68 1.62
2006 32 32 1 1 1 13 11 0 0 .542 843 199.0 187 18 69 15 13 117 0 0 101 92 4.16 1.29
2007 34 34 1 1 0 17 9 0 0 .654 922 215.1 234 25 63 7 7 165 1 1 103 101 4.22 1.38
2008 24 24 0 0 0 4 10 0 0 .286 636 143.2 164 21 49 4 3 94 0 0 84 80 5.01 1.48
2010 20 19 0 0 0 4 6 0 0 .400 441 104.1 119 11 23 3 2 67 1 0 61 58 5.00 1.36
2011 KC 31 31 1 0 0 6 16 0 0 .273 803 183.0 224 19 39 5 5 91 5 1 102 98 4.82 1.44
2012 COL 24 24 0 0 0 6 7 0 0 .462 502 113.0 145 15 22 5 8 76 2 0 71 70 5.58 1.48
2013 23 12 0 0 0 3 5 0 0 .375 324 70.1 89 12 24 2 1 63 5 0 54 49 6.27 1.61
通算:9年 228 216 3 2 1 70 78 0 0 .473 5463 1249.0 1432 155 372 47 48 833 18 2 717 685 4.94 1.44
  • 2013年度シーズン終了時

脚注[編集]

  1. ^ "Kansas City Royals Salary/Payroll Information - 2011," ESPN.com. 2011年5月27日閲覧。
  2. ^ a b 福島良一 「FACE IN THE CROWD」 『週刊ベースボール』2005年1月3日号、ベースボール・マガジン社、2004年、雑誌20441-1/3、85頁。
  3. ^ この年のドラフトでは、オリオールズも1巡目全体4位でカナダ出身のアダム・ローウェンを指名している。上位指名10選手の中にカナダの選手が2人いるのは史上初だった。
  4. ^ a b "2004 Career Highlights", MLB.com. 2008年4月30日閲覧。
  5. ^ "Aug 25, 2004, Rockies at Braves Box Score and Play by Play," Baseball-Reference.com. 2010年10月18日閲覧。
  6. ^ "Sep 5, 2004, Rockies at Padres Box Score and Play by Play," Baseball-Reference.com. 2010年10月18日閲覧。
  7. ^ 大冨真一郎 「ナショナル・リーグ新人王候補ルーキー紹介」 『月刊メジャー・リーグ』 2005年5月号、ベースボール・マガジン社、2005年、雑誌 08625-5、46頁。
  8. ^ "2005 Career Highlights," MLB.com. 2008年4月30日閲覧。
  9. ^ "Box Score," WorldBaseballClassic.com. 2010年10月18日閲覧。
  10. ^ Jerry Crasnick, "Rockies, Francis agree to four-year, $13.25M deal," ESPN.com, November 21, 2006. 2010年10月18日閲覧。
  11. ^ "2007 Career Highlights," MLB.com. 2008年4月30日閲覧。
  12. ^ Thomas Harding / MLB.com, "Francis placed on disabled list / Southpaw having tough season due to shoulder inflammation," ColoradoRockies.com, July 2, 2008. 2010年10月18日閲覧。
  13. ^ Thomas Harding / MLB.com, "Francis' season over before it started / Left-hander needs shoulder surgery, won't pitch for Rox in 2009," ColoradoRockies.com, February 19, 2009. 2010年10月18日閲覧。
  14. ^ "May 16, 2010, Nationals at Rockies Box Score and Play by Play," Baseball-Reference.com. 2010年10月18日閲覧。
  15. ^ "May 22, 2010, Rockies at Royals Box Score and Play by Play," Baseball-Reference.com. 2011年3月24日閲覧。
  16. ^ "Jeff Francis 2010 Pitching Gamelogs," Baseball-Reference.com. 2011年3月24日閲覧。
  17. ^ Dick Kaegel / MLB.com, "Royals add lefty Francis on one-year deal," royals.com, January 14, 2011. 2011年3月24日閲覧。
  18. ^ Reds release veteran Francis at his request MLB.com
  19. ^ Rockies Re-Sign Jeff Francis MLBTradeRumors.com
  20. ^ Lindy's, "Preview 2008: Colorado Rockies," FOX Sports on MSN, March 21, 2008. 2008年3月22日閲覧。(2008年3月25日時点のアーカイブ
  21. ^ Rockies To Re-Sign Jeff Francis MLBTradeRumors.com

外部リンク[編集]