ジェイミー・モイヤー

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ジェイミー・モイヤー
Jamie Moyer
Jamie Moyer 2012 Rockies.jpg
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 アメリカ合衆国の旗 ペンシルベニア州バックス郡セラーズビル
生年月日 1962年11月18日(52歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
185 lb =約83.9 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手(先発)
プロ入り 1984年 ドラフト6巡目
初出場 1986年6月16日 フィリーズ
年俸 $1,100,000[1](2012年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ジェイミー・モイヤー(Jamie Moyer, 1962年11月18日 - )は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州出身の元プロ野球選手投手、左投左打。

30代も半ば頃から本格的に開花した遅咲きの投手で、後述のように多くの年長記録などに名を連ねている。

経歴・人物[編集]

ペンシルベニア州フィラデルフィア郊外のセラーズビルの出身。フィラデルフィア・フィリーズのファンとして育った。1980年にフィリーズがワールドシリーズ初優勝に輝いた時には、高校を抜け出してパレードに参加していたというエピソードもある。フィラデルフィアにある聖ヨゼフ大学に進むとエースとして活躍、同大学で唯一の永久欠番に指定されている。

1984年シカゴ・カブスからドラフト6巡目で指名され入団[1]1986年6月16日フィリーズ戦でメジャーデビューを果たし、同年8月16日エクスポズ戦でメジャー初完封を記録した。

1988年12月5日にトレードでテキサス・レンジャーズへ移籍したが、1990年11月13日に解雇され、1991年1月9日セントルイス・カージナルスへ移籍[1]。シーズン終了後の10月14日に解雇され、1992年1月8日シカゴ・カブスと契約[1]3月30日に左ひじを故障していたモイヤーに球団のファーム・ディレクターから「君だったら優秀なコーチになれる。選手を引退して、マイナーの投手コーチをやらないか?」と打診されたが、拒否をしたため解雇された[1][2]

開幕後の5月24日デトロイト・タイガースと契約したが、メジャーでプレイできずにシーズンを終え、12月14日ボルチモア・オリオールズへ移籍し[1]、ゆっくりと才能を開花させていった[2]

1996年は開幕をボストン・レッドソックスで迎え、7月30日ダレン・ブラッグとのトレードでシアトル・マリナーズへ移籍[1]。その後、安定した成績を収めるようになった。1997年に自己最多の17勝を記録し、チームは地区優勝を果たし、モイヤーは初のプレーオフを経験。1998年8月27日クリーブランド・インディアンス戦で通算100勝と通算1,000奪三振を同時に達成した[3]

2001年には38歳にして自身初の20勝、2003年には40歳で21勝を記録した。2005年6月8日に通算200勝を達成。マリナーズでは11シーズンで145勝を挙げ、これは球団最多記録である。

2005年7月末にヒューストン・アストロズへトレードしようとした際は拒否をしたが[4]2006年8月19日に若返りを図るマリナーズのチーム方針と、当時ワイルドカードを争っていたフィラデルフィア・フィリーズとの思惑が一致し、トレードで移籍。フィリーズでは5勝を挙げ、球団最年長勝利投手となった。10月26日に球団は2008年までの2年総額1,050万ドルの契約を結んだ[4][5]

2007年は44歳と高齢にも関わらず、チームで唯一年間通して先発ローテーションを守り、33先発で14勝を記録し健在ぶりを示したが、一方で防御率は5.01とやや精彩を欠いた。

45歳で迎えた2008年は、16勝7敗、防御率3.71という堂々たる成績を残した。特に勝ち星、勝率はチームトップであり、フィリーズの地区優勝に大きく貢献した。45歳以上でのシーズン2桁勝利投手は、ジャック・クイン(1929年)、サチェル・ペイジ(1952年)、フィル・ニークロ(1984 - 1986年)に次ぎ史上4人目(6度目)[6]であり、16勝は84、85年のニークロに並ぶトップタイである。またこの年の5月26日ロッキーズ戦で通算235勝目を挙げ、史上6人目となる全30球団から勝利を記録している[7]

2009年も先発ローテーションの一角としてシーズンを迎える。オールスター以後は先発から外され中継ぎでの登板を強いられることもあったが、それでもたびたび好投を見せてチーム最多タイとなる12勝を挙げ、存在感を示した。

2010年5月7日ブレーブス戦では、9回2安打無四球5奪三振で完封するなど依然衰えぬ投球でMLB最年長完封記録を更新している。

球速は直球でも時速85マイル(137 km)程だが、球種が多いので緩急をつけられる事と、制球力が強みである[8]

2010年のドラフトで、内野手である息子ディロン・モイヤーがミネソタ・ツインズから22巡目(全体675番目)で指名された。

2010年シーズン終了後、契約が切れ、フィリーズの40人ロースターから外れた。その後、ウィンターリーグに参加するが、そこで左肘に選手生命に関わる怪我を負う。12月1日に左肘のトミー・ジョン手術を行った。手術後、モイヤー財団の公式フェイスブック上で、「スーパーマンはカムバックする」とコメントを残した[9]

2011年は手術のリハビリのためプレーせず。

2012年に復帰してコロラド・ロッキーズとマイナー契約を結び、スプリングキャンプの招待選手を経て、開幕先発ローテーション入りを果たした。 その後、4月17日にパドレス戦において勝利し、メジャー最年長勝利記録を更新(49歳151日)した。[10] しかし、6月1日にロッキーズをリリースされ、6月6日にオリオールズとマイナー契約を結んだが、3Aで3試合登板後にメジャー昇格とならなかったため6月23日に本人の意向で契約解除となった[11]6月25日トロント・ブルージェイズとマイナー契約を結んだ[12]。7月5日に放出された[13]

2013年9月7日、モイヤーは往年の名ナックルボーラーであるチャーリー・ハフティム・ウェイクフィールドナックルボーラーとして復帰が可能かを相談していたことが報道された[14]。しかし、同年10月2日のラジオインタビューにて、「私はやり遂げた。もう復帰することはないと思う」と事実上の引退を表明した[15]

慈善事業家として[編集]

慈善事業家として知られている。ジェイミー・モイヤー財団を夫人のカレンと運営しており、医療関連施設を中心にサポートを行っている。また、オフにはチャリティーボウリング・トーナメントを主催している。これらの活動が評価され、2003年にロベルト・クレメンテ賞を受賞した。2006年にはマリナーズ時代に6シーズンを共にしたイチローも同財団主催のチャリティーイベントに協力している[16]

獲得タイトル・記録[編集]

  • MLB最年長勝利記録(49歳151日)
  • MLB史上3番目の高齢プレイヤー(サチェル・ペイジ、ジャック・クインに次ぐ)
  • MLB史上2番目の高齢ポストシーズン先発投手(45歳342日。サチェル・ペイジの46歳に次ぐ)
  • MLB最多被本塁打記録(ギネス世界記録に認定[17]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
1986 CHC 16 16 1 1 0 7 4 0 -- .636 395 87.1 107 10 42 1 3 45 3 3 52 49 5.05 1.71
1987 35 33 1 0 0 12 15 0 -- .444 899 201.0 210 28 97 9 5 147 11 2 127 114 5.10 1.53
1988 34 30 3 1 1 9 15 0 -- .375 855 202.0 212 20 55 7 4 121 4 0 84 78 3.48 1.32
1989 TEX 15 15 1 0 0 4 9 0 -- .308 337 76.0 84 10 33 0 2 44 1 0 51 41 4.86 1.54
1990 33 10 1 0 0 2 6 0 -- .250 447 102.1 115 6 39 4 4 58 1 0 59 53 4.66 1.50
1991 STL 8 7 0 0 0 0 5 0 -- .000 142 31.1 38 5 16 0 1 20 2 1 21 20 5.74 1.72
1993 BAL 25 25 3 1 1 12 9 0 -- .571 630 152.0 154 11 38 2 6 90 1 1 63 58 3.43 1.26
1994 23 23 0 0 0 5 7 0 -- .417 631 149.0 158 23 38 3 2 87 1 0 81 79 4.77 1.32
1995 27 18 0 0 0 8 6 0 -- .571 483 115.2 117 18 30 0 3 65 0 0 70 67 5.21 1.27
1996 BOS 23 10 0 0 0 7 1 0 -- .875 405 90.0 111 14 27 2 1 50 2 1 50 45 4.50 1.53
SEA 11 11 0 0 0 6 2 0 -- .750 298 70.2 66 9 19 3 1 29 1 0 36 26 3.31 1.20
'96計 34 21 0 0 0 13 3 0 -- .813 703 160.2 177 23 46 5 2 79 3 1 86 71 3.98 1.39
1997 30 30 2 0 1 17 5 0 -- .773 787 188.2 187 21 43 2 7 113 3 0 82 81 3.86 1.22
1998 34 34 4 3 1 15 9 0 -- .625 974 234.1 234 23 42 2 10 158 3 1 99 92 3.53 1.18
1999 32 32 4 0 0 14 8 0 0 .636 945 228.0 235 23 48 1 9 137 3 0 108 98 3.87 1.24
2000 26 26 0 0 0 13 10 0 0 .565 678 154.0 173 22 53 2 3 98 4 1 103 94 5.49 1.47
2001 33 33 1 0 0 20 6 0 0 .769 851 209.2 187 24 44 4 10 119 1 0 84 80 3.43 1.10
2002 34 34 4 2 2 13 8 0 0 .619 931 230.2 198 28 50 4 9 147 3 0 89 85 3.32 1.08
2003 33 33 1 0 0 21 7 0 0 .750 897 215.0 199 19 66 3 8 129 0 0 83 78 3.27 1.23
2004 34 33 1 0 0 7 13 0 0 .350 888 202.0 217 44 63 3 11 125 1 0 127 117 5.21 1.39
2005 32 32 1 0 0 13 7 0 0 .650 868 200.0 225 23 52 2 8 102 3 0 99 95 4.28 1.39
2006 25 25 2 1 0 6 12 0 0 .333 685 160.0 179 25 44 3 3 82 3 1 85 78 4.39 1.39
PHI 8 8 0 0 0 5 2 0 0 .714 209 51.1 49 8 7 2 2 26 0 0 25 23 4.03 1.09
'06計 33 33 2 1 0 11 14 0 0 .440 894 211.1 228 33 51 5 5 108 3 1 110 101 4.30 1.32
2007 33 33 1 0 1 14 12 0 0 .538 867 199.1 222 30 66 3 5 133 2 0 118 111 5.01 1.44
2008 33 33 0 0 0 16 7 0 0 .696 841 196.1 199 20 62 4 11 123 3 0 85 81 3.71 1.33
2009 30 25 0 0 0 12 10 0 1 .545 699 162.0 177 27 43 1 10 94 1 1 91 89 4.94 1.36
2010 19 19 2 1 1 9 9 0 0 .500 460 111.2 103 20 20 0 6 63 0 0 64 60 4.84 1.10
2012 COL 10 10 0 0 0 2 5 0 0 .286 254 53.2 75 11 18 2 2 36 0 0 40 34 5.70 1.73
通算:24年 696 638 33 10 8 269 209 0 1 .563 17356 4074.0 4231 522 1155 69 146 2441 57 12 2076 1926 4.25 1.32
  • 2012年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f Jamie Moyer Transactions” (英語). Baseball-Reference.com. 2008年8月17日閲覧。
  2. ^ a b 「各球団マンスリー・リポート フィラデルフィア・フィリーズ」『月刊メジャー・リーグ』2006年10月号、ベースボールマガジン社、2006年、雑誌 08625-10、41項。
  3. ^ The Ballplayers - Jamie Moyer Biography” (英語). BaseballLibrary.com. 2008年8月17日閲覧。
  4. ^ a b 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2007』 廣済堂出版、2007年、254項。ISBN 978-4-331-51213-5
  5. ^ Phillies extend Moyer's contract” (英語). MLB.com. 2008年8月17日閲覧。
  6. ^ Neither age nor Nats can stop Moyer” (英語). MLB.com. 2008年8月17日閲覧。
  7. ^ Utley drives in six as Phils pound Rox” (英語). MLB.com. 2008年8月17日閲覧。
  8. ^ Phillies' Jamie Moyer Leaves the Mets Baffled”. 2010年4月11日閲覧。
  9. ^ Jamie Moyer set to become baseball's oldest Tommy John patient”. 2010年12月1日閲覧。
  10. ^ USAトゥデイ (2012年4月18日). “Jamie Moyer: Oldest MLB winner pulls off 'tremendous' feat” (英語). 2012年4月22日閲覧。
  11. ^ “49歳モイヤーがまた自由契約”. 日刊スポーツ. (2012年6月25日). http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20120625-972710.html 2012年6月25日閲覧。 
  12. ^ “Bジェイズ、49歳モイヤーとマイナー契約”. SANSPO.COM. (2012年6月26日). http://www.sanspo.com/baseball/news/20120626/mlb12062618120017-n1.html 2012年6月27日閲覧。 
  13. ^ http://toronto.bluejays.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20120705&content_id=34519730&notebook_id=34537452&vkey=notebook_tor&c_id=tor Blue Jays release veteran lefty Moyer
  14. ^ Hochman, Stan (2013年9月7日). “Moyer still trying to defy the ages”. philly.com. 2013年9月7日閲覧。
  15. ^ Davies, Dave (2013年10月2日). “At 49, Jamie Moyer's Pitching Career Goes Into Extra Innings”. npr.org. 2013年10月2日閲覧。
  16. ^ イチロー選手、お気に入りのご馳走でモイヤー基金主催の 「ドリーム・キャッチャーズ」イベントに協力”. 2010年4月11日閲覧。
  17. ^ Most home runs allowed in a Major League Baseball career by a pitcher” (英語). Guinness World Records. 2014年3月6日閲覧。

外部リンク[編集]