シラス (魚)

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シラス(白子、英: Whitebait)とは、カタクチイワシマイワシイカナゴウナギアユニシンなど、体に色素がなく白い稚魚の総称。

シラウオ(白魚)、シロウオ(素魚)とよく混同され、シロウオのことをシラスと呼ぶ地方もあるが、ここでは稚魚について述べる。

これを塩ゆでにして干したものは、ちりめんじゃこ、白子干し(白子乾し)などと呼ばれる。

概要[編集]

生シラス

シラスは、様々な魚の仔稚魚の総称であるが、白子干しなどの形で積極的に食用とされるのは、イワシ仔魚(主にカタクチイワシ)がほとんどである。ただ、捕獲方法の都合(シラス網と呼ばれる網を打って捕獲する)にもより、様々な魚の仔稚魚が混入することも珍しくない。この中には魚類だけではなくタコイカの幼生やエビカニゾエア幼生(動物性プランクトンの一種)なども混入する[1]

あまり食用に適さない混在物を除き、食用に適するものを塩茹でにして干したものがいわゆる白子干しとして販売されているため、よく見ると明らかに形の違う生物が混じっている場合も見られる。いずれも、大抵の場合は食べても問題ない。

しらすごはん

幼魚はまだ骨格があまり発達しておらず、白子干しなどは様々な食品にまぶして丸のまま食べられる。ごはんの上にふり掛けたり、大根おろしと和えて醤油で味付けしたりして食べられる。蛋白質カルシウムが豊富な食品である。

また一部地域ではシロウオのように、生きたままのシラスを酢醤油など調味料にくぐらせ、そのまま食べる「踊り食い」と呼ばれる食べ方も好まれる。

塩茹でして加工されるものがほとんどだが、水分含有量の違いで区別され、茹で上げ後水きり程度で製品となるものが釜揚げと呼ばれ85%前後の水分含有量となる。 50 - 60%程度に乾燥されたものが白す干・・関西では太白と呼ばれ、25 - 35%程度まで乾燥させたものがちりめん・・関東ではかちり等と呼び区別される。 それ以外の加工方法として畳いわしという海苔を作るような方法でシラスを板状に乾燥させたものがあり、これは水分含有量15%程度となる。また近年は生食の消費も増えてきている。

かつては関西以西ではちりめんが主流、静岡周辺は釜揚げが主流、関東以北はシラス干が主流となっていたが、現在は流通事情も変わり昔ほどの地域性はなくなった。

漁場は主に太平洋沿岸で、豊後水道、瀬戸内海、伊勢湾、駿河湾、相模湾などでも多く漁獲される。現在の北限は仙台湾かと思われるが、20年以上前は茨城県が北限とされていた。

シラスウナギ[編集]

スペインでは「アングーラス(angulas)」といい、名物料理になっている

日本においてウナギの場合は「シラスウナギ」あるいは「ノウメンコ」、「ソウメンコ」といい、幼生はレプトケファルスと呼ばれる。シラスウナギはいわゆる「養殖ウナギ」の元として捕獲された後大切に飼育され、十分にウナギとして育った後に食用に出荷される。シラスウナギそのものは、あまり食用とはされない。ウナギ養殖業者間での引き合いもあり、キロ数万円以上(2000年頃)という高値で売れるためである。

ただ日本国外ではその限りではなく、例えばスペインでは「アングーラス(angulas)」と呼ばれる名物料理になっているなど、全く食用に供されない訳ではない。

なおレプトケファルスは海中のデトリタスを食べることが20世紀末にようやく判り、その飼育方法は1990年代末頃に発見されたばかりで、ここからの商業的養殖は依然として発展途上技術である。サメ卵黄を原料とする特殊な飼料を与えるという極めてコストが掛かる方法でもあるために、21世紀初頭の現状ではシラスウナギ養殖が唯一といってよい商業養殖手段である。

出典[編集]

関連項目[編集]