シュン (楽器)

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本来の表記は「」です。この記事に付けられた題名は記事名の制約から不正確なものとなっています。
石の塤(シュン、xun)
陶器の塤(指穴8)の前側
陶器の塤(指穴8)の後ろ側。親指用

(シュン、けん、簡体字ピン音: xūn)とは、中国の伝統管楽器のひとつで、粘土陶磁で作られたヴェッセルフルート(英語: vessel fluteオカリナの仲間)のこと。土笛の一種。

名称[編集]

中国では陶器製のものを「陶塤」(タオシュン、táoxūn)といい、他にも材質によって、「石塤」(シーシュン、shíxūn。石)、「瓷塤」(ツーシュン、cíxūn磁器)、「骨塤」(グーシュン、gǔxūn。獣)、「漆塤」(チーシュン、qīxūn漆器)、「貝塤」(ベイシュン、bèixūn貝殻)などがある。

「塤」の音符を換えた異体字に「」がある。

朝鮮半島にはシュンから派生したフン(朝鮮語: 、hun)がある。

日本では、同じタイプの陶器の楽器は土笛(つちぶえ)と呼ばれ、「塤」の字訓つちぶえである。

概要[編集]

大きさはさまざまだが、形状は卵形である。大きいものは低い音が出る。現在の代表的なものでは、いちばん上に吹き穴があり、指穴は通常吹き穴より小さいものが8つあり、両手の人差し指・中指・薬指・親指で押さえる。

歴史[編集]

起源は、狩猟の際に獲物を呼び寄せたり、反応を探るために使った管楽器と考えられている。骨で作る管状の呼び笛を「骨哨」といい、陶器製の「陶哨」も作られるようになった。中国浙江省河姆渡文化河南省仰韶文化新石器時代遺跡から、吹き穴だけの陶器の管楽器が出土しており、音色からこのような用途であると考えられる。

代には指穴2つのものがあり、音が4種出せたと伝えられている。代には陶器、石、骨で作られ、多くは底が平らな卵形に作られている。戦国時代には指穴4つになり、多くは平底卵形となった。代の『爾雅』の記述[1]からも、陶器製で、大きさは大きい物ではガチョウの卵ほどで、上部は尖り、底は平らで、はかりのおもりの様な形で、穴が6つあり、小さいものでは鶏卵ほどの大きさであったことが分かる。多くの音が出せるようになったことから、以降は、主に宮廷音楽(雅楽)に用いられるようになった。

その後廃れたが、1970年代以降、出土された楽器から再び注目されるようになり、新たに作成されたり、演奏が行われるようになった。現代のものでは穴が増やされ、7個から10個の指穴が開けられている。

脚注[編集]

  1. ^ 塤,焼土為之,大如鵝子,鋭上平底,形如秤錘,六孔,小者如鶏子。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]