シャンバラ (チベット)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

シャンバラ(Shambhala)は、チベットに伝わる伝説上の秘密の仏教王国である。中央アジアのどこかにあると言われることが多い。元はインドヒンドゥー教プラーナ文献タントラ仏教の『時輪タントラ』に登場する理想郷(ユートピア)の名であった。シャンバラ伝説は『時輪タントラ』とともにチベットに伝わり、モンゴルなど内陸アジアのチベット仏教圏に広く伝播した。近代には西洋神智学者らに注目され、欧米でも有名になった。

ヒンドゥー教ではヴィシュヌ神のアヴァターラであるカルキの治める国をシャンバラと呼んだ。ヒンドゥー教のヴィシュヌ派は釈迦をヴィシュヌ神の化身のひとつとするが、釈迦のカースト制度批判によって揺らいでしまった社会秩序を正し、カースト制度を立て直すために、10番目のアヴァターラとしてカルキが出現すると説いた。これに対し『時輪タントラ』とその註釈書『ヴィマラプラバー』は、シャンバラ王カルキは人民を教化して四つのカーストをひとつに統一し、カースト制度を解消させると説いている。このように『時輪タントラ』のシャンバラ説はヒンドゥー教のカルキ伝説の影響下にありながら、ヒンドゥー教とは思想的方向性を異にしている。

参考文献[編集]

関連図書[編集]

関連項目[編集]