シャイロ・シェパード

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SirHarley of Shenandoah Kennel.JPG

シャイロ・シェパード(英:Shiloh Shepherd)とは、アメリカ合衆国ニューヨーク州原産の犬種である。ワーキングドッグ時代のジャーマン・シェパード・ドッグの姿を復元するために作出された。

歴史[編集]

ドイツで生まれ育った女性によって作り出された犬種で、彼女がアメリカで目にしたショータイプに改良されたジャーマン・シェパード・ドッグがあまりにもオリジナルのものとかけ離れた姿をしていたため失望し、アメリカ中を探したが、原産地でワーキングドッグとして使われていた頃の姿をとどめたジャーマン・シェパードを発見する事が出来なかった。アメリカではほとんどがショードッグや警察犬として使われていたため牧羊犬として使われているものはおらず、細身でサイズも小さく改良されてしまっていたのがその一つの理由である。これに従い身体能力は向上したが、自立性と勇敢さ、丈夫さは薄められ外見が変化していた。なにもアメリカで探さずにドイツに戻ってジャーマン・シェパードを入手してくれば良いではないか、と疑問に思うかもしれないが、彼女はドイツに戻る事が出来ない人種的な事情があり、仕方なく即急に故郷を離れたため、犬を入手をしている暇などどこにも無かったのである。

そのため、彼女はドイツでワーキングドッグとして使われていた頃のジャーマン・シェパードの姿を復元するため、綿密な復元・作出計画が立てられた。このプロジェクトは1962年に開始され、厳選されたジャーマン・シェパードを用いて数種の牧羊犬タイプの犬種をかけ合わせ、サイズや丈夫さ、背中のラインの改良などが行われた。又、その後に腰を強化するためにオーバーサイズのアラスカン・マラミュートの血も導入され、1990年代にシャイロ・シェパードが完成した。ちなみに、この「シャイロ」というのは再生プロジェクトが行われた犬舎名に由来していて、地名ではない。

作出目標であった3つの理念である、『一流の知性、大きく丈夫な体、優れた腰』を完璧に備える事が出来、シャイロ・シェパードはジャーマン・シェパードの愛好家にも気に入られ、それの犬種クラブとの摩擦もそれほど大きくは起こらなかったため人気はアメリカ中に広がり、牧羊犬やペット、ドッグスポーツ用として多く飼育されている。尚、オールド・ジャーマン・シェパード・ドッグキング・シェパードはシャイロとは別の犬種である。

特徴[編集]

シャイロはジャーマン・シェパードと比べると走るスピードがやや遅いが、大柄で骨太で、背中が平らで腰が丈夫である。耳は立ち耳で、尾はふさふさした垂れ尾である。コートは普通のジャーマン・シェパードのようなショートコートタイプのものとやや長めのロングコートタイプのものがいるが、稀にやや長めの剛毛のワイアーコートタイプのものがいる。毛色はウルフやブラック・アンド・タン、ブラックなど。力が強く腰が丈夫なため、0~満1歳くらいの子供ならば背中に乗せることも出来る。体高は雄71~76cm、雌66~71cmで、体重は雄63~72kg、雌45~54.5kgの大型犬。性格は安定していて穏やかで勇敢、優しく知的である。他の犬や子供に対しても非常に寛容で友好的だが、主人や仲間 に危機が迫ると勇敢に立ち向かう。

参考[編集]

『デズモンド・モリスの犬種事典』(誠文堂新光社)デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年

関連項目[編集]