シェヘラザード
シェヘラザード(ペルシア語: شهرزاد, Šahrzād)は『千夜一夜物語』の語り手で、伝説上のイラン王妃である。
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逸話 [編集]
『千夜一夜物語』は、枠物語[1]の最外枠にあたる物語である。
シャーリアール王(شهريار, Šahriyār シャフリヤール、「王者」の意味)は彼の一番目の妻の不貞を発見した怒りから、処女と結婚しては翌朝には処刑していた。殺害した女性が3000人に達したとき、彼は大臣の娘のシェヘラザードと結婚した。
父の反対を押し切り、シェヘラザードは自ら王と一晩を共にした。シェヘラザードは王の閨に行くと、最愛の妹ドニアザード(ドゥンヤザード)への別れを告げたいと望んだ。シェヘラザードは夜の間中話し続けるようにドニアザードがせがむことを二人で約束していた。王は横になってシェヘラザードの最初の話に聞き入り、次の話をするように言ったが、シェヘラザードは夜が明けたので口をつぐんだ。そして、慎み深く、「明日お話しするお話は今宵のものより、もっと心躍りましょう」と言うのであった。
そして王が新しい話を望んでシェヘラザードを生かしておいたため、千一の心躍る夜が過ぎ、その間に王とシェヘラザードは三人の子をもうけた。王妃となったシェヘラザードによって、王は説話を楽しんだだけではなく人倫と寛容をも身に付けたのであった。
これらの話はイランの「千の神話」(هزارافسانه, Hazār-Afsāna)と呼ばれる物語を核としている。
語源 [編集]
シェヘラザードは、古い段階ではシーラーザード(شیرازد, Šīrāzād、アリー・アル=マスウーディー)、シャフラーザード(شهرازاد, Šahrāzād、イブン・アル=ナディム)と記され、後者は「領せる地 (شهر, šahr) の麗しき (ازاد, āzād) 女」という意味になる。アッバース朝の第5代カリフ・ハールーン・アッラシードの母ハイズラーン(الخيزران بنت عطاء, Al-Khayzuran bint Atta、生年不明 - 789年)は、シェヘラザードのモデルであるといわれる。
シェヘラザードは、「見目麗しき」(چهرازاد, Čehrzād/Čehrāzād) とたたえられる上古のカヤーニー王朝(ペルシャ神話に出てくる伝説上の王朝で、アケメネス朝に相当)の王バフマーンの娘ホマーイ妃(英語: Komani/Homai。アヴェスター語: humaiti - アミュティスに相当。)と同じと看做され、混同され、或は部分的に同じ起源を持っている。
脚注 [編集]
- ^ 複数の物語を一つの大きな物語中に含む小説形式。『千夜一夜物語』では入れ子細工のような構成を取っている。
参考文献 [編集]
- 『アラビアン・ナイト (全18巻及び別巻)』 前嶋信次・池田修訳
- 『バートン版 千夜一夜物語 (全11巻)』 大場正史訳
- ケイト・D・ウィギン、ノラ・A・スミス編 『アラビアン・ナイト』 坂井晴彦訳、W・ハーヴェイ他画
- 福音館書店〈福音館古典童話シリーズ〉、1997年。 - 児童書
- 前嶋信次 『アラビアン・ナイトの世界』 平凡社ライブラリー、1995年
- ロバート・アーウィン 『必携アラビアン・ナイト 物語の迷宮へ』 西尾哲夫訳、平凡社、1998年
- The Arabian Nights Entertainments プロジェクト・グーテンベルク