ザッハーク

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ザッハークضحّاک, Zahhāk)は、ペルシアの叙事詩『シャー・ナーメ』第4章に登場するマルダースの息子。

ザッハークは4代目の王ジャムシードアンラ・マンユに誘惑されるまま弑して王位を簒奪、5代目の王となり、続く1000年間イランを統治する。ジャムシードが死ぬまでが第4章、ザッハークの邪悪な統治とその終焉までが第5章である。

ザッハークをそそのかして王位を約束し、マルダースを落とし穴に落として殺害したアンラ・マンユは王の即位のさい、給仕に姿を変えて即位をたたえ、ザッハークの両肩に口付けした。すると両肩から2匹の黒い蛇が生えてきた。それは切っても切っても次々生えてくる蛇であった。やがて無害化すべくその蛇を養うために人の脳味噌を喰らわせた。ザッハークは近隣の国の支配者である暴君ジャムシードの領土を落とし民衆に歓迎されたが、やがて支配下に置いた国は暗黒と絶望の国家へと変貌する。なぜなら肩の蛇に人の脳味噌を与えるべく毎日2人の若者が捧げられたからである。

このザッハーク本人と両肩から2匹の黒い蛇の姿は、古代イランの聖典『アヴェスタ』中の「ザームヤズド・ヤシュト」などに登場する三口三頭六目の邪竜アジ・ダハーカの化身となったことを意味する。

ザッハークの支配に終止符を打ったのが、のちに6代目の王となる英雄フェリドゥーンである。彼はザッハークを殺そうとしたが、天使ソルーシュ(スラオシャ)に「その時にあらず」と制止されたので、やむなく捕縛してダマーヴァンド山に幽閉した。ザッハークの心臓からは血が滴り落ち続けたという。

しかし、終末の時にザッハークは本性たるアジ・ダハーカとしてよみがえることが約束されている。解き放たれた暗黒竜は人・動物の3分の1を貪るという。しかし神話的英雄であるクルサースパに倒され最終的には殺される運命にあるとされている。

参考文献[編集]

  • 『ドラゴン』新紀元社

関連項目[編集]