サンセット大通り (映画)

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サンセット大通り
Sunset Boulevard
監督 ビリー・ワイルダー
脚本 チャールズ・ブラケット
ビリー・ワイルダー
D・M・マーシュマン・Jr
製作 チャールズ・ブラケット
出演者 グロリア・スワンソン
ウィリアム・ホールデン
音楽 フランツ・ワックスマン
撮影 ジョン・サイツ
編集 アーサー・P・シュミット
配給 パラマウント
公開 アメリカ合衆国の旗 1950年8月4日
日本の旗 1951年10月5日
上映時間 110分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $1,752,000
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サンセット大通り』(原題: Sunset Boulevard または Sunset Blvd.)は1950年制作のアメリカ合衆国の映画ビリー・ワイルダー監督作品。

目次

概要 [編集]

ロサンゼルス郊外の豪邸を舞台に、サイレント映画時代の栄光を忘れられない往年の大女優の妄執と、それが齎した悲劇を描いたフィルム・ノワールである。

公開当時から批評家たちの評価も高く、同年のアカデミー賞11部門にノミネートされたが、対抗馬であった『イヴの総て』相手に苦戦し結局3部門での受賞に留まった(『イヴの総て』は計6部門受賞)。現在ではアメリカ映画を代表する傑作と見なされており、1989年に創立されたアメリカ国立フィルム登録簿に登録された最初の映画中の1本である。

ストーリー [編集]


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


とある日、サンセット大通りのとある大物の住む邸宅にて一人の男が殺害されたという通報が入った。警察が駆けつけると、プール死体が浮いていた。背中銃弾を撃ち込まれ、即死であった。殺されたのは、B級映画脚本を2本ほど書いたしがない脚本家であった。この男は、プール付きの家に住むのが夢であったのだ。それがまさか、こんな形で夢が叶ってしまうとはなんと皮肉な事だろうか。そもそもの発端は、今から半年ほど前に遡る。

ハリウッドの狭いアパートに住んでいた脚本家のジョー・ギリスは、書き上げた脚本を映画会社に採用してもらえず、貧窮のどん底に苦しんでいた。そのため、ハリウッドから仕事も貰えない上にペンがなかなか進まずスランプに陥っていた。収入がないので、アパートの家賃も3ヶ月も滞納してしまい、終いには取立て屋が借金のカタに車を没収するべく家に押しかけてくる有様であった。友達に貸していると弁明してその場を凌いだが、実は家の近所にある靴磨き屋の駐車場に隠していた。明日まで300ドル払わないと、車を問答無用で没収すると最終通告を残し、取立て屋は帰っていった。その靴磨き屋の親父は、他人の事情には一切興味がなく、ジョーが勝手に車を停めていても気にもかけていなかったので、隠すにはうってつけの場所だった。

ジョーは車でパラマウント社へと向かった。実は、ジョーは最近ある大物プロデューサーに気に入られ、そのコネを利用して一流脚本家にのし上がろうという野心があったのだ。ジョーが訪ねたのはシェルドレイク。やり手のプロデューサーで、色んな業界の人間に顔が知れ渡っていた。早速ジョーは書き上げたワルとつるむ3番バッターの主人公が更生していくストーリーの脚本『満塁』のあらすじを説明するが、シェルドレイクはいまいち気乗りしない上に、さらに彼の部下であるベティ・シェーファーに「ありきたりでつまらない陳腐な脚本」という酷評を頂いてしまう。一方、シェルドレイクは主人公を女子ソフトボールチームに変更して、ミュージカル風にしてみてはどうかという代案を出すが、仕事が欲しいジョーはこれを拒否。話は平行線を辿り、結局今回の脚本は不採用に終わった。ジョーは個人的にシェルドレイクに300ドル貸して欲しいと、願い出るがシェルドレイクは去年、牧場を借金して購入した上に今年はその購入した牧場を、生命保険の担保に入れたので金を貸す事が出来ないと突っぱねられてしまう。

その後、ジョーは会社の近所の薬局で転がり込んでくるうまい話をモノにするべく、ひたすら待ったが現実は甘くなかった。電話で知り合いに助けを求めたが、そんな大金はすぐには用意できないと全員からフイにされてしまい、最後の頼みの綱であった助監督のアーティ・グリーンにも助けを求めたが断られ、ついに行き詰ってしまう。

「脚本家としての才能が自分にはなかったのか」、「ハリウッドで活躍しようという大それた望みを持ったのは間違いだったのか。」ジョーはそんな事を考えながら、自分の今後の身の振り方を考えていた。全財産を売り飛ばせば故郷のオハイオへの片道分の旅費ぐらいにはなる。そこに帰って週給35ドルの新聞社のデスクに戻って味も素っ気もない生活に戻ろうと決心した。だが、サンセット大通りを車を運転して帰宅する途中で、運悪く自動車会社の取り立て屋の運転する車に遭遇してしまい、必死で逃亡。取り立て屋が追いかけてくる中、タイヤの一つがパンクしてしまうアクシデントが発生するが、なんとか車道の横丁に逃げ込んで取り立て屋を撒く事に成功する。

ジョーは前を見てみると、そこには幽霊屋敷のような寂れた大きな邸宅があった。しかも、巨大なガレージがどうぞ隠して下さいと言わんばかりに、車庫の扉が開いていたのでひとまずそこに車を隠す事にした。取り立て屋に見つかった以上、もうアパートには戻れない。しばらくアーティにかくまってもらって、オハイオに向かい車の場所はほとぼりが冷めてから取り立て屋に教えようと、屋敷を出て行こうとすると屋敷の住人も思しき老女に呼ばれる。

その邸宅はサイレント映画時代のスター女優であったノーマ・デズモンドが、召使のマックスと共にひっそりと暮らしていた。

ジョーは銀幕への復帰を目論むノーマのために、彼女が書き上げた映画脚本の手直しをするように要求される。うだつの上がらない生活に嫌気がさしていたジョーはこれを受け入れ、以降住み込みのゴーストライターとしてノーマと奇妙な共同生活を始めるのだった。

キャスト [編集]

役名 俳優 日本語吹替
ノーマ・デズモンド グロリア・スワンソン 七尾伶子
ジョー・ギリス ウィリアム・ホールデン 臼井正明
マックス エリッヒ・フォン・シュトロハイム 吉沢久嘉
ベティ・シェーファー ナンシー・オルソン 沢田敏子
アーティ・グリーン ジャック・ウェッブ 飯塚昭三
シェルドレイク フレッド・クラーク

備考 [編集]

「世間から忘れられたという事実を受け入れられず、およそ実現不可能だと思われるカムバックを夢見るスター気取りの中年女優」という役柄が忌避されてか、主演のノーマ・デズモンド役の女優選びは非常に難航した。引退していたグレタ・ガルボに最初のオファーが出されたが、彼女は復帰にさして興味を示さなかった。次のメイ・ウエストは「サイレント映画時代の大女優の役をするには自分は若すぎる」と断った。他にメアリー・ピックフォードポーラ・ネグリの名前も挙がったが、二人ともストーリーラインや役柄を嫌がり辞退、最後に伝説的なサイレント映画時代の大女優グロリア・スワンソンを、監督であるビリー・ワイルダー自身が説得することで何とか撮影にこぎつけることができた。当初スワンソンはあまりに大物過ぎて、ワイルダーたちも彼女がオファーに応じるとは思っていなかったという。スワンソンは期待通りにノーマ役を演じ、作品の評価を確固たるものにした。

ノーマに復帰作品の監督をするようにせがまれて困惑する映画監督セシル・B・デミルを本人が演じている。映画中に登場する『サムソンとデリラ』のセットは実際に撮影に使われたものである。現実世界でもデミルはスワンソン主演の映画を何本も撮った名監督であった。ノーマに忠実に仕える召使マックス役を演じたエリッヒ・フォン・シュトロハイムも1920年代を代表する映画監督であり、彼もまたスワンソン主演の映画を監督したことがあった。映画中でマックスが上映するノーマ主演の映画がそれ(スワンソンと衝突し撮影中止、結果的にシュトロハイム最後の監督作品となったQueen Kelly)である。

ノーマ邸でトランプゲームに興じる嘗ての大物俳優達(ジョー曰く「蝋人形たち」)を演じるのは喜劇王バスター・キートンを始めとしていずれもサイレント映画時代のスター達である。

以上のように『サンセット大通り』ではハリウッドの監督、名優達が彼ら自身を連想させる役柄を演じており、そのことが映画に異様なリアリティーを与えている。

受賞・ノミネート [編集]

受賞 [編集]

ノミネート [編集]

トリビア [編集]

  • 2001年に制作されたデヴィッド・リンチ監督作品『マルホランド・ドライブ』はこの映画を下敷きにしているといわれている。ハリウッドの道路 マルホランド・ドライブを下っていくと、サンセット大通りに出る。
  • 手塚治虫の『ブラック・ジャック』には「忘れられた大女優マリリン・スワンソン」が登場する、当該映画にインスパイアされた「あるスターの死」というエピソードがある。
  • 松本清張の小説『幻華』は、この映画を観た印象に基づき、銀座のバーのママに主人公を置き換えて書かれている。
  • 大林宣彦監督のテレビ映画『麗猫伝説』は、怪奇映画風にアレンジされているものの、このストーリーと人物配置をかなり忠実に再現している。ヒロインは、サイレント期の大女優・入江たか子と、その娘・入江若葉が二人一役で演じた。脚本家は柄本明、元大監督の執事は大泉滉が演じている。

外部リンク [編集]