ゴンズイ科

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ゴンズイ科
Plotosus lineatus.001 - Aquarium Finisterrae.JPG
ミナミゴンズイ Plotosus lineatus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 骨鰾上目 Ostariophysi
: ナマズ目 Siluriformes
上科 : ナマズ上科 Siluroidea
: ゴンズイ科 Plotosidae
英名
Eeltail catfishes
下位分類
本文参照

ゴンズイ科学名Plotosidae)は、ナマズ目に所属する魚類の分類群の一つ。ゴンズイミナミゴンズイなど、沿岸あるいは淡水汽水域で生活する底生性の魚類を中心に10属35種が記載される[1]

分布・生態[編集]

ゴンズイ科の魚類はインド洋および西部太平洋(日本からオーストラリアフィジーにかけて)の沿岸域に分布する[1]。ほとんどが淡水産種であるナマズ目の仲間のうち、本科およびハマギギ科の2科は例外的に多数の海水魚が含まれるグループとなっている[2]。ゴンズイ科魚類の約半数がオーストラリア・ニューギニア島に分布する淡水魚である一方、残るインド太平洋の浅い海に生息する[1]。淡水産のゴンズイ類は、一度は海水環境に適応した祖先が、進化の過程で再び淡水域を利用するようになったものと考えられている[2]

本科魚類は水底付近で生活する底生魚で、口ヒゲを使って海底を探索し、主に甲殻類などの底生生物を捕食する[3]ミナミゴンズイPlotosus lineatus)など一部の種類は、稚魚が濃密な群れを作る習性が知られている[2]。海産のゴンズイ類は胸鰭に毒腺と連続した強い棘をもち、体色はよく目立つ警戒色となっていることが多い[2]

形態[編集]

ゴンズイ科の魚類は細長いウナギ型の体をもつ[1]。体長数十cm程度の種類が多いが、最大種(Plotosus canius)では全長1.5mに達した例が知られている[3]。口ヒゲは通常4対で、尾部に1対、上顎に1対、下顎に2対を備える[1]肛門の後部に房状の突起が存在し、塩類の排泄に関与しているとみられている[4]。鰓条骨は7-14本[1]

臀鰭の基底は長く、尾鰭と連続する[1]。尾鰭の上部基底は背部にまで伸長し、かつては第2背鰭と考えられていた[4]背鰭および胸鰭の棘は鋭く発達し、一部の種類では刺されると強い痛みを伴う[1]。脂鰭をもたない[1]

分類[編集]

ゴンズイ科にはNelson(2006)の体系において10属35種が認められている[1]。本稿では、FishBaseに記載される10属40種についてリストする[3]

日本の沿岸で観察される「ゴンズイ」は、インド太平洋に広範囲に分布するPlotosus lineatus)と同一と考えられていたが、実際には別種であることが2000年代後半の研究によって明らかにされた[5]。日本近海のみで見られる種がゴンズイP. japonicus)として新種記載され、従来「ゴンズイ」とされていた P. lineatus (日本での分布は沖縄諸島に限られる)は「ミナミゴンズイ」へと標準和名が変更されている[5]

ミナミゴンズイ Plotosus lineatus の稚魚によるゴンズイ玉。他の魚類やダイバーの体をつつくなど、掃除魚としての行動が観察されている[4]
ミナミゴンズイ Plotosus lineatus (ゴンズイ属)。従来「ゴンズイ」の和名で呼ばれていた種類。胸鰭の棘に強い毒をもつため注意を要するが、食味は良い[4]
ゴンズイ属の1種(Plotosus canius)。最大で全長1.5mに達する、本科魚類中の最大種。インド太平洋の淡水・汽水域に生息し、食用として利用される[3]
Euristhmus 属の1種(E. microceps)。オーストラリア西岸の固有種。沿岸の砂泥底に生息する
  • ゴンズイ属 Plotosus
  • Anodontiglanis
    • Anodontiglanis dahli
  • Cnidoglanis
    • Cnidoglanis macrocephalus
  • Euristhmus
    • Euristhmus lepturus
    • Euristhmus microceps
    • Euristhmus microphthalmus
    • Euristhmus nudiceps
    • Euristhmus sandrae
  • Neosiluroides
    • Neosiluroides cooperensis
  • Neosilurus
    • Neosilurus ater
    • Neosilurus brevidorsalis
    • Neosilurus coatesi
    • Neosilurus equinus
    • Neosilurus gjellerupi
    • Neosilurus gloveri
    • Neosilurus hyrtlii
    • Neosilurus idenburgi
    • Neosilurus mollespiculum
    • Neosilurus novaeguineae
    • Neosilurus pseudospinosus
  • Oloplotosus
    • Oloplotosus luteus
    • Oloplotosus mariae
    • Oloplotosus torobo
  • Paraplotosus
    • Paraplotosus albilabris
    • Paraplotosus butleri
    • Paraplotosus muelleri
  • Porochilus
    • Porochilus argenteus
    • Porochilus meraukensis
    • Porochilus obbesi
    • Porochilus rendahli
  • Tandanus
    • Tandanus bostocki
    • Tandanus tandanus

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.179-180
  2. ^ a b c d 『The Diversity of Fishes Second Edition』 p.273
  3. ^ a b c d Plotosidae”. FishBase. 2011年10月2日閲覧。
  4. ^ a b c d 『日本の海水魚』 p.95
  5. ^ a b c d シノニム・学名の変更”. 日本魚類学会. 2011年10月2日閲覧。

参考文献[編集]

  • Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fourth Edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006年 ISBN 0-471-25031-7
  • Gene S. Helfman, Bruce B. Collette, Douglas E. Facey, Brian W. Bowen 『The Diversity of Fishes Second Edition』 Wiley-Blackwell 2009年 ISBN 978-1-4051-2494-2
  • 岡村収・尼岡邦夫監修 『日本の海水魚』 山と溪谷社 1997年 ISBN 4-635-09027-2

外部リンク[編集]