ゴシック・アンド・ロリータ
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ゴシック・アンド・ロリータ (Gothic & Lolita) は、本来異なるゴシックとロリータの要素を強引に結びつけた日本独自のファッションスタイル[1][2]。またそのようなサブカルチャーを指して言う語[3]。通称はゴスロリであるが[4]これを用いだしたのは、2000年にゴシック・アンド・ロリータに特化したムック誌として創刊されゴシック&ロリータが一般に広がる契機となった『ゴシック&ロリータバイブル』の読者たちであるという[5]。他にゴス&ロリ[6]、ゴシックロリータとも呼ばれるが[7][4]、ゴシックロリータはゴシックやロリータ関連の服装を差す語としても用いられる[8]。また、ゴシック・アンド・ロリータには色々なこだわりや切り口があるため、一言で説明するのは難しい[9]。
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[編集] 概要
ゴシック・アンド・ロリータは、ロココスタイルのような[10][11]中世の貴婦人を思わせる幻想的な装いを特徴としており[2]、ストリート・ファッションでありながらも西欧貴族の伝統や文化を継承しようとする姿勢を持っている点が独特であるが[12]、一般には不気味なイメージで認識されており[2]、職場や学校へ着ていくことはできないと考えられている[13][14]。
また、一般的にはロリータ・ファッションの総称ととらえられているが[10][15][16]、本来はロリータ・ファッションというカテゴリーの中のジャンルの一つである[15][16]。また、ロリータをターゲットとしたブランドが大小問わず増えているのに対して、ゴシック・アンド・ロリータをメインターゲットとしたブランドはほとんどなく[17]、ゴシックとロリータが重なり合う部分にいるゴシック・アンド・ロリータの人口も減っているとも言われている[8]。
[編集] 年齢層
ゴシック・アンド・ロリータは20代、30代になると着られないと考える者が多いため愛好者は20代までの若い層が主であるが[13]、中には20代以上の社会人として働いていて、自身の所得で洋服を買える愛好者もおり、そういった愛好者は、しばしば所得のかなりの割合を洋服につぎ込み、膨大な洋服を所有するコレクターとなるという[16]。この「いつやめるか」という問題は愛好者の間では常に熱い話題となっているという[18]。またゴシック・アンド・ロリータと同年代の女性をターゲットとするギャルブランドやカジュアルブランドが売上げ増のために市場の変動に合わせた新しいトレンドを追い求めているのに比べ、ゴシック・アンド・ロリータ・ブランドは一箇所に留まり一つのテーマを表現している[3]。なお、年齢について大槻ケンヂは、「ゴシック・アンド・ロリータ」に含まれる「ロリータ」という言葉の持つ少女性が、もう少女でない者が着る時にコンプレックスを感じさせ、着る者に精神性を主張せざるを得なくなったと指摘している[19]。しかしゴシック・アンド・ロリータは、肌の露出が少なく体型を隠せることや、大きなリボンなどが目を引くことから着る人を選ばない、という指摘もある[20]。
[編集] 精神性
ゴシック・アンド・ロリータは精神性を大事にするといわれている[19]。その精神については様々な意見があり例えば、嶽本野ばらは、mana、三原ミツカズとの対談の中で、自身はゴシック・アンド・ロリータではなくロリータであると断った上で「ゴス・ロリっていうのは精神論なので、そのお洋服を着たら、そのお洋服に、にあう女の子になるっていうのかな。そのお洋服に合わせられる自分であってほしいです。言葉使いひとつにしてもそうだし、たちいふるまいにしてもそうですよね。生活全てがゴス・ロリじゃないと。服だけゴス・ロリしていても、何か違うなってきがしますよね。」と述べており、三原もこれに同意した[21]。また大槻ケンヂは「心に着る」、「気合で着る」ヤンキーの特攻服にも似た精神性と表現しており、そのように精神性を重要視するようになった背景には、「気合いを入れないと街を歩いてて後ろ指差されるファッションだから」と指摘している[19]。
なおゴシック・アンド・ロリータは、少女の夢やそこに潜む心の闇、自己表現するファッションともいわれているが[3]、ロココ調の装いに暗い死の影が浸透しており、それゆえに可憐さが際立っているようなスタイルであるという意見もある[11]。しかし、奥底に流れる社会に対する冷ややかな眼差しを感じ取らせてしまうため一般の人々に嫌悪されやすいという指摘もあり、ゴシック・アンド・ロリータのように感情を全身にまとい町を歩く者を受け入れることができないのだろうとも言われている[4]。
また、ゴシック・アンド・ロリータを着る者だけでなく、服自体の精神性の指摘もあり、生死を意識する精神が必ず含まれているともいわれている[8]。それは「闇を想わせる漆黒」、「血液を想わせる深紅」、「精神の色とされるどこまでも深い青」、「天界を想わせる純白」などである[8]。
[編集] 種類
アトリエサードの出版するクロスカルチャーマガジン『トーキングヘッズ叢書』No.33では「ゴシック・ロリータの種類」として嗜好するもので分けられた、以下の類型が挙げられている[22]。
- V系/バンドの追っかけギャル、バンギャ。
- 澁澤乙女系/澁澤、三島、谷崎、寺山、乱歩、荒俣。球体関節人形が好き。クラシック音楽好き、古典美術好き、お針子見習い等。
- A系/アニメや漫画、声優に詳しい、元レイヤーだったり。スーパードルフィーなども数体持っていたりする。
- イベント・クラブ系/ゴシックイベントやクラブに出没する人達。
- 90年代的ロリータ/昔の「CUTIE」「Zipper」に影響された年季の入ったロリータ。
- 無所属/「下妻物語」を観てからなど、まだ正体不明。
また、これらの類型にあてはまる者が主に好むブランドとして次のようなものが挙げられている[22]。
- Moi-même-moitié、VISIBLE、MARBLE、h.NAOTO、BLACK PEACE NOW、Angelic Pretty、BABY, THE STARS SHINE BRIGHT、metamorphose temps de fille、beauty:beast
- Victorian Maiden、Juliette et Justine、EXCENTRIQUE、Michal Negrin、Mary Magdalene、Jane Maple、Emily Temple cute
- metamorphose temps de fille、Innocent World、MA・MAM・ネコミミ、A+LIDEL、ALICE and the PIRATES、BABY, THE STARS SHINE BRIGHT、Angelic Pretty
- 危機裸裸商店、TAKUYA Angel、Fotus、Baby Doll、EXCENTRIQUE、Michal Negrin、alice auaa
- MILK、Jane Maple、Emily Temple cute、Fairy wish
- BABY, THE STARS SHINE BRIGHT、Angelic Pretty、MILK、Emily Temple cute
しかし、これらも個人の嗜好の問題であるため、時間と共に変化したり重複したりして複雑になっていることが多い[22]。また、ヴィジュアル系バンドやアニメ主題歌の変化などによって、境界線は曖昧になってきている[22]。
[編集] ファッションのルーツ
ファッションとしてのゴシック・アンド・ロリータのルーツには、ナゴムギャルとトランスギャルの融合とするもの[4]や、海外のゴシック・ファッションの要素を取り込んだ日本のロリータ・ファッションから派生した[23][3][10]とするものなど諸説あり、主に次のようなものがあげられる。
[編集] ナゴムギャルとトランスギャルによるゴシックとロリータの融合
- 1980年代頃、トランスギャルとナゴムギャルという二種類のおっかけが存在した。トランスギャルは、トランスレーベルのYBO2、アサイラムなどのおっかけをし、全身を真っ黒の出で立ちに青白いメイクと髑髏のアクセサリーを身につけ[4]、MILK、OZONE COMMUNITY、Y's、COMME des GARCONSなどのブランドを好んだ[24]。またナゴムギャルは、ナゴムレコードのたま、人生、筋肉少女帯、ばちかぶり、死ね死ね団などのバンドのおっかけをし、ボーダーのニーソックスにリボン、派手なTシャツにラバーソウルを着た実年齢よりも幼い印象で[4]、Jane Maple、MILK、PINK HOUSEなどのブランドを好んだ[25]。その後イカ天でバンドブームが到来し、歩行者天国でストリートライブが行われるようになってくると、様々なバンドを見るファンによって、ナゴム系とトランス系の双方の要素が混ざっていき生まれた[4]。
これに関連する意見としては、トランスギャルは現在のゴシック・アンド・ロリータとほとんど変わらないとするものや[26]、ナゴムギャルとトランスギャルをロリータとゴシックのルーツであるとしつつも、ゴシック・アンド・ロリータの原型を作ったのはMALICE MIZERの世界観に影響を受けたファンたちであるとするものがある[27]。MALICE MIZERとの関連については#MALICE MIZERのmanaによるゴシックとロリータの融合、#ゴスとヴィジュアル系の関係とゴシック・アンド・ロリータでも述べる。
また、ナゴムレコードに所属していた筋肉少女帯の大槻ケンヂは、「「ゴシック&ロリータ」という言葉は、モアティエのMana様が作ったと言われているんです。しかしその存在というか、いわゆるゴシックでロリータな格好の女の子は、僕の記憶では既に80年代にいましたね。」と述べている[19]。また大槻は「目黒の鹿鳴館ってライブハウスでヘヴィメタがよくライブしてて、ヘヴィメタルってヨーロピアンな流れもあるから、そこで女の子たちがヨーロピアンな服装をするんだけども、まあちょっと感性が違ったりして、今にして思えばゴシック&ロリータな服に偶然なってる場合が多々ありましたかねえ。」と述べている[19]。しかし、当時はゴシック・アンド・ロリータという言葉はなかったため、大槻らはそれらを「鹿鳴館ギャル」と呼んでいた[19]。
[編集] VISIBLEとATELIER-PIERROTによるゴシックとロリータの融合
- 1990年代、関東はゴシックテイスト中心、関西はロリータテイスト中心であった。そのころ、大阪のブランドVISIBLEが東京のセレクトショップATELIER-PIERROTのオーナー、大橋敬子の「真っ黒で作って欲しい」という要望から黒のアイテムを作ったことから生まれた[28][25]。
VISIBLEは当初、デザイナーのレイチェルと大阪モード学園で同期だったMARBLEの泉さおりが家賃を折半し店舗を借り、MARBLE/VISIBLEとして開店した[29]。このMARBLE/VISIBLEはゴシック・アンド・ロリータのさきがけであるともいわれているが[30]、泉のMARBLEとレイチェルのVISIBLEは初めから別々のブランドで2002年には独立店舗を持つに至っている[29]。
[編集] MALICE MIZERのmanaによるゴシックとロリータの融合
- MALICE MIZERはそれまでのヴィジュアル系と比べて、群を抜いて濃いメイクと衣装、過剰な演出をしていたが、MALICE MIZERの中で女性的な位置づけであったmanaのスタイルをエレガント・ゴシック・ロリータと称したものがルーツ[31][25][2]で、manaがゴシック・アンド・ロリータを最初に定義した[24][32]。
この「MALICE MIZERのmanaによるゴシックとロリータの融合」は有力な説の一つであるが[1]、一般の少女たちが行っていたロリータ・ファッションのアレンジをまとめたのがmanaの「Moi-même-moitié」であるとも言われている[1]。前述の大槻[19]の他に『KERAマニアックス』編集長の鈴木真理子も、ゴシック・アンド・ロリータが売れるようになったのはMALICE MIZERがメジャーデビューし、ゴシック・アンド・ロリータを着るmanaの姿が全国的に映し出されたためであると述べている[30]他、「manaがゴシック・アンド・ロリータと名づけた」という説はmana自身も否定しているという[30]。しかしmanaが自分のファッション・スタイルについて「エレガントで、ゴシックで、ロリータな」スタイルと表現していたため、ファンの間で「ゴシック・アンド・ロリータ」という言葉が生まれたとも言われており[5]、MALICE MIZERの世界観に影響を受けたファンによってゴシック・アンド・ロリータの原型が誕生したという説もある[27]。
[編集] 類似するファッション傾向との比較・関係
前述のトランスギャル、ナゴムギャルのほかにも、ゴシック・アンド・ロリータには志向・外見が類似したいくつかのファッション傾向が存在する。
[編集] ゴシック・ファッション、ロリータ・ファッション
前述のようにゴシック・アンド・ロリータは、ゴシック・ファッションとロリータ・ファッションの融合である[3][10][23]ためそれぞれの要素を含んでいるが、美術評論家の樋口ヒロユキは、著書『死想の血統 ゴシック・ロリータの系譜学』の中でゴスイベントに来る、ゴシック・アンド・ロリータ・ファッション、ゴシック・ファッション、ロリータ・ファッションの愛好家を比較して次のように大別している[33]。
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- ゴシック・アンド・ロリータ・ファッション:フリルやレースたっぷりのロリータ服とラバー小物、顔はまれに白塗り
- ゴシック・ファッション:SM系のラバーやパンク服、顔は白塗り
- ロリータ・ファッション:フリルやレースたっぷりのロリータ服、顔はナチュラル・メイク
その上で樋口は、ゴシック・アンド・ロリータは、ゴシックとロリータの間にあるもので、ゴシック寄りのものは死の匂いが強く、ロリータ寄りのものは少女趣味が強くなるとした[33]。
[編集] ゴシック
「ゴシック」(Gothic)とは、「ゴート族風の」という意味で、「野蛮・残酷」を意味する語であった[34][35]。ゴシックは、建築の世界でも尖塔アーチを利用した石造りの高い柱を持つ複雑華麗な建築、ゴシック建築として存在するが、それはルネサンス期の人々が野蛮と捉えたからとされている[34]。また建築に限らず、美術の世界にもゴシック美術というものがあるため、ゴシックを「中世風の意匠」とも考えられている[34]。さらにゴシックは、文学の世界でもゴシック・ロマンスとして存在し、特に初期の作品はゴシック建築の影響が強く見られる[34]。
また、ゴシック・ロマンスの中でもマシュー・グレゴリー・ルイスの『マンク』(1796年)、メアリ・ウルストンクラフト・シェリーの『フランケンシュタイン』(1818年)、ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』(1897年)などが「ゴシック世界」規定していった[34]。特に後二者は何度も映画化され、そうした映像作品における吸血鬼やモンスターのイメージはゴシック・ファッションの原型となった[34]。
なお、ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』をベースとして初めて映像化された作品は『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922年)である[36]。
[編集] ゴシック的な要素
ゴシック・アンド・ロリータは、ゴシックとロリータの要素を結びつけたものであるが、ゴシックな要素として次のようなものが挙げられている。
- 「色ならば黒。時間なら夜か夕暮れ。場所は文字通りゴシック建築の中か、それに準ずるような荒涼感と薄暗さをもつ廃墟や古い建築物のあるところ。現代より過去。ヨーロッパの中世。古めかしい装い。温かみより冷たさ。怪物・異形・異端・悪・苦痛・死の表現。損なわれたものや損なわれた身体。身体の改変・変容。物語として描かれる場合には暴力と惨劇。怪奇と恐怖。猟奇的なもの。頽廃的なもの。あるいは一転して無垢なものへの憧憬。その表現としての人形。少女趣味。様式美の尊重。両性具有、天使、悪魔など、西洋由来の神秘的イメージ。驚異。崇高さへの傾倒。終末観。装飾的・儀式的・呪術的なしぐさや振る舞い。夢と幻想への耽溺。別世界への夢想。アンチ・キリスト。アンチ・ヒューマン。」(高橋英理『ゴシックハート』より引用[37])
こうした要素を内包していなければゴシック・アンド・ロリータとは呼ばない[16]。
[編集] ゴスとヴィジュアル系の関係とゴシック・アンド・ロリータ
また、ゴシック的な感覚を基に生まれたゴス(Goth)は、イギリスのバウハウス、ジョイ・ディヴィジョン、スージー・アンド・ザ・バンシーズ、シスターズ・オブ・マーシー、アメリカのマリリン・マンソン、日本ではX JAPANやMALICE MIZERが伝道したスタイルである[31]。X JAPAN、MALICE MIZER共にヴィジュアル系バンドであるが、ゴシック・アンド・ロリータの源流はそうしたヴィジュアル系バンドファンのコスチュームプレイにあり[25]、ゴスの流れを汲むヴィジュアル系バンドのファン層を中心に広がっていった[38]。
ヴィジュアル系に関してはMALICE MIZERのリーダーmanaのコスプレをするファンたちが増えたことにより、急激にゴシック&ロリータ・ファッションが広まった[5]といわれており、manaのエレガント・ゴシック・ロリータというスタイルがルーツともいわれている[31][25][2]。またMALICE MIZERの影響の他に、X JAPANが着て広まったとする説もある[20]。
また、ゴシック・アンド・ロリータの愛好者はヴィジュアル系バンドのファン層に多く[10] 、ヴィジュアル系バンドのファンの中には、メンバーと同じ衣装を購入あるいは手作りする者[25]やMALICE MIZERのManaによるMoi-même-moitiéのようなブランドを好む者もいる[22]。しかし、ヴィジュアル系と関連する愛好者もゴシック・アンド・ロリータのいくつかの類型のうちの一つである[22]。
[編集] ゴシックの解釈
ゴシック・アンド・ロリータはゴシック・ファッションとロリータ・ファッションの融合である[3][10][23]が、ゴシック関係者の中にはゴシック・アンド・ロリータをアキバ系と捉え、ゴシックの解釈の違いを主張する者もいる[39]。例えば、ゴシック・アンド・ロリータの解釈するゴシックが「黒い服を着た王子様」であるのに対して、ポジティブパンクのような「白塗りモヒカン」もゴシックであり、両者には隔たりがあるというものである[39]。他にも、ゴシック・アンド・ロリータはロリータ・ファッションとは色が違うだけという意見もある[39]。また逆に、ゴシック・ファッションブランドbeauty:beastのデザイナーである山下隆生はゴシック・アンド・ロリータについて、バッスルスタイルやビクトリア時代風のシルエット、コルセットやパニエを使っている点は忠実であると述べている[40]。
その一方でゴシックは見た目より中身であり、ロリータであっても中身が暗ければゴシックであるという意見もあるため[41]、ゴシック関係者の間でも認識は一定ではない。また、紫泉は日本と日本国外のゴシックイベントを比較して、日本の参加者は女性が多く、服装はゴスロリであるのに対し、海外は男性の参加者が多く、服装はフェティッシュとサイバーの要素が多いと述べている[42]。
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ラバー系のゴシック・ファッション |
白塗りモヒカンのゴシック・ファッション |
[編集] ロリータ
ゴシック・アンド・ロリータのロリータは、ロシア人作家ウラジミール・ナボコフの小説『ロリータ』に由来する[43][44][45]。この「ロリータ」とは作中に登場するドロレス・ヘイズという少女の愛称であるが、この少女は少女期特有の妖しい魅力(ニンフェット)の持ち主で、語り手のハンバート・ハンバート博士を魅了し破滅させる[16]。そのような魅力を持った少女の名を冠した、ロリータ・ファッションであるが、強調されるのは「少女的である」という要素だけという指摘もある[16]。
なお、ナボコフのロリータが持つ少女のイメージはナボコフが20代の頃にロシア語翻訳を行った『不思議の国のアリス』に深い影響を受けているともいわれているが[45]、『不思議の国のアリス』の主人公アリスはゴシック・アンド・ロリータのアイコンとしては基本である[46]。
[編集] ロリータな要素
嶽本野ばらはロリータの共通して偏愛する要素について「アリス、王冠、天使、テディベア、キティちゃん……。澁澤龍彦、森茉莉、恋月姫、楠本まき……。バッハ、パンク、アンティークオルゴール……。」を挙げている[47]。また嶽本は、ロリータは各自が自分流のロリータの定義を持っており、自らの美意識のみを拠り所とし、自分のルールにしか従わないのがロリータとして生きていくための条件であると主張しており[47]、その定義について、フリルが満載の洋服を着ている、ヘッドドレスをつけているなどの表層的な部分を定番どおりになぞらえても真のロリータにはなりえず、ロリータの解釈と実践は各人によって異なり、ロリータな精神さえ持っていればロリータであると述べている[48]。このほかにも嶽本は「ロリータの本質はロリータ・ファッションを着用することにある訳ではありません。ロリータ・ファッションに憧れること。ゴージャスなフリルを見た時、失神しそうになるデコラティヴへの生理的恍惚感。十八世紀的趣味。たとえロリータ・ファッションをしていなくとも、この宿命ともいえる美的感性を内在することが、真性ロリータの証なのです。」とも述べている[49]。また、三原ミツカズはロリータを「永遠の少女」と表現し、童話的かつ残酷と述べている[50]。
[編集] ロリータの解釈
ロリータという語が日本において使われる場合、ナボコフの作り上げたロリータとはほぼ逆の意味でとらえられる[47]。日本においてロリータは「コケットリーな少女」ではなく「実際はもう大人なのに、童顔故にセーラー服や体操服を着て幼く見せている女性」、「本当にまだエロスの欠片も身体に宿していない少女」を差す[47]。嶽本野ばらは、そのような日本的解釈のロリータをロリータの基本とすると述べている[47]。
[編集] パンク・ファッション
なお、アメリカの歌手シンディ・ローパーは、原宿で見たゴシック・アンド・ロリータをパンクと表現しているが[51]、パンク・ファッションはヴィヴィアン・ウエストウッドが提唱したファッションで、ゴシック・アンド・ロリータは音楽ムーブメントと深く関連し、奇抜なファッション傾向があり、大人への反抗心などを持つなど、それと重なる部分がある[3][12]ほか、ヴィヴィアン・ウエストウッドの行ったような伝統回帰やロマンティシズムへの憧憬も志向している[12]。そのため、ヴィヴィアン・ウエストウッドのフェイクととらえる者もいる[12]が、一方ではパンクはゴシック・アンド・ロリータの大きな要素の一つととらえる者もいる[52]。また、ゴシック・アンド・ロリータの愛好者にもヴィヴィアン・ウエストウッドは人気で[53]、バッグ、アクセサリー、ジャケットなどのアイテムをあわせることがあり[54]、中でも足首に紐を巻きつけるバレリーナ・シューズ(ロッキンホース・バレリーナ)は最もポピュラーで[55]、10年以上にわたって不動の人気である[56]。また、ヴィヴィアン・ウエストウッドはある時、ファッション誌のインタビューで、現代人の合理的な精神を野蛮だとし、「19世紀以前、ロココやロマン主義の頃のバカバカしくも貴族的な嗜好こそが最高のエレガントだ」と断言したという[57]。
[編集] ピンクハウス
ピンクハウスは1971年に金子功をデザイナーとしてニコルから誕生し[58]、1983年のオリーブ少女ブーム[25][58]で大ブレイクしたブランドであるが、そのデザインは極端にロマンチックなものであった[25]。このロマンチックなデザインや独特の印象から、ロリータ・ファッションと同列視する者がいるが、両者には決定的な違いがある[25]。金子のデザインした服は、肩から下までストンと落ちるような直線的なラインで足をほとんど見せないものが多いのに対し、ロリータ・ファッションは、スカートを膨らませ腰をしっかり絞って強調しており、一部にロングスカートのものもあるものの足は見えるのが一般的である[25]。また、ピンクハウスのシルエットはヴィクトリア朝時代(1837年から1901年)の乞食娘に近いのに対し、ゴシック・アンド・ロリータはお嬢様に近いという指摘もある[59]。なお、ビクトリア朝時代は『不思議の国のアリス』(1865年)が出版された時代で、ゴシック・アンド・ロリータにもこのころのテイストが取り入れられている[60]。しかし、1990年代頃からこうした洋服を買い始めた層は、金子に代表されるロマンチック・ファッションとロリータ・ファッションの両方を見ており、中には両者を平行して集めるものもいる[25]。
[編集] モード
05~06年秋冬デザイナーコレクションにはビクトリアンやゴシック、ロシア、東欧といった暗く抑制的なモチーフが多く、黒や紺、グレーなどダークカラーが主流となり[61][61][62]、「ニュービクトリアン」、「ロマンチックミリタリー」とともに「ゴシックロリータ」も取り上げられた[62]。また2005年は、シャネルの銀座店がオープンした年であるが、シャネルが銀座店のオープンを記念して東京で発表したスペシャルコレクションでもゴスロリを髣髴とさせる演出がみられた[63]。さらにモード系ファッション誌『装苑』の2月号でも「ゴシックロリータはモードになるか?」というファッションページが組まれた[63]。また2006年春夏東京コレクションでもエンパイアスタイル、クラシカルテイスト、レース使い、フリル使い、コルセット、パフスリーブなどゴシック・アンド・ロリータの片鱗をうかがわせるスタイルやディティールが登場した[64]。特にG.V.G.V.は、キリスト教会を会場として荘厳なショーを展開し、どこか修道女の雰囲気をかもし出していた[64]。さらに08~09年秋冬パリ・ミラノコレクションにも、ビクトリアンやゴシック、英国やスコットランドの紋章や宮廷のドレスなどを生かしたラインや、フリルやラッフルを生かしたゴシックディティールとフェティッシュでロリータ趣味のようなラインが交錯したものも見られた[65]。
なお嶽本野ばらは著書『パッチワーク』の中で「今、モードはロマンチシズムの復権に向かっています。CHANELもVALENTINOもYves Saint Laurentも過剰なるフェミニズムを提案し始めました。ヴィクトリアン・スタイル、ボヘミアン・スタイルともっともらしい名称が与えられますが、単純明快にいえば、それはロリータ・スタイルなのです。」と述べている[66]。このほかにも嶽本はComme des Garçonsもロリータの範疇であると考えているという[48]。しかし嶽本は「ゴス&ロリは基本的に宿命でありモードではない」と述べており、近年ゴシック・アンド・ロリータがブームとなっていることに違和感を持っているという[6]。
[編集] 欧米における現状
ゴシック・アンド・ロリータは欧米でもgosulori(またはgoth-loli)[67]として知られている。ゴスの本場欧米では、本来なら崇高美学とホラーに結びつくゴシック愛好者がミニスカートを履くことを奇妙に感じる[1]などの批判があるもののゴシック・アンド・ロリータを好むものも存在し、アメリカでは既に研究対象としても扱われている[12]。また、アメリカのゴシックメタルバンドエヴァネッセンスのボーカルでゴシック・アンド・ロリータ愛好家でもあるエイミー・リーは、グラミー賞の授賞式でh.NAOTOが提供した衣装を着用した[68][69]。ほかにも同じくアメリカのメタル歌手でゴシック界のカリスマ[14]であるマリリン・マンソンも来日した際にh.NAOTOのショップで1ラック分の服を購入している[69]。またシンディ・ローパーは原宿で見たゴシック・アンド・ロリータの少女たちをパンク・ドールズ、ゴシック・アンド・ロリータをパンク・ドール・スタイルと呼び、自身もゴスロリショップでジャケットやボンネットを購入した[51]。なお、人形(ドール)という表現はロリータやゴシック・アンド・ロリータにとって最上級の完成度を指し示すものである[39]。
フランスでもJapan Expoでラフォーレ原宿がファッションショーを行う[70][71][72][73]など、ゴシック・アンド・ロリータが輸入されている。また逆に、ゴスロリを目当てに来日する欧米人もおり、アメリカでも、日本へのツアーを企画する旅行会社「ポップジャパントラベル」が2008年4月に、原宿にある竹下通りのゴスロリ店をめぐるツアーを企画したところ、アメリカ、ドイツ、イギリスなどから応募があり、定員もすぐにいっぱいになった[20]。また2008年9月9日付けの『産経新聞 首都圏版』では原宿などに店舗を持つプトマヨの売上げの約2割が外国人と書かれた記事も掲載されている[20]。
このように、欧米人がゴシック・アンド・ロリータが注目するのは、欧米人が行えば単なる懐古趣味の域に留まってしまうものを、東洋人による別のスタイルにしてしまったからだと指摘するものもいる[67]。
[編集] 日本での現状
日本では百貨店との同質化を避けたファッションビルがゴシック・アンド・ロリータの希少性の高さ、客単価の高さ、固定ファンの存在、ファッション傾向の追い風を受けて導入し始めた[74]。
『ファッション販売』2002年11月号にはゴスロリ系ブランドを集積した主な商業施設としてラフォーレ原宿が上げられており「ゴスロリ発信歴は10年以上」という記載がある[74]。しかし先陣を切ってゴスロリゾーンの形成を行ったのはマルイワン新宿で、metamorphose temps de fille、Moi-même-moitié、BLACK PEACE NOW、エミリー・テンプル・キュート、h.naoto、ミホマツダ、Jane Maple、 ケラショップ・エンジェル、ケラショップ・ストリート、ジャン=ポール・ゴルチエ、ヴィヴィアン・ウエストウッドなどを導入し、ゴスロリゾーンの構築を行った[76]。マルイワン新宿ではこれが館全体の売上げを牽引し、2001年度の売上げは前年度比で20%増となった[76]。BLACK PEACE NOWの社長伊貝清は丸井のようにオンリーワンを目指して、ゴスロリのブランド集積、ゾーン集積を継続した店が支えとなったと述べている[52]。
また2002年8月21日、京都河原町の阪急百貨店がそれまでのh.NAOTOに加えて、BLACK PEACE NOW、Jane Mapleを同じフロアに導入し、百貨店からもゴスロリがファッションとして認知されるようになった[77]。
[編集] 市場の不安定さ
前述のようにファッションビルはゴシック・アンド・ロリータの客単価の高さに注目している[74]。しかしその一方で松浦桃は、ゴシック・アンド・ロリータの市場規模が拡大しないことについてそれは「着られる時間」、「その分購入されるアイテム=実際に動く購買力、それによって増減する販売数」、「ゴシック・アンド・ロリータというジャンルに所属する人口」の三点で不安定とみられていると指摘した[13]。これはゴシック・アンド・ロリータが職場や学校へ着て行くことができないため実際に着用する回数が少なく、購入するアイテム数が限定されるという問題と、20代、30代になると着られないと考える者が多いため、購買層が20代までの若い層に集まり、客単価が上がらないという問題を示している[13]。
[編集] 教育現場
ゴシック・アンド・ロリータは職場や学校へ着ていくことはできないと考えられている[13][14]。しかし、日本のデザイン学校の中には、ゴシック・アンド・ロリータを採りあげている所もあり、バンタンデザイン研究所ではゴシック・アンド・ロリータを教えるファッション学部コスチュームデザイン学科[78]が開設され、その理由を社長の菊池健蔵は「欧米は、子供と大人の中間のファッションが見当たらないが、日本の『キュート』『かわいい』はそれに当たる独自のセンス。日本の"ポップカルチャー"として海外で支持され、その尖端ファッションを学びたいという学生が増えている」と説明した[20][79]。
[編集] ゴシック&ロリータ協会
1998年、マルイワンの改装に伴いKERA! SHOPがスタートすると『KERA』の出版元バウハウスの編集広告担当者を発起人とし、BABY, THE STARS SHINE BRIGHTの磯部明徳が会長の「ゴシック&ロリータ協会」が発足された。ゴシック&ロリータ協会はバウハウスの編集広報担当、関西と関東のブランド数社が集まり、ゴシック・アンド・ロリータというカテゴリーと現在のムーブメントの原型を作った[80]。
[編集] 会員
2001年8月12日に、ゴシック&ロリータ協会が主催した「GOTHIC LOLITA SECRET TOUR」の広告や、その他の『ゴシック&ロリータバイブル』の広告によると加盟していたのは次の企業と個人である[81][82]。
- Angelic Pretty
- ATELIER BOZ
- ATELIER-PIERROT
- BABY, THE STARS SHINE BRIGHT
- BLACK PEACE NOW
- Classic Lolita
- GOLD SEAL
- Innocent World
- Lapin d'or
- Like an Edison
- MAM
- marionette
- MASK
- Metamorphose
- Michiru Produce
- MIHO MATSUDA
- Na+H
- OIONE SHIBUYA
- OIONE SHINJUKU
- PS COMPANY
- PUTUMAYO
- S・E・X
- SUPPURATE SYSTEM
- Victrian maiden
- zazou planet
- 三原ミツカズ
なお、ゴシック&ロリータ協会は『KERA』の出版元がインデックスコミュニケーションズに変わった際、解散している[80]。
[編集] 河内長野市家族殺傷事件
ゴスロリという語が一般に市民権を得たのは、2003年に起きた河内長野市家族殺傷事件の報道の影響が大きく[83][84]、ヴィジュアル系バンドの間で生まれたゴシック・アンド・ロリータを一躍有名にした[85]。
[編集] 事件概要
2003年11月1日夜、大阪府河内長野市内の会社員から119番通報があった[33]。救急隊が駆けつけると、会社員の妻は危篤で搬送先の病院で死亡、会社員と中学3年の次男も重症を負っていた[33]。犯行に関ったと見られる大学1年の長男は、会社員の車で逃走していた[33]。
11月2日午前2時半ごろ、少年は恋人の高校一年の少女に一緒に逃げようとして連絡を取り、少女と合流した[33]。その後、現金の持ち合わせがなかったため、自宅へ引き返したところを発見され、3時過ぎに少年は殺人および殺人未遂容疑で逮捕され、少女も「家族を殺そうと思い包丁を買った」と供述したため、殺人予備容疑で逮捕された[33]。
[編集] 事件後の経過
翌日、少女がホームページを開設していたことや自殺願望、少年との交際、ゴスロリ趣味、リストカット写真の存在がマスコミによって報道されだすと、大勢はゴスロリ叩きに傾いていき「ゴスロリ=悪」という構図が出来上がろうとしていた[33]。しかしこうしたゴスロリ批判は、ゴス系バンドやゴス系作家のコメント拒否もあり、数週間のうちに急速にしぼんでいき、今やゴスロリから一般に連想されるのは『下妻物語』と深田恭子である[33]。2000年に小説家デビューした嶽本野ばらは、ゴスロリをカルチャーとして認知させた人物であるが、2004年に嶽本原作の『下妻物語』が映画化されたことで「ビジュアル系ファン=ゴスロリ」という概念も薄れ、ファッションとして市民権を得た[27]。
[編集] オタク文化との関係
ゴシック・アンド・ロリータとオタク文化には似た部分があり、樋口ヒロユキは「両者ともにジェンダー・バランスが極端に偏っている。オタクは美少女に「萌える」男性に偏っているが、ゴシック・ロリータは美少年のゴス・バンドを偏愛する少女達に偏っている。オタクは巨大な乳房を好み、ゴシック・ロリータは中性的な美少年を好む。オタクは美少女フィギュアを好み、ゴシック・ロリータはナルシスティックな球体関節人形を愛する・・・・・・」と指摘した上で、オタクは性的妄想を隠そうとしない「エロスの文化」で、ゴシック・アンド・ロリータは性の変わりに死を用いる「タナトスの文化」であるとした[1]。さらに、両者共にジェンダー・パニックを抱えた存在で、ゴシック・アンド・ロリータの一部にも「やおい」のようなオタク文化を愛好するものがいると指摘した[1]。
この他にもゴシック・アンド・ロリータとオタク文化の関りにメイドの存在があげられる。1997年以降、日本のアニメーションやゲーム世界のキャラクターに必須となったメイドであるが、メイド的な服装のキャラクターは『不思議の国のアリス』におけるジョン・テニエルの挿絵にも見られ、真新しいものではない。そのメイド服が隷属者としてのメイドの枠から離れて日本で流行したのはMALICE MIZERのmanaの影響下であったといわれている[86]。manaがアルバム『merveilles』の頃に用いていたステージ衣装はメイド服を髣髴とさせるデザインであったが、このメイドというコンセプトは、ゴシック・アンド・ロリータ愛好家に受け入れられ、多くのゴシック・アンド・ロリータブランドでメイド服の生産が行われた[1]。さらに、オタク文化でもこのメイドというコンセプトに注目する企業が現れ、コスパが全国初のメイドカフェ「キュア・メイド・カフェ」を開店する。メイドの例はゴシック・アンド・ロリータ文化から生まれたものをオタク文化で消費したものであるといえる[1]。またメイドとは逆にオタク文化で生まれたものをゴシック・アンド・ロリータ文化で消費するボークスのスーパードルフィーのような例もある[1]。スーパードルフィーは男性向けのガレージキットを制作してきたボークスが女性向けに制作した球体関節人形であるが[87]、ゴシック・アンド・ロリータはスーパードルフィーの衣装としても人気が高く、所有者の中にはスーパードルフィーとお揃いの着こなしをする者もいる[87]。
しかし、やおいやスーパードルフィーを愛好する者はあくまで一部でしかなく、ゴシック・アンド・ロリータとオタク文化は相反する存在である[1]。例えば、メイドカフェに見られるようなアキバ系のコスプレファッションの本質はゴシック・アンド・ロリータとは全く違う[52]。メイドカフェのメイドが一部の人々の享楽のためにあるのに対し、ゴシック・アンド・ロリータは、それを着る少女達を精神的に癒すもの[52]で、異性に媚びず、社会に媚びず、ただ自分のためだけに着飾るもの[4]である。また、このメイドというコンセプトが、ゴシック・アンド・ロリータと同じ頃に発生したにもかかわらずストリート・ファッションとして定着せずオタク文化の中に留まっているのは、ロリータがどこにいても「お嬢様」であるという緩やかな枠で位置づけられているのに対して、メイドは「屋敷内の使用人」という限定された位置づけにあるためとも言われている[88]。
また日本では、オタク市場が認知度、市場規模で優位に立っており、ゴシック・アンド・ロリータが吸収されかねない状態にある。樋口ヒロユキは、このようなオタク文化とゴシック・アンド・ロリータ文化の規模の差について、男性の文化と女性の文化という違いによる、ジェンダー・バイアスによる影響を認めつつも、私見として、ゴシック・アンド・ロリータが社会への主張・説明の機会を逸してきた点を指摘した。その例として、オタクとの関連を指摘された東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の際にはオタク文化人が積極的に寄せたが、ゴシック・アンド・ロリータとの関連を指摘された前述の河内長野市家族殺傷事件の際にはゴシック・アンド・ロリータ文化人がコメントを拒否したことをあげている。また日本国外でもゴシック・カルチャーが盛んなアメリカ合衆国でゴシック・カルチャーとの関連を指摘されたコロンバイン高校銃乱射事件の際に、マリリン・マンソンが主張を行った例がある[1]。
[編集] 関連項目
[編集] 関連人物
[編集] アーティスト
[編集] 作家・漫画家
[編集] 関連作品
- 『Londonian Gothics 〜迷宮のロリィタ〜』
- 『コゼットの肖像』
- 『プリンセスプリンセス』
- 『ローゼンメイデン』
- 『下妻物語』
- 『不思議の国のアリス』
-
- 『アリス』
[編集] 出典
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[編集] 参考文献
[編集] 書籍・雑誌
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[編集] webサイト
- 『ロリータについての見解3-2』metamorphose temps de filleデザイナー加藤訓仁子のブログ
- 『ファッション論 vol.42』兵庫県立大学経営学部准教授小野原教子のエッセイ
- 『style-arena.jp』「ゴシック&ロリータ」財団法人日本ファッション協会の運営するサイト
- Japan Expo公式サイト
- ラフォーレ原宿公式サイト
- 『Rolling Stone』美馬亜貴子「シンディ・ローパーが特別な理由 来日記念特別インタヴュー」
- バンタンデザイン研究所公式サイト
[編集] 外部リンク
- 『ゴシック&ロリータバイブル』 - インデックス・コミュニケーションズ発行の専門誌(ムック)
- Victorian & Lolita Gothic in Europe and China: Viona Art


