コーラル・シー諸島のゲイ・アンド・レズビアン王国

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コーラル・シー諸島の
ゲイ・アンド・レズビアン王国
Flag
王国旗
国の分類 ミクロネーション
位置 コーラル・シー諸島
主張領土 コーラル・シー諸島海域
人民 LGBT
設立日 2004年6月14日
元首 皇帝デール・アンダーソン一世
政治体制 立憲君主制
公用語 英語
通貨 ピンクドル[1]
国歌 "I Am What I Am"(ありのままの私)

コーラル・シー諸島のゲイ・アンド・レズビアン王国 (コーラル・シーしょとうのゲイ・アンド・レズビアンおうこく、英語: Gay and Lesbian Kingdom of the Coral Sea Islands) はオーストラリアクイーンズランド州を拠点に活動するゲイの権利擁護団体が政治的抗議を目的に設立したミクロネーション。2004年にオーストラリア政府の示した同性結婚の承認拒否を機に、グレート・バリア・リーフの無人島に建国された[2]クイア・ナショナリズムの表現の一つである。

歴史[編集]

王国の主張する領土

2004年にオーストラリア政府の示した同性結婚の承認拒否に対してゲイの抗議グループが6月に建国を宣言した。グループは「ゲイフラワー号」と名付けられた船舶をチャーターしコーラル・シー諸島を目的地に船出をし、ケート島を拠点と定めた。抗議グループのリーダーであったデール・アンダーソンは皇帝就任を宣言し、デール・アンダーソン一世を名乗った。抗議グループ以外に住人はなく、王国はオーストラリア政府をはじめとする他の国家には認められていない[3][4]

独立宣言後に皇帝デールは高等裁判所と裁判長官を任命した[5]。また王国の国歌グロリア・ゲイナーの『ありのままの私』と定められた[1]

イスラエル帰還法と同様に、ゲイやレズビアンであれば、王国の市民権は直ちに付与され、永住権を得ることができる[1]

2010年5月、デール・アンダーソンはシドニーにて世界各地のミクロネーションの代表を集め、主権国家としての承認を得るために会議を開催した[2]

独立宣言[編集]

オーストラリアからの決定と同時にデールは独立宣言書を起草した。[6]。独立宣言書は下記の言葉で始まっている。

同性愛の人々は、地域社会において自身を周囲に溶け込むよう真摯に取り組んできた。しかし我々はそれを許されていない存在である。無駄にも我々は愛国者であり、時にその忠誠心が余りある時もあった。無駄にも我々は市民の一部として人生や財産を犠牲にしてきた。化学や芸術、経済活動により得た富を故郷の名声を高めるために尽くしてもきた。我々が長く暮らしてきた国家において、我々は批難される存在であり続けている…。この世界では今もこれからも…平和に生きることが許されていないと私は思うのであります。」[6]

宣言はアメリカ独立宣言に影響を受けており、王国の独立宣言もまた「我々はすべての人間は平等に創られ、生命、自由、幸福の追求といった特定の譲ることのできない権利が神により与えられているという事実を自明のこととして保持する。」の一文が記されている[6]

経済と観光[編集]

ケート島に遺棄されていた天候観測所を郵便局として転用し、コインや切手を販売することで王国の資金を捻出していた[4]。王国は独創性の注目を集める目的で、2006年7月に最初の切手を発行した。今はなき王国のウェブサイトでは観光や釣りの案内、切手の販売などが行われ、これらは王国唯一の経済的活動であった。一方、水泳、リーフウォーキング、ラグーンシュノーケリング、バードウォッチング、貝殻収集、および難破船探検といった活動は、すべて政府公認の非営利活動であった[1]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d Ryan, John; Dunford, George; Sellars, Simon (2006). Micronations. Lonely Planet. pp. 39–40. ISBN 1-74104-730-7. http://books.google.com/books?id=5ZRrwrlIPSYC&pg=PT23&lpg=PT23&dq=gay+and+lesbian+kingdom+of+the+coral+sea+islands&source=bl&ots=GptgkFx-JR&sig=lE8y1_jaXG6otkFnc1kieHpDpRc&hl=en&ei=HqvxS4LKCIOKlwf5rei0CA&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=9&ved=0CEwQ6AEwCA#v=onepage&q=gay%20and%20lesbian%20kingdom%20of%20the%20coral%20sea%20islands&f=false 2011年8月10日閲覧。. 
  2. ^ a b Nick Squires (2010年5月4日). “The world's micronations unite to demand recognition”. The Daily Telegraph. http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/australiaandthepacific/australia/7673696/Wacky-world-of-micronations-unite-to-demand-recognition.html 2011年8月10日閲覧。 
  3. ^ “Gay and Lesbian Kingdom of the Coral Sea Islands (Queensland, Australië)”. Columbus. (2010年6月22日). http://www.columbusmagazine.nl/special/2682/7_gay_and_lesbian_kingdom_of_the_coral_sea_islands_queensland_australie.html 2011年8月10日閲覧。 
  4. ^ a b Talek Harris (2010年7月22日). “Emperors, princes and Australia's league of mini-nations”. Sin Chew Daily. http://www.mysinchew.com/node/42186 2011年8月11日閲覧。 
  5. ^ Nick Squires (2005年2月24日). “Mini-states Down Under are sure they can secede”. The Daily Telegraph. http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/australiaandthepacific/australia/1484318/Mini-states-Down-Under-are-sure-they-can-secede.html 2011年8月11日閲覧。 
  6. ^ a b c Hans Hafkamp (2005年1月13日). “Gay Kingdom Declares War On Australia”. Gay-News. http://www.gay-news.com/article04.php?sid=1012 2011年8月10日閲覧。 

関連書籍[編集]

  • Dapin, Mark, "If at first you don't secede...", The Sydney Morning Herald – Good Weekend, 12 February 2005, pp 47–50