コンステレーション (空母)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コンステレーション
基本情報
建造所 ブルックリン海軍工廠
運用者 アメリカ合衆国の旗 アメリカ海軍
艦種 航空母艦
級名 キティホーク級航空母艦
愛称 コニー
艦歴
発注 1956年7月1日
起工 1957年9月14日
進水 1960年10月8日
就役 1961年10月27日
退役 2003年8月7日
除籍 2003年12月2日
その後 2017年5月10日、解体完了。
要目
排水量 61,981 トン
満載排水量 82,538 トン
全長 326.9 m
吃水 11.9 m
機関 ボイラー×8缶
主機 蒸気タービン×4機
推進 スクリュープロペラ×4軸
出力 280,000 shp
最大速力 34 ノット
乗員 5,9202名(航空団含む)
兵装
搭載機 約72機
テンプレートを表示

コンステレーション (USS Constellation, CV-64/CVA-64) は、アメリカ海軍キティホーク級航空母艦の2番艦。艦名はアメリカ国旗の星 (new constellation of stars) に因む。その名を持つ艦としては3隻目。コンステレーションはアメリカ海軍史上唯一艦番号が赤、白、青の三色で表示された艦である。1985年に開催された戦闘群の速度競技において優勝し、海軍における最速艦の一隻であった。乗組員からは「コニー」の愛称で呼ばれ、公式に「アメリカの旗艦」であった。

艦歴[編集]

1956年7月1日にニューヨーク州ブルックリンブルックリン海軍工廠が建造契約を獲得、9月14日に起工した。1960年10月8日にメアリー・ハーター(当時の国務長官クリスティアン・ハーターの妻)によって命名、進水する。

建造途中の1960年12月19日に火災事故が生じ[1][2][3][4]、コンステレーションは大きな損傷を受けた。事故当時コンステレーションはブルックリン海軍工廠で建造の最終段階にあった[4]

事故は格納庫で作業中のフォークリフトが貨物を押し込んだとき、偶然に鋼板をひっくり返したことで生じた。鋼板はディーゼル燃料が入った500ガロンのタンクのプラグを壊し、こぼれ落ちた燃料は艦の最下層まで達した。燃料はおそらく溶接のブローランプによって着火し、木製の足場に延焼した。炎と煙が艦の通路に充満し、広がっていった。海軍の高官は艦の設計に関する問い合わせに対し「本級の設計は人間が設計した中で最も複雑な構造だ。」とコメントした[4]

火災は鎮火まで17時間を要し、消防士達はパークスロープ飛行機事故に出動した後、本件に対応したため、何名かは「疲労困憊の極に追い詰められた」という。消防士達は一人も欠けることなく何百名もの命を救ったが、50名が死亡、負傷者数は150名に上り、7,500万ドルの損害が生じた上、艦の就役は7ヶ月遅れることとなった。このため、ニューヨークで火災を起こしたのは姉妹艦「キティホーク」 (USS Kitty Hawk, CV-63 ) であり、海軍は別々の場所で建造していた2隻の姉妹艦の艦名と艦番号を変更したという噂が生じた[5]。火災発生後のニューヨーク・タイムズの記事要約(1960年12月20日)では、火災を起こした艦を USS Constellation であるとしている[6]

コンステレーションはその後艦長トーマス・ウォーカー大佐の指揮下1961年10月27日に就役[1]。建造費用は2億6,450万ドルに上った[2]。コンステレーションは2010年現在、ニューポート・ニューズ造船所以外で建造された最後の空母である。

1990年に大改装工事が行われ、1993年に再就役する。

2003年8月7日サンディエゴ海軍飛行場北島で退役した。

現在[編集]

退役後のコンステレーションはワシントン州ブレマートン、ピュージェット・サウンド海軍造船所モスボール状態で保管されていた。

後継艦としてニミッツ級航空母艦ロナルド・レーガン」(USS Ronald Reagan, CVN-76)が就役した。2014年にスクラップにする事が決定し、解体作業は2017年5月10日に終了した。

参照[編集]

  1. ^ a b United States Navy
  2. ^ a b Terzibaschitsch, Stefan (1989). Aircraft carriers of the U.S. Navy (2nd ed. ed.). Annapolis, Md.: Naval Institute Press. pp. 262-267. ISBN 0-87021-001-7 
  3. ^ Dictionary of American Naval Fighting Ships. Constellation III.
  4. ^ a b c Haberman, Clyde (2010年12月21日). “Recalling a Brooklyn Disaster Otherwise Forgotten”. The New York Times. http://www.nytimes.com/2010/12/21/nyregion/21nyc.html?ref=nyregion 2010年12月21日閲覧。 
  5. ^ Polmar, Norman (2005). The Naval Institute Guide to the Ships and Aircraft of the U.S. Fleet. Annapolis, MD: Naval Institute Press. pp. 122. ISBN 1-59114-685-2 
  6. ^ Baldwin, Hanson. “YARD WORK MAKES SHIP DEFENSELESS; Repairs or Construction, as on Constellation, Puts Vessel in Peril”. New York Times. 2011年9月14日閲覧。

外部リンク[編集]