コルヒチン

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コルヒチンの構造式
コルヒチンの構造式

コルヒチン (colchicine) はユリ科イヌサフランColchicum autumnale)の種子や球根に含まれるアルカロイドである。化学式はC22H25NO6リウマチ痛風の治療に用いられてきたが、毒性も強く下痢嘔吐などの副作用を伴う。現在は主に痛風に用いられる。また種なしスイカの作出にも用いられる。

イヌサフランは古代ギリシア・ローマの医者ペダニオス・ディオスコリデス(Pedanios Dioscorides, 40年90年頃)の『薬物誌』において痛風に効くと記載されている。その有効成分であるコルヒチンは1820年にフランスの化学者P・ S・ペルティエ (P. S. Peletier) とJ・キャベントン (J. Caventon) によって初めて分離され[1]、のちにアルカロイドとしての構造が明らかにされた。

目次

[編集] 生物作用

微小管の主要蛋白質であるチューブリンに結合して脱重合させ細胞骨格の機能を阻害する。細胞分裂を阻害するほかに、好中球の活動を阻害し抗炎症作用をもたらす。痛風における疼痛抑制と抗炎症効果はこれによると考えられている。

[編集] 医薬品としての利用

以前は痛風の特効薬とされていたが、最近では副作用の多さから処方されることは稀である。他に家族性地中海熱アミロイドーシス強皮症ベーチェット病に用いられる。副作用には胃腸の不快感や好中球減少症がある。痛風の初期に用いるとかえって症状を悪化させることがある。また投与量過多により骨髄抑制、貧血を起こすことがある。がん治療に要する用量では副作用が重篤であるため、用いられない。

[編集] 毒性

中毒症状はヒ素中毒に類似する。服用後2–5時間で口腔・咽頭灼熱感、発熱、嘔吐、下痢、背部疼痛、腎不全などの症状が発現する。呼吸不全により死亡することもある。解毒剤はない。致死量は種子の場合、数グラムである。

[編集] その他の応用

コルヒチンは植物の細胞分裂時に染色体の倍加(染色体異常)を誘発する作用がある。これを利用して、種なしスイカ、あるいはその他の育種のための四倍体や倍化半数体の作出にも用いられる。また、染色体の観察にも用いる。

[編集] 参考文献

  1. ^ Pelletier, P. S.; Caventon, J. Ann. Chim. Phys. 1820, 14, 69.