コリングウッド (装甲艦)

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HMS Collingwood (1882).jpg
竣工時の「コリンウッド」。左が艦首
艦歴
発注 ベンブローク造船所
起工 1880年7月
進水 1882年11月
就役 1887年7月
退役
その後 1909年5月11日に解体処分。
除籍 1909年
前級 コロッサス級
次級 ロドネー級
性能諸元
排水量 常備:9,500トン
全長 -m
水線長 99,1m
全幅 20.7m
吃水 8.0m(満載)
機関 形式不明石炭専焼円缶12基
+直立型2段膨張式2気筒レシプロ機関2基2軸推進
最大出力 9,600hp
最大速力 16.8ノット
航続距離 10ノット/6,400海里
燃料 石炭:1.200トン(満載)
乗員 523名
兵装 30.5cm(25口径)後装式単装砲2基
15.2cm(26口径)単装砲6基
5.7cm(43口径)単装速射砲12基
4.7cm(43口径)単装速射砲8基
35.6cm水上魚雷発射管単装4基
装甲(鉄製) 舷側:178~474mm(水線部)
甲板:76mm(平面部)
主砲バーベット:292mm(甲板上部)
副砲ケースメイト:152mm(最厚部)
司令塔:305mm(側盾)、51mm(天蓋)

コリンウッド (英語: HMS Collingwood) は、イギリス海軍の草創期の装甲艦で艦形的に低乾舷に巨砲を持つブレストワーク・モニターの系譜である。本艦は仮想敵国フランス海軍が増強し続ける装甲艦勢への対抗艦として30.5cm砲を搭載された艦である。

概要[編集]

本艦はフランス海軍の34cm砲を持つ装甲艦アミラル・デュプレに対抗すべく建造計画が立ちあげられたアドミラル・グループの初期の艦として設計・建造された。基本設計は「ドレッドノート」と同一であるが、主砲は砲塔形式ではなく露天に置かれて防御はなかった。

艦形[編集]

本型の武装と装甲配置を示した図。砲塔の後部が尖っているのは揚弾筒と装填機構があるため。

船体形状は前級に引き続き乾舷の低い平甲板型船体となっている。水面から垂直に切り立った艦首水面下に衝角を持ち、平坦な艦首甲板上に30.5cmライフル砲を連装砲架に据えた292mm装甲を貼り合わせたバーベットが1基、その背後にから上部構造物が始まり、前部に司令塔の上に両脇に船橋(ブリッジ)を持つ操舵艦橋の背後に直列に並んだ2本煙突ミリタリーマスト1本が立つ。ミリタリーマストとはマストの上部あるいは中段に軽防御の見張り台を配置し、そこに37mm~47mmクラスの機関砲(速射砲)を配置した物である。これは、水雷艇による奇襲攻撃を迎撃するために、遠くまで見回せる高所に対水雷撃退用の速射砲あるいは機関砲を置いたのが始まりである。形状の違いはあれど、この時代の列強各国の大型艦の多くに見られたマストの形態であった。本艦のミリタリーマストは簡素な単脚式で頂部と中段の2段の見張り台が設けられており、4.7cm単装砲を配置した。

構造物の上は煙管型の通風筒が立ち並び、その外側は艦載艇置き場となっていた。艦載艇はミリタリーマストを基部とするクレーン1基と2本1組のボート・ダビッドが片舷3組ずつ計6組により運用された。上部構造物の側面は厚さ152mmの鉄板が貼られ、帆船の舷側砲のように副砲の砲郭(ケースメイト)となっており、艦内に15.2cm速射砲が単装砲架で片舷3基ずつ計6基を搭載していた。

ミリタリー・マストの下に後部見張所で上部構造物は終了し、後部甲板上に後向きで2番主砲のバーベット1基が配置された。本艦の舷側のケースメイト(砲郭部)には舷側ケースメイト配置した。

武装[編集]

本艦の主砲は新設計の「1885年型 Mark I 30.5cm(25口径)後装式ライフル砲」を採用した。その性能は324kgの砲弾を、最大仰角12.5度で8,600mまで届かせられ、射距離9,140 mで厚さ520mmの鉄板を貫通できる性能であった。この砲を新設計の連装砲架に据え付けた。砲身は砲架に直接固定され、砲身と砲架を丸ごと水圧駆動のアクチュエータで上下させる形式であった。砲身の俯仰能力は仰角12.5度・俯角3度で、装填時は砲身を目一杯仰角をかけて砲尾を下げて装填機に近づけてから、ラマー(押し棒)で砲身内に砲弾や装薬を装填した。砲架の旋回角度は単体首尾線方向を0度として左右120度の旋回角度を持ち、砲身の俯仰・砲塔の旋回・砲弾の揚弾・装填は主に蒸気ポンプによる水圧で行われ、補助に人力を必要とした。発射速度は2~3分間に1発であった。

露砲塔というのは、現在の砲塔形式とは違い、火砲の装填機構や旋回・俯仰角機構を収めた基部のみを装甲で覆う型式を指す型式である。この時代の艦砲は現在と異なり、ライフル銃のように直接標準で撃ち合うような代物であったために砲の上面に砲弾が当たるとは考えられておらず、砲員を守るため基部のみを防御する考えであった。そのため、基部から上は吹き晒しか、断片防御ができる程度の装甲でできたお椀状のカバーをつけるかで、本艦は前者の形式を採っていた。

砲塔のバーベットは上方から見て洋ナシ形状の奥に向けて尖った楕円筒となっているのは、奥部に砲弾の装填機構や弾薬庫から砲弾を輸送する揚弾筒が砲塔と別個に備わっているためである。既にフランス海軍の主力艦では現代と同様に内部に揚弾筒などの機構を内蔵する物が実用化されているのだが、この頃のイギリス海軍の砲塔旋回機構は構造が複雑であったために別個に設けられたためである。

副砲は「Mark I 15.2cm(26口径)ライフル砲」を採用した。これを舷側ケースメイト(砲郭)配置で単装砲架で片舷3基ずつ計6基を配置した。他に対水雷艇迎撃用にフランスのオチキス社製「オチキス 4.7cm(43口径)機砲」を採用し、単装砲架で12基を装備した。その他に対艦攻撃用に45.7cm水上魚雷発射管を単装で4基装備した。

参考図書[編集]

  • 世界の艦船増刊第30集 イギリス戦艦史」(海人社
  • 「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」(Conway)
  • 「Conway All The World's Fightingships 1906–1921」(Conway)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]