コプト文字

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コプト文字
Coptic.jpg
3世紀のコプト文字碑文
類型: アルファベット
言語: コプト語
時期: およそ300年から14世紀(現在はほとんど使われない)
親の文字体系:
姉妹の文字体系: 古ヌビア文字
Unicode範囲:

U+2C80-U+2CFF (本文参照)

U+03E2-U+03EF
ISO 15924 コード: Copt
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。

青銅器時代中期 前19–15世紀

メロエ 前3世紀
カナダ先住民 1840年
注音 1913年
完全な系図

コプト文字(コプトもじ)は、コプト語を書くのに用いられたアルファベットである。ギリシア文字に基づいているが、コプト語で用いられる音でギリシア語にはない音を表すために、いくつかの文字が追加されている。これらの文字はデモティック(エジプトの言語を書き表すのに用いられた続け文字)から取られている。

字体 名称 ローマ字転写 ギリシア文字 発音1 発音2
Copte a.png アルプハ a Α, α /a/ 1
Copte b.png ベータ b Β, β /b, v/ 2
Copte g.png ガンマ g Γ, γ /k/ /g, ŋ, ɣ/ 3
Copte d.png ダルダ d Δ, δ /d/ /d, ð/ 4
Copte e.png エイ e Ε, ε /e/ 5
Copte soou.png ソウ Ϛ, ϛ (6)
Copte z.png ゼータ z Ζ, ζ /s/ /z/ 7
Copte ee.png エータ ē Η, η /eː/ /ɛː, i/ 8
Copte th.png テータ Θ, θ /tʰ/ /tʰ, θ/ 9
Copte i.png イオータ i Ι, ι /i, j/ 10
Copte k.png カッパ k Κ, κ /k/ 20
Copte l.png ラウラ l Λ, λ /l/ 30
Copte m.png メー m Μ, μ /m/ 40
Copte n.png ネー n Ν, ν /n/ 50
Copte ks.png クシ Ξ, ξ /ks/ 60
Copte o.png オウ o Ο, ο o 70
Copte p.png p Π, π /p/ 80
Copte r.png ロー r Ρ, ρ /r/ 100
Copte s.png セーンマ s Σ, σ, ς /s/ 200
Copte t.png タウ t Τ, τ /t/ /t, d/ 300
Copte u.png u Υ, υ /u, w/ /u, w, i, v/ 400
Copte ph.png プヒ Φ, φ /pʰ/ /pʰ, f/ 500
Copte kh.png クヒ Χ, χ /kʰ/ /kʰ, χ, ʃ/ 600
Copte ps.png プシ Ψ, ψ /ps/ 700
Copte oo.png オー ō Ω, ω /oː/ 800
Copte sh.png シャイ š (なし) /ʃ/
Copte f.png ファイ f (なし) /f/ 90
Copte x.png ハイ (なし) /x/
Copte h.png ホリ h (なし) /h/
Copte dj.png ヂャンディア ḏ (j) (なし) /ʤ/ /ʤ, g/
Copte tsh.png チマ č Ϙ, ϙ /q/ /ʧ/
Copte ti.png ティ ti (なし) /ti/
Copte r barre.png プシサンシェ (なし) 900

以下の七文字は、エジプト文字のデモティック(民衆文字)に基づいており、さらにその起源はヒエログリフ(神聖文字)に遡る。これらのアルファベットはギリシア文字には対応しない。

ヒエログリフ   デモティック   コプト文字
SA
Demotique sh.png Copte sh.png
f
Demotique f.png Copte f.png
M12
Demotique kh.png Copte x.png
F18
Y1
Demotique h.png Copte h.png
U29
Demotique j.png Copte dj.png
k
Demotique tsh.png Copte tsh.png
D37
t
Demotique ti.png Copte ti.png

Unicode[編集]

かつてユニコードコンソーシアムでは、コプト文字をギリシア文字の異体とみなしていたため、コプト文字は U+0370 - U+03FF のギリシア文字ブロックに含まれ、一部の文字をギリシア文字と共有していた。Unicode 4.1 以降はコプト文字を独立した文字体系として扱うことになり、U+2C80 - U+2CFF にコプト文字専用のブロックが割り当てられた。Unicodeの今後のバージョンではこの新しいブロックのコードによって符号化するべきであるとされる[1](ただし、デモティックに由来する7文字(大文字小文字を別々に数えると14文字)は、すでにギリシア文字ブロックに割り当てられているものを使う)。符号位置は以下のとおり。

U+ 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
03E0 Ϣ ϣ Ϥ ϥ Ϧ ϧ Ϩ ϩ Ϫ ϫ Ϭ ϭ Ϯ ϯ
2C80
2C90
2CA0
2CB0 ⲿ
2CC0
2CD0
2CE0  ⳯
2CF0 ⳿

脚注[編集]

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  1. ^ Unicode Consortium (2003). “European Alphabetic Scripts”. The Unicode Standard, Version 4.0. Boston, MA: Addison-Wesley. pp. p.177. ISBN 0-321-18578-1. http://www.unicode.org/versions/Unicode4.0.0/ch07.pdf.  および Unicode Consortium (2005年). “Notable Changes From Unicode 4.0.1 to Unicode 4.1.0”. 2007年8月20日閲覧。 を参照。

外部リンク[編集]

  • New Athena Unicode - 対応 Unicode フリーフォント。
  • Quivira - 多種の文字を収録した Unicode フリーフォント。
  • Unicode Fonts for Ancient Scripts - 多種多様な文字を収録した複数の Unicode 対応フリーフォントが入手できる。「Analecta」がコプト文字全般に対応。