コッカープー

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Cockapoo1.jpg

コッカープー(英:Cockapoo)とは、アメリカ合衆国原産の愛玩用の二重純血犬種である。

愛玩用の二重純血犬種、及びデザイナー・ドッグやプードル・ハイブリッド種のブームの火付け役となった犬種であるため、「革命児」という肩書きも持っている。

歴史など[編集]

本種は先にも述べたように、愛玩用として作出された二重純血犬種やプードル・ハイブリッドなどのブーム発生の口火を切った犬種として有名である。1960年代に作出された新しい犬種で、プードルの毛が抜けにくく低アレルゲンな性質と、アメリカン・コッカー・スパニエルの愛情深く辛抱強い性格を組み合わせた理想的な愛玩犬を目指して作られた。のトイ・プードルとのアメリカン・コッカー・スパニエルを掛け合わせたものをもとに選択繁殖を行い、改良を加えて品種貸したものである。コッカープーは完成後瞬く間に人気を博し、知名度も急上昇し大成功を収めた。

しかし、コッカープーの流行により、ただトイ・プードルとアメリカン・コッカー・スパニエルを交雑させただけのニセモノが現れたり、プードルの雄を使った交雑種を「犬種」として販売するなどの行為が社会問題となった。その愛玩用の交雑犬の中には品種改良を行って二重純血犬種にまで発展したものもあるが、大半はコッカープー人気を利用したものであった。このことが大きな議論を呼ぶきっかけとなり、命の尊厳や犬質の低下、数百年もの間受け継がれてきた血統を汚すなどの問題が危惧された。後に人の身勝手により生ませられ、人の身勝手により殺される犬たちの事を省みず、自分の利潤のみを目的とした乱繁殖を行うブリーダーは専門家などに非難されるようになり、それらを目的として繁殖が行われた模倣の多くは短期間で消滅した。又、ブームに「利用された」犬種たちの愛好家は自分の犬種がこのようなブリーダーに利用される事を嫌い、交雑犬や意味の無い二重純血犬種に対する批判は年々高まっていった。

コッカープーも例外ではなかった。作出に使われた両親種の愛好家から激しい非難を受け、一時は犬種廃止の危機にさらされていた事もあった。しかし、外科的・内科的に問題の出るような組み合わせではなく、両親種のお互いの長所を受け継ぎやすいなどの良点が多くあったため、犬種として存続する事が出来た。その他にもブリーダーが利益よりも善意(犬アレルギーを持つ人でも安心して飼育できる気質も優れた犬種を目指して作られた点)を目的とした作出が心がけられていたという事も犬種存続の理由であるとされている。

だが、コッカープーなどの数種の二重純血犬種のみを品種として認め、その他の交雑種を販売目的につくる事を不服としたそれらのブリーダーや愛好家は抗議を行い、独自にアメリカン・カニド・ハイブリッド・クラブ(ACHC)という協会を設立し、愛玩用の二重純血犬種と交雑犬の登録を行うようになった。

現在、愛玩用の二重純血犬種や交雑犬、及びプードル・ハイブリッドのブームが終わり、それらの犬たちが大量に棄てられるという新たな問題も発生している。しかし、ブームにより生み出され、棄てられてしまった犬たちを保護するためにコッカープーの愛好家や愛玩用の二重純血犬種及びプードル・ハイブリッド犬種の支持者が有志で寄付を募り、それらを救い里親を探すための活動も行なわれるようになった。

未だに純血種のブリーダーから批判され、和解が成立していないものも多い二重純血犬種やプードル・ハイブリッドではあるが、コッカープーは近年徐々に両親種の愛好家に犬種として認められつつあり、品種として定着しつつある。日本にも数頭が輸出されているが、FCI及びジャパンケネルクラブ未公認の犬種であるため、国内登録頭数や登録頭数順位はカウントされていない。現在でもコッカープーはアメリカ合衆国内で高い人気を保ちつつあるが、そのほかの膨大な犬種の影にまぎれてあまり目立っていないのが現状である。

特徴[編集]

容姿はプードルとアメリカン・コッカー・スパニエルの中間である。マズルは短く、垂れ耳・垂れ尾には長い飾り毛がある。コートはロングコートだがプードルのような巻き毛で、抜けにくく低アレルゲンである。毛色は特に制限されていない(但し両親種の犬種基準内の毛色であることが条件である)。体高24.5~38cmの小型犬で、性格は明るく忍耐強く、優しい。子供や他の犬に対しても仲良く接することができ、ペットとして飼育するのにとても向いた犬種である。かかりやすい病気は外耳炎や脂漏性湿疹などがある。

参考[編集]

『デズモンド・モリスの犬種事典』デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年

関連項目[編集]