ケンヒー

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ケンヒー
GazouBoshu.png
保全状況評価
NOT EVALUATED (IUCN Red List)
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
上目 : 骨鰾上目 Ostariophysi
: コイ目 Cypriniformes
: コイ科 Cyprinidae
亜科 : ラベオ亜科 Labeoninae
: ケンヒー属 Cirrhinus
: ケンヒー C. molitorella
学名
Cirrhinus molitorella
Cuvier er Valenciennes, 1842
和名
ケンヒー
英名
Mud carp
Chinese Mud Carp
左から二番目がケンヒー

ケンヒー(鯁魚)は、コイ目コイ科ラベオ亜科に分類される中国東南部、ベトナム及び台湾の川や池などに生息する淡水魚である。

名称[編集]

和名は日本が統治していた時代に台湾で目にしたことから、台湾語での呼び名「鯁魚」に拠っている。台湾では「鯁仔」(ケンアー)、「鯪仔」(レンアー)ともいう。中国語の標準名は「鯪魚」(リンユー、língyú)である。広東省における地方名には「土鯪」(トウレン)、「雪鯪」(シュッレン)、「鯪公」(レンコン)などがある。ベトナム語ではcá trôi việt(カー・チョイヴェト)という。

学名シノニムには下記がある。

  • Labeo collaris Nichols and Pope, 1927
  • Cirrhinus melanostigma Myers, 1931
  • Cirrhinus chinensis Bănărescu, 1972

生態[編集]

ケンヒーは外見がタモロコに似た、比較的細長い身体を持つが、背びれや尾びれはもっと大きい。体長と体高の比率は3.4倍程度である。は体長の4.8分の1程度と体に対して小さい。全長は25cm前後で流通しているが、大きいものでは40cmを越えるものもいる。通常、3年で成魚となる。

通常水中の低層にいて、主に水草やプランクトンを餌としている。

分布[編集]

中国大陸では珠江水系を中心に分布する。他には、閩江水系、海南島[1]香港[2]ベトナム北部のソンコイ川水系などに分布する。台湾へは大陸から養殖用に持ち込まれた。

利用[編集]

すり身の魚肉。「鯪魚球(中国語)」の料理が知られる。

広東省を中心に養殖されており、広東省ではソウギョハクレンコクレンと合わせて「四大家魚」と呼ばれるほど一般的な食用淡水魚である。漁獲量も多く、珠江下流域における漁獲量の3割ほどを占める。新鮮な魚肉は滑らかで、うま味もあるが、小骨が多いのが難点のため、これを気にしないで食べられるように、すり身にして、つみれにすることが多い。つみれはスープや順徳料理の粥鍋の具にもされる。順徳料理の「魚皮角」(ユーペイコッ)もケンヒーのすり身と豚肉などを合わせた餡で作るスープワンタンの一種である。大きいケンヒーはネギショウガまたは豆豉と共に蒸し魚にしたり、スープなどに使われる。

ケンヒーとトウチの缶詰

広東省で作られる缶詰の定番商品として、豆豉と食用油と共に詰めた「豆豉鯪魚」(トウチリンユー)があり、中国各地や海外にも出荷されていて、日本でも中華食材の専門店で買える。英語で「Fried Dace with Salted Black Beans」などと書かれていて、これからケンヒーをウグイと訳している例があるが、Dace、ウグイは別亜科の魚である。そのままおかずにする他、塩味が強いため、白菜などと炒めて食べたり、トウガンなどと共に蒸したりすることも行われている。

近縁種[編集]

同属異種に下記がある。

脚注[編集]

  1. ^ 李思忠,『中国淡水魚的分布区画』,pp180-181,1981,科学出版社,北京
  2. ^ 文錫禧,『香港淡水魚類』,p33,市政局出版,1981,香港

参考文献[編集]

  • 鄭慈英,『珠江魚類志』,科学出版社,1989,北京
  • 中国水産科学研究院珠江水産研究所 他編,『広東淡水魚類志』,広東科技出版社,1991,広州

外部リンク[編集]