ケルビン・ストークスの定理
ケルビン・ストークスの定理(Kelvin–Stoke’s theorem) [1][2] [3][4] [5] [6] [7] は、3次元ベクトル場の2次元曲面上での面積分に関する定理であり、本定理は、与えられたベクトル場 の回転を面積分したものと、前記面積分の積分領域の境界での線積分とを関連付ける。 本定理は、一般化されたストークスの定理の特殊なケースの一つであり、3次元ベクトル場が、
上の一次微分形式と見なした場合に対応する(この場合外微分dがrotに対応する)。 本定理は、回転定理ともいわれる。
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主定理 [編集]
が 区分的になめらかな平面曲線であり、かつ単純閉曲線(ジョルダン曲線)とする。即ち、
は以下の2つの性質をみたすものとする。
と
が
開区間の点であるとき、もし
が成り立てば、必ず
である。
である。
を
の領域とし、
は前記の
で縁どられているものとする[note 1]。
を微分可能な3変数ベクトル値関数とする.
を
の
による像集合とする.
を
で定まる空間曲線とする[note 2]。
このとき、次のケルビン・ストークスの定理が成り立つ。
主定理の証明 [編集]
証明の概略 [編集]
主定理の証明は、以下のステップで行われる[2][3][note 3]。以下に紹介する証明は、厳密な証明であり、かつ直接的には微分形式の予備知識を必要としない証明である。本証明では、グリーンの定理(本定理の平面曲線版)は既知とし、空間曲線における数理現象を平面曲線の問題に帰着する過程に重きを置く。
(1)
の定義:
を、
が”
の 引き戻しとなるように定める。
は
に値をとる関数で、2つのパラメータ u , v を持つ。
(2)以下の等式の証明:
(3)以下の等式の証明:
(4)グリーンの定理への帰着:
最後に、本定理をグリーンの定理に帰着する。
First step of the proof [編集]
を、以下のように定義する。但し、
は、それぞれ、
の第一成分、第二成分である。
ここで、
は
の標準的な内積を意味する。
Second step of the proof [編集]
本節では以下の等式を示す。
上記の等式の証明は、主定理の左辺をグリーンの定理に帰着する過程に他ならない。
線積分の定義より、以下が成り立つ。
ここで、上式左辺の被積分関数は
に値をとる t についての一変数関数であることに注意されたい。
合成関数の微分を考えると、
が成り立つ。ここで、
は
のヤコビ行列を意味する。
従って、以下が成り立つ。
従って、以下の等式を得る。
Third step of the proof [編集]
本節では、以下の等式を示す。
上式は、主定理の右辺を、グリーンの定理に帰着する過程に他ならない。
まず、
,
を内積の微分を考慮して計算する。計算過程は以下に示すとおりである。
従って、
が分かる。さらに、合成関数の微分を考慮すると、以下の2つの式が得られる。
さらに、内積の多重線形性を考慮すると[note 4]、
ここで、
は
の転置行列を意味し、
は
行列 A が定める二次形式、即ち
を意味する。
さらに、以下の事実を考慮し、
さらに、スカラー三重積を考慮すると、以下の等式を得る。
一方で、面積分の定義から
が成り立つ。さらにスカラー三重積を考慮すると、以下を得る.
従って、以下の等式が成り立つ。
Fourth Step of proof [編集]
主定理の証明の最終段階である。
Second stepの結果と、Third stepの結果をグリーンの定理に代入すると、主定理が得られる。
脚注 [編集]
- ^ ジョルダンの閉曲線定理によると、ジョルダン曲線は
を2つの連結な領域に分割する。一つ目(Bounded area)は、コンパクト集合 で、もう一つはコンパクトではない。 - ^
は、閉曲線なので、
もまた、閉曲線である。しかし、
は必ずしも単純閉曲線とは限らない。 - ^ 微分形式を知る者は、以下の事実を想到するであろう。即ち、
に、以下の2通りの同一視を施した場合、

,
の引き戻しによる証明と等価である。実際、
は証明本文の
and
と同一のものである。 - ^ 一般に、
がm 次元ベクトル、
がn 次元ベクトルで、Aがm ×n 行列であるとき、以下が成り立つ。
参考文献 [編集]
- ^ a b James Stewart;"Essential Calculus: Early Transcendentals" Cole Pub Co (2010)[1]
- ^ a b c 本記事におけるこの定理の証明は、 Prof. Robert Scheichl (University of Bath, U.K)の講義ノートによる証明に準拠している。 [2], 特に、[3]を参照のこと。
- ^ a b c 本証明は、以下の記事の証明と同等である。[4]
- ^ http://mathworld.wolfram.com/CurlTheorem.html
- ^ John M. Lee;"Introduction to Smooth Manifolds (Graduate Texts in Mathematics, 218) " Springer (2002/9/23) [5] [6]
- ^ Lawrence Conlon;"Differentiable Manifolds (Modern Birkhauser Classics) " Birkhaeuser Boston (2008/1/11) [7]
- ^ 有馬 哲 (著) ,浅枝 陽 (著) 「ベクトル場と電磁場―電磁気学と相対論のためのベクトル解析」東京図書 (1987/05)
と
が
開区間の点であるとき、もし
が成り立てば、必ず
である。
である。
および
を
の
を
の
の定義:
を、
が”
に値をとる関数で、2つのパラメータ u , v を持つ。
















を2つの連結な領域に分割する。一つ目(Bounded area)は、
に、以下の2通りの同一視を施した場合、
,
の

は証明本文の
がm 次元ベクトル、
がn 次元ベクトルで、Aがm ×n 行列であるとき、以下が成り立つ。
