ケプラー62

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ケプラー62
Kepler-62f with 62e as Morning Star.jpg
ケプラー62(中央)を周回するケプラー62f(手前)とケプラー62e(右)(想像図)
提供: NASA Ames/JPL-Caltech
データ
元期 J2000      Equinox J2000
星座 こと座
赤経 18h 52m 51.060s[1]
赤緯 +45° 20′ 59.507″[1]
視等級 (V) 13.75[2]
特徴
スペクトル分類 K2V[2]
B-V 色指数 0.832[2]
アストロメトリー
固有運動 (μ) 赤経: -11.1[3] ミリ秒/
赤緯: -29.3[3] ミリ秒/
距離 ~1200 光年
(~368[2] パーセク)
詳細
質量 0.69 ± 0.02[2] M
半径 0.64 ± 0.02[2] R
表面重力 (log g) 4.68 ± 0.04[2]
光度 (放射) 0.21 ± 0.02 [2] L
表面温度 4925 ± 70[2] K
自転周期 39.3 ± 0.6 days[2]
自転速度 (v sin i) 0.4 ± 0.5[2] km/
他の名称
KIC 9002278、KOI-701
参照データベース
SIMBAD data
Extrasolar Planets
Encyclopaedia
data

ケプラー62英語: Kepler-62)は、太陽系から約1,200光年の距離に存在するK型主系列星である。こと座の方角に位置する。2013年4月18日、アメリカ航空宇宙局 (NASA) はケプラー宇宙望遠鏡によるトランジット法での観測の結果、この恒星に5つの惑星を発見したことを発表した。そのうちケプラー62eケプラー62fは、生命が存在する可能性がある領域ハビタブルゾーン内に位置する地球に似た惑星とみられている。[2][4]

名前の由来と歴史[編集]

ケプラー宇宙望遠鏡による観測範囲

ケプラーによる観測以前では、ケプラー62は2MASSによる観測で2MASS J18525105+4520595としてカタログ化されていた。Kepler Input CatalogにおいてはKIC 9002278の呼称が与えられており、次いでトランジット法による惑星発見の候補であるKepler object of interestにおいてKOI-701の呼称が与えられた。

ケプラー62の惑星は、トランジット法での太陽系外惑星発見を目指すNASAケプラー宇宙望遠鏡による観測で発見された。トランジット法では恒星の光度の低下から惑星によるを検出する。惑星が地球から見た恒星の手前側を通過することで、恒星の光が遮られる食が発生し、そこから惑星の存在を検出することが出来る。ケプラー62という名称は単純に、ケプラー探査機により62番目に惑星が確認された恒星であることから与えられたものである。

各惑星のb, c, d, e, fといった名称も、単純に発見された順番に与えられたものである。その恒星で最初に発見された惑星がbとなり、以後アルファベット順に小文字で惑星名が付けられていく。[5] ケプラー62の場合、全ての惑星が一度に発見されたことから、内側から順にb, c, d, e, fと名付けられた。[2]

特徴[編集]

ケプラー62は太陽の約69%の質量と64%の半径を持つK型主系列星である。表面温度は4925 ± 70 Kで、誕生から70 ± 4億年が経過していると考えられている。[2] なお、太陽の表面温度は5778 Kで[6]、誕生から46億年が経過している[7]

地球から見た見かけの等級は13.75等であり、肉眼で観測することは出来ない。

惑星系[編集]

太陽系と比較したケプラー62星系

ケプラー62の発見されている全ての惑星は、恒星通過(トランジット)する。それはつまり、5つの惑星全てが地球から見て恒星の前を横切る軌道を取ることを意味する。各惑星の軌道傾斜角の変化は上下に1度以下である。そのため、惑星の公転周期と相対的な直径(主星と比較した)を各惑星のトランジットを観測することで直接測定することができる。[2]

5つの惑星の半径は全て地球の0.54倍から1.95倍までの範囲に収まっている。特に注目されているのがefで、これらの惑星は生命が存在する可能性がある領域ハビタブルゾーン内に位置する固体惑星(地球型惑星スーパー・アース)の有力候補とみられている。e, fの半径はそれぞれ地球の1.61倍と1.41倍で、これらは地球より大きな値ではあるものの、固体惑星の範囲にあると考えられている。両惑星はケプラー62のハビタブルゾーンの範囲内に位置しており、その組成によっては(fであれば二酸化炭素による温室効果が活発であること、eであればにより過熱が防がれること)いずれも表面に液体の水を保持する可能性がある。[2]

惑星の質量は、視線速度法やトランジット法では直接測定することが出来ない。精度の低い上限値が判るだけである。ケプラーによる観測では、eとfの質量は最大で地球の36倍と35倍となっているが、実際の値はそれより遥かに小さいだろうと予想されている。[2]

ケプラー62の惑星[2]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 半径
b英語版 <9 M 0.0553 ± 0.0005 5.714932 ± 0.000009 1.31  ±  0.04 R
c英語版 <4 M 0.0929 ± 0.0009 12.4417 ± 0.00001 0.54  ±  0.03 R
d英語版 <14 M 0.120 ± 0.001 18.16406 ± 0.00002 1.95  ±  0.07 R
e <36 M 0.427 ± 0.004 122.3874 ± 0.0008 1.61  ±  0.05 R
f <35 M 0.718 ± 0.007 267.291 ± 0.005 1.41  ±  0.07 R

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ a b Kepler Input Catalog search result”. Space Telescope Science Institute. 2013年4月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r Borucki, William J.; et al. (18 April 2013). “Kepler-62: A Five-Planet System with Planets of 1.4 and 1.6 Earth Radii in the Habitable Zone”. Science Express. doi:10.1126/science.1234702. http://www.sciencemag.org/content/early/2013/04/17/science.1234702 2013年4月18日閲覧。. 
  3. ^ a b Rybka, S. P.; et al. (1997). GPM - compiled catalogue of absolute proper motions of stars in selected areas of sky with galaxies.. Bibcode 1997KFNT...13e..70R. 
  4. ^ NASA's Kepler Discovers Its Smallest 'Habitable Zone' Planets to Date”. NASA (2013年4月18日). 2013年4月18日閲覧。
  5. ^ Hessman, F. V.; Dhillon, V. S.; Winget, D. E.; Schreiber, M. R.; Horne, K.; Marsh, T. R.; Guenther, E.; Schwope, A. et al. (2010年). “On the naming convention used for multiple star systems and extrasolar planets”. arXiv:1012.0707 [astro-ph.SR]. Bibcode 2010arXiv1012.0707H. 
  6. ^ Fraser Cain (2008年9月15日). “Temperature of the Sun”. Universe Today. 2011年2月19日閲覧。
  7. ^ Fraser Cain (2008年9月16日). “How Old is the Sun?”. Universe Today. 2011年2月19日閲覧。

関連文献[編集]

外部リンク[編集]

座標: 星図 18h 52m 51.06s, +45º 20' 59.5''