ケビン・キャッシュ

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ケビン・キャッシュ
Kevin Cash
タンパベイ・レイズ 監督 #16
2015年12月7日
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 フロリダ州タンパ
生年月日 (1977-12-06) 1977年12月6日(46歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
200 lb =約90.7 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 1999年 アマチュアFA
初出場 2002年9月6日
最終出場 2010年10月3日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
監督・コーチ歴

ケビン・フォレスト・キャッシュKevin Forrest Cash, 1977年12月6日 - )は、アメリカ合衆国フロリダ州タンパ出身の元プロ野球選手捕手)。右投右打。MLBタンパベイ・レイズ監督を務める。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

フロリダ州立大学で大学野球をプレーし、通算で打率.184を記録した。

1999年夏にはケープコッド・ベースボールクラブファルマス・コモドールズでプレーした。

プロ入りとブルージェイズ時代[編集]

1999年にトロント・ブルージェイズと契約し、てプロ入り。

2002年から2004年にかけてメジャーでプレーし、101試合に出場。

デビルレイズ時代[編集]

2005年タンパベイ・デビルレイズで過ごした。同年6月15日のミルウォーキー・ブルワーズ戦では先発マスクを務め、この試合で日米通算200勝を挙げる野茂英雄をリードし、打撃では先制ホームランを放つ活躍を見せた。

2006年4月5日にDFAとなり、傘下のAAA級ダーラム・ブルズに降格して一年間プレーした。

レッドソックス時代[編集]

2007年1月24日にボストン・レッドソックスとマイナー契約を結んだ。その後はマイナーでプレーしていた。8月17日にレッドソックスの控え捕手であるダグ・ミラベリフェンウェイ・パークで行われたロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムとのダブルヘッダー第1試合で三塁への走塁時に脹脛を痛めたために急遽昇格することになった。当時キャッシュが所属していたポータケット・レッドソックスオタワオタワ・リンクスと試合を行っていたため、昇格したキャッシュがレッドソックスに合流したのはダブルヘッダー第2試合開始後であった[1]。オフの11月2日にAAA級への降格を拒否してFAとなった。12月13日にレッドソックスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった。

2008年3月13日にミラベリが解雇されたことに伴い、3月25日にナックルボーラーであるティム・ウェイクフィールドの専属捕手としてメジャー契約を結んだ。キャッシュは背番号36をつけていたが、ポール・バードが移籍した際に背番号を譲る形で30番に変更した。オフの12月12日にFAとなった。[2]

ヤンキース時代[編集]

2008年12月23日にニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[3]

ヤンキース時代(2009年)

2009年は、開幕をAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・ヤンキースで迎えた。5月8日にホルヘ・ポサダホセ・モリーナの両捕手が故障したことに伴いメジャー復帰を果たしたが、その後はフランシスコ・セルベーリとの3番手捕手争いに敗れた[4]。9月5日に現役引退を表明した。しかし、後に撤回した。

アストロズ時代[編集]

2010年1月22日にヒューストン・アストロズとマイナー契約を結んだ。5月5日にメジャーに昇格した。

レッドソックス復帰[編集]

2010年7月1日にビクター・マルティネスジェイソン・バリテックの主力捕手が骨折したチーム事情から、アンヘル・サンチェスとのトレードで古巣のレッドソックスに復帰することとなった。オフにFAとなった。

レンジャーズ傘下時代[編集]

2010年11月11日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結んだ。

2011年は、傘下のAAA級ラウンドロック・エクスプレスでプレーした。

現役引退とその後[編集]

2012年1月8日に現役引退を表明した。この年は、古巣ブルージェイズのスカウトを務めた。

2013年よりクリーブランド・インディアンスのブルペンコーチを務める。

レイズ監督[編集]

2014年12月6日、37歳の誕生日にタンパベイ・レイズの球団史上5人目となる監督に就任した事が発表された[5]

2015年4月17日に初退場を記録した[6]

2018年リリーフ投手を先発させるオープナーをMLBで初めて本格採用し、球界のトレンドになった[7]。オフに2024年(2025年は球団側オプション)までの契約延長に合意した[8]

2019年にはチームを6年ぶりのポストシーズン選出に導いた[9]

2020年全米野球記者協会から自身初めて最優秀監督賞を受賞した。

2021年にはチーム史上最多となるシーズン100勝を記録したことなどが評価され、全米野球記者協会から2年連続2度目となる最優秀監督賞を受賞した[10]。2年連続での最優秀監督賞受賞はアメリカン・リーグでは史上初であり、それ以前は殿堂入り監督であるボビー・コックス2004年2005年にナショナル・リーグで連続受賞したのが唯一の記録であった。

2022年オフの11月15日に全米野球記者協会(BBWAA)から3位票が1、計1ポイントで最優秀監督賞6位となった[11]

選手としての特徴[編集]

現役時代は、捕手用キャップをひさしが前に来るように被るのが特徴的な選手であった。

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2002 TOR 7 15 14 1 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 1 0 0 4 1 .143 .200 .143 .343
2003 34 117 106 10 15 3 0 1 21 8 0 0 5 1 4 0 1 22 6 .142 .179 .198 .377
2004 60 197 181 18 35 9 0 4 56 21 0 0 0 2 10 0 4 59 3 .193 .249 .309 .558
2005 TB 13 33 31 4 5 1 0 2 12 2 0 0 0 0 1 0 1 13 3 .161 .212 .387 .599
2007 BOS 12 33 27 2 3 1 0 0 4 4 0 0 0 1 4 0 1 13 2 .111 .242 .148 .391
2008 61 162 142 11 32 7 0 3 48 15 0 0 0 2 18 1 0 50 6 .225 .309 .338 .647
2009 NYY 10 28 26 1 6 2 0 0 8 3 0 0 0 1 0 0 1 5 1 .231 .250 .308 .558
2010 HOU 20 61 54 3 11 1 0 2 18 4 0 0 2 0 5 0 0 13 2 .204 .271 .333 .605
BOS 29 68 60 1 8 1 0 0 9 1 0 0 1 0 6 0 1 16 2 .133 .224 .150 .374
'10計 49 129 114 4 19 2 0 2 27 5 0 0 3 0 11 0 1 29 4 .167 .246 .237 .483
MLB:8年 246 714 641 51 117 25 0 12 178 58 0 0 8 7 49 1 9 195 26 .183 .248 .278 .526

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2010 HOU 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 6 1.0 3 0 0 0 0 0 0 0 1 1 9.00 3.00
MLB:1年 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 6 1.0 3 0 0 0 0 0 0 0 1 1 9.00 3.00

年度別守備成績[編集]



捕手(C) 投手(P) 三塁(3B)














































2002 TOR 7 26 4 1 1 .968 2 4 3 1 .250 - -
2003 34 179 13 1 0 .995 1 20 14 6 .300 - -
2004 60 316 36 2 5 .994 5 34 19 15 .441 - -
2005 TB 13 56 8 0 1 1.000 4 6 3 3 .500 - -
2007 BOS 12 56 8 1 2 .985 0 11 9 2 .182 - -
2008 57 280 26 4 5 .987 14 54 38 16 .296 - 4 1 1 0 0 1.000
2009 NYY 10 57 10 0 1 1.000 0 11 9 2 .182 - -
2010 HOU 19 131 9 0 2 1.000 1 19 15 4 .211 1 0 0 0 0 ---- -
BOS 29 148 14 1 0 .994 6 26 23 3 .115 - -
'10計 48 279 23 1 2 .997 7 45 38 7 .156 1 0 0 0 0 ---- -
通算 241 1249 128 10 17 .993 33 185 133 52 .281 1 0 0 0 0 ---- 4 1 1 0 0 1.000
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別監督成績[編集]

















順 位 /
チーム数


ポストシーズン
勝敗
2015 TB AL 東 38歳 162 80 82 .494 4 / 5   -
2016 39歳 162 68 94 .420 5 / 5   -
2017 40歳 162 80 82 .494 3 / 5   -
2018 41歳 162 90 72 .556 3 / 5   -
2019 42歳 162 96 66 .593 2 / 5 ALDS敗退 03勝03敗
2020 43歳 60 40 20 .667 1 / 5 WS敗退 11勝09敗
2021 44歳 162 100 62 .617 1 / 5 ALDS敗退 01勝03敗
2022 45歳 162 86 76 .531 3 / 5 ALWC敗退 00勝02敗
通算:8年 1194 640 554 .536 - 15勝17敗
  • 年度の太字はリーグ最優秀監督賞受賞。
  • 順位の太字はプレーオフ進出(ワイルドカードを含む)。
  • WS…ワールドシリーズ、LCS…リーグチャンピオンシップシリーズ、DS…ディビジョンシリーズ、WC…ワイルドカードゲーム(ワイルドカードシリーズ)。

表彰[編集]

背番号[編集]

  • 29 (2002年 - 2004年)
  • 17 (2005年、2009年)
  • 36 (2007年 - 2008年途中、2010年)
  • 30 (2008年途中 - 同年終了)
  • 45 (2013年 - 2014年)
  • 16 (2015年 - )

脚注[編集]

  1. ^ Lefort, David. “Ellsbury in Game 2 lineup”. boston.com. 2007年8月17日閲覧。
  2. ^ Cash non-tendered, now a free agent Uncertainty about catching situation dictates Red Sox's move”. MLB.com. 2009年5月5日閲覧。
  3. ^ Yanks snare ex-Red Sox catcher Cash”. MLB.com. 2009年5月5日閲覧。
  4. ^ Molina placed on disabled list Yankees lose second catcher this week, call on Cash”. MLB.com. 2009年5月12日閲覧。
  5. ^ Rays excited about Cash's dedication, preparation
  6. ^ Cash ejected for first time as a manager MLB.com 英語 (2015年4月17日) 2015年4月24日閲覧
  7. ^ 「オープナー」創案者のレイズ・キャッシュ監督 球界への広がりに驚き”. スポーツ報知. 2019年4月27日閲覧。
  8. ^ レイズ、キャッシュ監督と24年まで契約延長”. 日刊スポーツ (2018年10月10日). 2018年10月28日閲覧。
  9. ^ レイズがワイルドカード獲得、6年ぶりプレーオフ進出”. nikkansports.com. 2019年10月28日閲覧。
  10. ^ Rays’ Kevin Cash wins back-to-back Manager of the Year honors, a first in the AL” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (2021年11月16日). 2021年11月17日閲覧。
    Adam Berry (2021年11月16日). “Cash second to repeat as Manager of Year” (英語). MLB.com. 2021年11月17日閲覧。
  11. ^ Guardians’ Terry Francona wins Manager of the Year for the third time” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (2022年11月15日). 2022年11月16日閲覧。
  12. ^ Manager of the Year” (英語). MLB.com. 2021年11月17日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]