ケッヘル番号

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ケッヘル番号ケッヘルばんごう:Köchelverzeichnis)とは、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの作品を時系列的に配列した番号。ケッヒェル番号とも呼ばれる。モーツァルトの作品を表すために欠かせない世界共通の認識番号である。この作業を最初に行い、出版したのがルートヴィヒ・フォン・ケッヘルであり、その書名は「モーツァルト全作品目録("Chronologisch-thematisches Verzeichnis sämtlicher Tonwerke Wolfgang Amadé Mozarts")」(1862年)である。

日本や英語圏では「交響曲第41番ハ長調 K.551」のように表記されることが多いが、モーツァルトやケッヒェルの活動したドイツ語圏ではKV551と表記される。その他の国々ではK551のように表記されたりもする。番号はK.1からK.626まであり、K.626はモーツァルトの死によって未完に終わったレクイエムである。

ケッヘルは時系列的に作品を並べようとしたが、のちの研究によって作品の成立時期が見直されたり、作品が新しく発見されたりした。そのため、ケッヘル番号は何度か改訂され、最新のものは第8版となっている。特にアルフレート・アインシュタインの第3版(1937年)と、フランツ・ギーグリンク(Franz Giegling)、ゲルト・ジーベルス(Gerd Sievers)、アレクザンダー・ワインマン(Alexander Weinmann)による第6版(1964年)では大幅な訂正が行われた。

しかし、ケッヘルによる初版の番号が長年親しまれてきたことや、第3版以降の番号の付け方が覚えにくいことから、現在でも初版の番号が広く使われている。作品解説や音楽CDなどでは「交響曲第25番ト短調 K.183(K.173dB)」のように「初版の番号(第6版の番号)」の形で表記されることが多い。

なお、ケッヘル番号を25で割り10を足すと、モーツァルトがその曲を作曲した年齢がわかることが多い。

詳細[編集]

  • モーツァルト自身は、1784年以降に自作の作品目録を付けている。そのため、1784年以降の作品には、成立時期が明確なものが多く、ケッヘル番号が第3版以降も変わらないものが多い。1784年より前の作品には、第3版以降で新しい番号が付けられたものが多い。
  • アインシュタインによる第3版以降では、初版の番号を尊重しつつ、作品の成立時期を明確化するために「K.173dB=K.183」(新番号=旧番号)のように二重番号制が採られた。新番号には、アルファベットが使われる。たとえば、K.173とK.174の間に成立したと見なされた作品には、K.173a、K.173b、……のように小文字を追加する。さらに、K.173dとK.173eの間に成立したと見なされた作品には、K.173dA、K.173dB、……のように大文字を追加する。
  • ケッヘルによる初版では、紛失した作品や断片にはK.Anh.56のような追加番号が当てられた(「K.Anh.56」は「ケッヘル・アンハング・56」と読む)。アインシュタインの第3版以降では、紛失した作品や断片もすべてK.315fのように本体の番号に組み込まれた。第6版では、偽作や疑わしい作品にはK.Anh.C14.01のような追加番号を当てている。

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外部リンク[編集]