グルペット
グルペット(仏: grupetto) とは、自転車ロードレースの山岳コースで、タイムアウトにならない程度にゆっくり走るために作る集団。元々はイタリア語で「小集団 (gruppetto)」の意。日本ではフランス語の「グルペット」、もしくはイタリア語の「グルッペット」の両方の表記が使われる。本記事では便宜上、以下グルペットの表記で統一する。
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[編集] 概要
ステージレースでは各ステージで優勝者から一定時間以内にゴールしなければ時間切れで失格となり、翌日以降のステージに出場できなくなる。上り坂の続く山岳ステージでは、上りの苦手なスプリンターなどは、大きく遅れてタイムアウトの危険がある。このため、遅れた選手たちが集団で協力して走行し、タイムアウトを避けようとする。
ロードレースでは、急な上り坂以外では一人で走るよりも集団で走る方が、はるかに楽に速く走ることができる。そのため少人数では先頭との差が広がる一方だが、ある程度以上の集団なら平地や下り坂、緩斜面の上り坂で先頭との差を縮めたり、広がらないようにすることができる可能性がある。
さらにステージレースにおける制限時間は、当該ステージの優勝選手の平均速度・ゴールタイムやステージ形態を元に定められることが多いが、その算出には多少複雑な計算を必要とするため、かつては集団内に素早く計算のできる選手を含めることで計算ミスによるタイムアウトを防げるというメリットもあった(現在は無線技術の発達等により、多くの場合チームスタッフから正確な制限時間を教えてもらうことが可能なため、このメリットは薄れている)。
またもし大きく遅れても、その人数が多いと救済措置を受けタイムアウトとならない場合もある。一例としてツール・ド・フランスにおいては、本来の制限時間に間に合わない選手がその日の出走選手数の20%を超えている場合は、主催者の裁量で制限時間を延長することが可能であり、これによりグルペットの選手はタイムアウトを免れることが多い。ただしあくまで裁量によるものなので、確実に救済されるわけではない上、救済に際してスプリントポイントの剥奪など別途ペナルティを課されることもある[1]。
[編集] グルペットの形成
急な上り坂で集団の中から「グルペット!」と声があがる。これは有力なスプリンターがグルペットを作る“集まれ!”の合図である。この声に呼応して何人かの選手が遅れていき、集団を形成する。グルペットの発端になるのは有力選手に限られ、そうでない選手は単独で集団からちぎれていかざるを得ない場合が多い。
グランツールでのグルペットは、往々にしてロビー・マキュアンを中心として形成されることがあり、『J SPORTS cycle road race』では、解説者の栗村修がこれを「マキュアン友の会」と称している。
その後ツール・ド・フランス2009にてマーク・カベンディッシュが何度もグルペットを引率する姿が見られたことから、栗村は彼を2代目友の会会長の候補に挙げている。
グルペットを形成するのは、スプリンターなど上りの苦手な選手が多いが、仕事を終えたアシストなども参加する。時にはそれほど上り坂を苦手としていない選手が、翌日以降のステージに備えて体力を温存するために参加することもある。
なお一度選手がグルペットに吸収されると、仮に体力に余裕があった場合でも、そこからアタックをかけることは基本的に許されないとされる(不文律の一つ)。
ツール・ド・フランス2009の実況にて、栗村は初参戦してグルペットにも加わった新城幸也、別府史之らの話として、「登りで遅い分タイムアウトにならないよう平地では時として先頭集団以上のペースで走る」という話題を紹介していた。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ ツール・ド・フランス2011では、マーク・カベンディッシュらが含まれるグルペットが第18・19ステージと2ステージ続けてタイムオーバーとなり、1ステージにつき20ポイントずつスプリントポイントを差し引かれた。