グリーゼ710

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グリーゼ710
データ
元期 J2000
星座 へび座
赤経 18h 19m 51s
赤緯 +01° 56.4′ ″
視等級 (V) 9.65 - 9.69
特徴
スペクトル分類 K7V
色指数 (B-V) 1.36
色指数 (U-B) 1.23
変光星 不明
(Suspected)
アストロメトリー
視線速度 (Rv) -24 km/s
固有運動 (μ) 赤経: -130 ミリ秒/
赤緯: -50 ミリ秒/年
年周視差 (π) 51.8 ± 7.1 ミリ秒
距離 約63 光年
(約19 パーセク
絶対等級 (MV) 8.7 ± 0.3
詳細
質量 0.6[1] M
半径 0.67[2] R
光度 0.042 L
表面温度 4250[1] K
自転周期 > 14km/h
(自転速度)
他の名称
Gliese 710, BD-01 3474, Gl 710, HIP 89825, HD 168442, U449, Vys/McC 63, NSV 10635
Template (ノート 解説) 天体PJ

グリーゼ710 (Gliese 710) とは、へび座の尾部に存在する9.6等星で、太陽の0.4から0.6倍程度の質量を持つK型主系列星である。肉眼で観測することのできない暗い星だが、およそ140万年後に太陽系に1光年の距離にまで接近することで知られている。

概要[編集]

現在グリーゼ710は地球から63光年の距離にあるが、ヒッパルコス衛星などが観測した恒星の座標、固有運動視線速度に基づいた計算によると、グリーゼ710は136万年後に地球から1.1光年まで接近すると推定されている。最接近時には1等星となり、アンタレスと同程度の明るさになる。この星は距離が近い割には固有運動が著しく小さいが、これはグリーゼ710が太陽系に向けてほぼ一直線に移動していることを意味している。

現在から前後1000万年の期間では、グリーゼ710は、その接近距離と質量から太陽系へ大きな重力的影響を及ぼす恒星となる。特にオールトの雲をかきまぜて太陽系の内側に多くの彗星を向かわせることになり、彗星の衝突確率の上昇を招くことが予想されている。もっとも、García-Sánchezのモデルによる試算では、地球への小天体の衝突確率はほんの5%上昇する程度である[3]

グリーゼ710の太陽系への最接近は現在から136万年後で、太陽から0.337±0.177パーセク(1.1光年)の距離を通過すると計算されている[3]。ただし、より近い距離まで接近する可能性も皆無ではなく、2010年のBobylevの研究では太陽から1000天文単位(0.016光年)以内を通過する可能性が1万分の1ほどあるとされている。仮にこの距離まで近づいた場合は、オールトの雲に加えエッジワース・カイパーベルト天体にまで影響が及ぶと考えられている[4]

なお、現在から前後1000万年の間に太陽系に最も重力的な影響を与えたのは、730万年前に9.8光年まで接近したアルゴルである。

参考文献[編集]