グラデーション

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さまざまなグラデーション(1~12段目)
グラデーションで彩られた壁

グラデーション (gradation) は、図画の中で、位置に対し、連続的に変化することである。

グラディエント (gradient) とも。ただし厳密には、グラデーションには個々の色の集合体という意味がある(階調とも訳される)のに対し、グラディエントには各点に対する変化の度合いという意味がある。

グラデーションの種類[編集]

グラデーションの形[編集]

グラデーションを作るには、色の変化を2次元のイメージとして図示する必要がある。その主要な方法が2つある(他にもっと複雑な方法もある)。

線形グラデーション[1]
色の変化の向きを表す「グラデーションライン」は直線で、平行している。
放射グラデーション(放射状グラデーション[1]
色の変化の向きを表す「グラデーションライン」は直線で、一点から放射状に伸びている。

グラデーションの色[編集]

グラデーションの色の変化は通常、始点の色と終点の色の間を線形補間して求められる。たとえば、始点と終点の中間の点は、始点の色と終点の色の中間の色になる。ただし、この補間結果は色空間に依存するので、用いる色空間によってグラデーションの途中の色は微妙に変化する。

緑と赤のグラデーションをRGBで求めたので、中間の黄色の彩度が下がっている。HSVで求めれば、中間も鮮やかな黄色になる。

顕著な問題として、最も簡易な計算に使われるRGB色空間を使って、色相が大きく異なる2つの純色の間のグラデーションを求めた場合、グラデーションの途中の彩度が低下してしまう。これを防ぐためには、HSV色空間など色相をもつ色空間を使えば、途中の色も純色になる。

コンピュータとグラデーション[編集]

黒-白グラデーション

コンピュータグラフィックビットマップ画像)においては、実際問題としてグラデーションは扱い辛いものである。グラデーションの変化はアナログ的なものであるのに対して、コンピュータが扱うのはデジタル量に基づいているためである。コンピュータが現在よりももっと素朴で、今より限られた量のメモリしかなかった時代には、グラデーションはその中間色を細かく表現できず、幾つかの中間色でその間を埋める事が行なわれた。

これはコンピュータの表示に使われるビデオメモリ色深度に関連する問題で、余り多くのビデオメモリを持つことの出来なかった時代のコンピュータでは、グラデーションの各々の色彩を表現する機能がなかっただけではなく、表現しようにもその中間状態をデータとして扱う分解能力がなかった。この問題はより潤沢なビデオメモリを搭載したグラフィックコントローラが利用されるようになり、多くのインデックスカラーを持つデータを扱えるようになって、より多くの中間色が扱えるようになり、人の目で一見してはそれほど違和感を覚えないまでになっている。

しかしそういった細密な表現が出来なかった時代では、連続するピクセルに一定のパターンで各々の原色を配置、このパターンで中間色を、更には複数のパターンを使い分けることでグラデーションを表現する様式も使われた。

グラデーションツール[編集]

グラデーションツール(gradient tool)は、いくつかのコンピュータグラフィックスのソフトウェア(例:イラストレーター、GIMP)に備わっている機能であり、パレット上に2色を置き、その間の色彩を徐々に変化させる、すなわちグラデーションを実現させるものである。

印刷とグラデーション[編集]

もともと印刷インキが付いているかいないかの2値で白黒を表すのが印刷技法であった。そこで濃淡をグラデーションで表現する技法として網点が導入された。

出典[編集]