クンビア
クンビア(西: Cumbia)は、南米コロンビアのカルタヘナ・デ・インディアス発祥のラテン音楽のひとつ。パーカッション主体の4分の2拍子が最大の特徴。現在ではラテンアメリカ諸国(スペイン語圏)で広く聞かれる。由来は諸説あるが、発祥は19世紀に黒人奴隷がもたらしたパーカッション文化とインディオのフォルクローレのメロディラインが融合、語源は西アフリカのギニアにあるクンベという地名に由来するとの説が有力である。同じくラテンアメリカで広く聞かれるサルサに対し、上流・中流階級から好まれないものの、庶民の根強い人気を誇る音楽である。
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[編集] 音楽的特徴
- 基本バンド形式で運営。
- リズム体は複数のパーカッションで構成(ティンバレス、コンガ、ボンゴ、ギロなど)。ドラムはほとんど使用されない。
- 特徴的なベースラインを有し、全般的にラテン音楽ながらレゲエに似た趣を持つ。
- メロディラインはアコーディオン、シンセサイザー、ホーンセクションのいずれかで構成されることが多い。稀にエレキギターやピアノも使われる。ペルーではケーナが多用される。
- 歌、インストゥルメンタル、ラップ曲があるが、歌詞はスペイン語。恋愛や哀愁、ダンス、日常、詩的なことが歌われるものが多い。
- アイドル・グループも多数存在する。
[編集] 歴史
発生は19世紀後半とする説が有力である。1940年代まではカルタヘナのみで聞かれる黒人漁師の音楽だったが、1950年代にはビッグバンド化し、首都ボゴタや新興工業都市(当時)メデジンの庶民から上流階級まで愛聴されるようになった。1950年代から1960年代にかけて黄金期を迎え、イスパノアメリカ諸国(スペイン語圏ラテンアメリカ)に普及した。1965年にはメキシコ合衆国でカルメン・リベロ楽団の「赤いスカートのクンビア」(原題:La Pollera Colora)が記録的なヒットを飛ばし、クンビアのラテンアメリカでの人気を決定付けた。同時に世界に配信され、瞬間的なクンビア・ブームが起きる。
しかし、その後しばらくはラテンアメリカ圏外では注目されることはなかったが、2003年にアパレルメーカー・ベネトンよりコンピレーションCD「COLORS MUSIC presents: CUMBIA」が発売されヒット、2006年にはそれに挿入されていたセルソ・ピナ(Celso Piña)の「クンビア・ソブレ・エル・リオ」(Cumbia Sobre El Rio)が効果的に使用された映画『バベル』が米アカデミー賞の作品賞にノミネートされ、2008年に欧米のアンダーグランドで派生音楽デジタル・クンビアのブームが起き、世界的に注目される。
20世紀におけるクンビアの普及にはコロンビアのレコード会社ディスコス・フエンテス(Discos Fuentes/創業1934年)の功績が大きい。逆に言えばクンビア市場とアーティストをほぼ独占していたとも言えるが、現在ではメキシコのアーティストを中心に米メジャーレコード会社各社のラテン音楽部門が積極的にクンビア音源をリリースしている。
現在ではイスパノアメリカ諸国を中心に世界で広く聞かれるクンビアであるが、ヒットメーカーの多くはメキシコを拠点としているケースが多い。
[編集] 関連のある音楽ジャンル
- クンビア・コロンビアーナ(Cumbia Colombiana):コロンビア産の現代クンビアの呼称。
- クンビア・ソニデラ(Cumbia sonidera):メキシカン・スタイルの現代クンビアのバンド・楽曲・DJなどの総称。単語では「ソニデロ/Sonidero」と表記。メキシコおよびメキシコ人移民が多く住むアメリカ合衆国には無数のソニデロが存在する。
- クンビア・ビジェラ(Cumbia villera):アルゼンチン共和国ブエノスアイレスのスラム街発祥で、アルゼンチンとウルグアイを中心に1990年代から2000年代中盤に流行した不良音楽としてのクンビア。当時はラティーノ・ロックやチカーノラップ、レゲトンのアーティストもこぞって参加した。現在では廃れ気味。
- 派生音楽:クンビアはラテンアメリカ内外の音楽に影響を与え続けているが、クンビアと直接関係が深い音楽ジャンルは以下の通り。
- ガイタ(Gaita):クンビアの姉妹音楽。コロンビアの隣国ベネズエラでクンビアと同時期に発生したとされ、音楽的特徴も酷似している。コロンビアのボリバール県サン・ハシントでは毎年8月にガイタ祭が開催される。
- バジェナート(Vallenato):クンビアからダイレクトに派生したコロンビアの現代大衆音楽。
- チチャ(Chicha):ペルー共和国でクンビアから派生した音楽。
- デジタル・クンビア(Digital Cumbia):アルゼンチン共和国ブエノスアイレスのクラブZZKから発信され、2008年から2009年にかけて欧米のアンダーグランドで爆発的に流行したクンビア派生音楽。クンビアと他の派生音楽は基本バンド形式だが、デジタル・クンビアは基本打ち込みで作られるのが最大の特徴。他にクンビア・デジタル(Cumbia Digital)、クンビア・エレクトロニカ(Cumbia Electrónica)などの呼称もある。
[編集] ダンス
他のラテンダンス同様、男女が対になってペアで踊るのが一般的[要出典]。
[編集] クンビアが聞ける映画
- 世界のセクシー・ナイト(1962年イタリア・フランス/原題:Mondo Sexy Di Notte/監督:ミーノ・ロイ)
- フェティッシュ(1996年アメリカ/原題:Curdled/監督:レブ・ブラドック)
- アモーレス・ペロス(2000年メキシコ/原題:Amores Perros/監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)
- バベル(2006年フランス・アメリカ・メキシコ/原題:Babel/監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)
- 太陽のかけら(2007年メキシコ/原題:Deficit/監督・主演:ガエル・ガルシア・ベルナル)
- Cumbia Callera(2007年メキシコ/監督:René Villarreal)
- 闇の列車、光の旅(2009年メキシコ・アメリカ/原題:Sin Nombre/監督:キャリー・フクナガ)
- 悲しみのミルク(2009年ペルー・スペイン/原題:La Teta Asustada/監督:クラウディア・リョサ)
[編集] ラテンアメリカ圏外での受容
[編集] 日本でのクンビア
1965年には世界と同様に日本でもレコード会社日本コロムビアの主導で瞬間的なクンビア・ブームが起きる。クラブでは1990年代後半より徐々に聞かれるようになったが、広く認知を決定付けたのはDJクボタタケシが2000年代中盤に制作したミックスCDだと言われる[要出典]。現在では首都圏および各地方にクンビア・アーティスト/DJが散見される。また、静岡県浜松市などラテンアメリカからの出稼ぎ労働者が多い地域では、それ以前より彼ら向けのクラブなどでクンビアは聴かれている。
[編集] 日本のアーティスト
- スマイリー小原とスカイライナーズ:1965年に「太陽のクンビア」「クンビア・クンビアンバ」「ハロー・ドリー・クンビア」「松の木クンビア」を収録したミニアルバム『スマイリーとクンビアを踊ろう』をリリース。。[1]
- 弘田三枝子:1965年にEP「恋のクンビア」をリリース。同年の「NHK紅白歌合戦」出場曲となる。
- 金井克子:1965年にEP「踊るクンビア娘/赤いスカートのクンビア」をリリース。
- 御影あい子:1965年にEP「クンビアをうたおう」をリリース。
- EKD:2007年にアルバム「Para Todos Todo」、2009年にアルバム「Fantasma」をリリース。
- Little B featuring Kose:2009年にEP「Love Cumbia」をリリース。
- ロホ・レガロ(Rojo Regalo):日本人のみの編成によるクンビア・バンド。別名クンビア・ニンジャ。大阪を拠点にライブ活動。
- TEX & Sun Flower Seed:日本人のみの編成によるレベル・ミクスチャーバンド。クンビア曲もレパートリーに持つ。東京を拠点にライブ活動。
- LCトロピカリシモ(LC Tropicalisimo):在日ペルー人を中心としたラテン・バンド。クンビア曲もレパートリーに持つ。東京を拠点にライブ活動。
[編集] 日本のDJおよびユニット
- クボタタケシ(東京)
- カリビアン・ダンディ(Caribbean Dandy/東京)
- 未来世紀メキシコ(東京)
- DJ HAV(大阪)
- Equalizer(大阪)
- 鎌田洋(愛媛)
- ソニド・デュケ(Sonido Duque/福岡)
[編集] 参考・注釈
[編集] 外部リンク
- ディスコス・フエンテス(スペイン語)
- ソニー・ミュージック・ラテン(英語)
- ユニバーサル・ミュージック・ラテン・エンターテインメント(英語)
- ZZKレコーズ(英語)