クロスバイク

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クロスバイクの例、SpecializedのSirrus

クロスバイクとは、自転車の形態のひとつ。元々はオフロード用の自転車であるマウンテンバイクのフレームとコンポーネントをベースに、整地・不整地走行を両立できる車種として生まれたもの[1]。現在、多くはロードバイク同様の700Cというタイヤサイズ、フラット型のハンドルバーという特徴がある[2]。路上でも路外でもそこそこの走行性能をもつため、英語圏では「ハイブリッドバイク」、または「トレッキングバイク」などと呼ばれる。

「クロスバイク」という名称はどちらかと言えば主に日本で通じる呼び名で、英語で「cross bike」と呼ぶと「シクロクロス」の事を指すので注意を要する。逆に日本ではシクロクロス競技で使われる自転車(シクロクロスバイク)を名前が似ているため混同されることもある。

明確な定義がないこともあり、「クロスバイク」の名称は必ずしも定着しておらず、例えばトレッキングバイクフィットネスバイクスピードバイクアーバンバイクコンフォートクロスなど、メーカーによって様々な呼び名がある。また品質においても廉価なシティサイクルより若干高級な街乗り用として設計されたものから、ロードバイクやマウンテンバイクをベースにしたものまで、幅広いモデルがある。

概要[編集]

基本的に、軽量で強度のあるフレームと、前傾姿勢が辛いと感じさせないフラットバーハンドルを使用、タイヤの太さが25mm~38mm程度の、路面からの衝撃を十分に吸収でき、耐パンク性能を確保した(但し砂利道やダートはロードレーサー同様に不得手)幾分太目のタイヤを装備した自転車をこの様に呼ぶ。また、フロントフォークにサスペンション機構が組み込まれているものも多い。狭義には、MTBの駆動系(ブレーキ、変速機、クランク、スプロケット等)に26インチか700Cサイズのタイヤを組み合わせて、より整地走行に適応させた車種といえる。しかし、競技に使用されるわけではないため、国際ルールによる車両規定はない(メーカー・モデルのコンセプトによって異なる)。

使用用途は幅広く、ポタリング・ファンライド指向のサイクリストなどに人気があるカテゴリである。また、ツーリングコンポーネントを搭載した車種は、非力な者でも軽いギア比を使用出来る事で、峠道などの舗装された坂道の走行を楽に、もしくは速く走れる場合が多い。この点は長距離を走る場合、峠道などの山間部を走ることを余儀無くされる日本のような地形では強みとなり、実際、一日に峠道を含む100~200kmを走るようなロングライドにクロスバイクを使用している者もいる。初心者が、自転車の楽しさを体感することに最も適した車種と考えられる。

本来クロスバイクはスポーツバイクに分類されるものであるが、日本の場合、いわゆるママチャリ(婦人用軽快車)とは違うダイヤモンドフレームに変速付きの、シティサイクル(軽快車)のコンポーネント[3]で組まれた荷台やカゴ付きの自転車まで「クロスバイク」と称して販売されている。これは欧米でいうトレッキングバイクに近いが、多くの場合より廉価な部品で構成されている。

クロスバイクに類似した車種として、ロードバイクのドロップハンドルをフラットバーハンドルに変更したフラットバーロードと呼ばれるカテゴリもあり、最初からフラットバーハンドルを組み込むことを前提とした専用設計のフレームのモデルも存在する。スピードバイク、メッセンジャーバイクなどと呼称されることもあり、これらも広義にはクロスバイクの一種と見なされることもある。

登場の経緯[編集]

クロスバイクは1980年代半ば、マウンテンバイクの感覚を残しつつ舗装道路での快適性を向上させる目的で登場し、CATと命名された。登場から数年はクロスオーバーバイクとも呼ばれており、この名称に当時のクロスバイクの定義をみることができる[4]。当時は、クロスバイクのラインナップは各社ともに僅かであったが、1990年代MTBが斜陽化し、不況となった為、1990年代半ばより各自転車販売会社はクロスバイクの販売に力を入れるようになり、現在[いつ?]では各社から多くの製品が発売されている。

脚注[編集]

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  1. ^ 最初はマウンテンバイクのタイヤを路外向けのブロックタイヤから路上向けのスリックタイヤに変更することから始まっている。古い石畳の多いヨーロッパのクロスバイクには、MTBのようにフロントサスペンションをもつタイプが多いが、道路事情の良い日本の場合、サスペンション無しの路上走行メインのクロスバイクが多数派であり、海外ではサスペンション付きだけなのが、日本向け専用にサスペンション無し版が発売されているモデルもある(例・CENTURION CROSS LINE 50R)。
  2. ^ マウンテンバイクベースで、26インチホイールのまま路上向けのスリックタイヤに換装したクロスバイクもある(例・MARIN Muirwoods)。また路外走行の推奨されないMTB類型車で、26インチホイールのクロスバイクということにして販売されている例もある(例・中華GIANT OYEA)。
  3. ^ Vブレーキではなく、シングルピボットキャリパーブレーキ+バンドブレーキという、ママチャリのような部品構成の「自称クロスバイク」(例・アメリカンイーグル 耐パンク LCR 27型)も、ホームセンターやディスカウントショップ向け商品として販売されている。
  4. ^ 日本製としては初の量産型マウンテンバイクであるアラヤ・マディフォックスシリーズをベースに、専用設計フレームに700Cホイールを装備した「クロスオーバーバイク」ことMF700-CX-Fが発売されたことが、同社の1988年度版カタログで確認できる。これはホリゾンタル型とスローピング型の二種類のフレームで発売され、変速系はサンツアー、ブレーキ系はダイアコンペ、クランクセットはスギノを用いていた。まだ開発されていないVブレーキの代わりにカンチブレーキであること以外は、現在の典型的なクロスバイクの形状が完成されたものであった。

関連項目[編集]